「賃貸はいざというときに引っ越せばいいから安心」「家の購入のローン=借金だから怖い」とずっと思っていた私が、中古マンションを購入しました。SUMAUでライターを担当しているまついが、購入を決めた瞬間からローンを組んで中古マンションを購入するまでの実体験をなるべく時系列でお届けしていきます。


■1ヵ月目・購入エリアを決めよう

ファイナンシャルプランナーのアドバイスのもと、予算が決まったところで本格的に家探しを始めました。

まずはどこに家を買うのか、というエリアを絞らないといけません。マンションの資産価値には立地が大きくかかわってくるということなので、エリア選びは重要になります。

私たち夫婦は、資産価値が下がりにくいエリアや、住み慣れた街、など検討した結果、「自分たちが住んで心地よさそうな街」を選択しました。今回は、どのように購入エリアを決めたかをお伝えします!

・資産価値が下がりにくいエリアとは?

ファイナンシャルプランナー田中佑輝先生の話によると、以下のような場所であれば資産価値が下がりにくいのだとか。

・聞けば誰でも知っている駅(エリア)

・ターミナル駅や再開発が予定されている駅周辺

・都心のほうが好ましいがアクセスが確立していれば埼玉や神奈川もOK

・とにかく駅に近い立地、具体的には徒歩10分以内

参考:Vol.01私たちでも家が買えるの?Vol.11 家が欲しいけれど…3人の悩める女性たち相談会

「いざというときに貸したり売ったりしやすい場所」というのは家の購入の大きな後押しになります。

ただ、売却の前提であれば価値のある人気エリアは安心感がありますが、実際に住みたい場所かどうかはまた別の話ですよね。

現実的に考えると…

・職場に通いやすいか

・治安が良い場所かどうか

・日々の買い物に困らないか

・地震や災害の心配

なども重要な要素。もちろん、そういった環境についても土地やマンションの価値にもかかわってくるようです。

「価値の下がりにくいエリア」と「自分たちが住みやすいエリア」。

どちらを選ぶのかを考えると、自分たちがお金を出して当面売る予定はない限りは“自分たちにとって”価値のある住みやすいエリアを選んだ方が後悔しないはず!

・住む場所もライフスタイルから考える

そこで、まずは自分たちのライフスタイルを見直してみました。住みやすいエリアはライフスタイルで大きく変わると思います。

例えば、小さなお子さんがいれば近くに公園や保育園がある場所、一人暮らしだったら都心でお出かけしやすい場所、など人それぞれ。

私たちDINKSの夫婦は、まだまだ仕事が中心。平日は、ほぼ毎日自炊をして、週末には近所のお店をはしご酒するのが楽しみでした。

そこで重視するのは「職場(都心)に通いやすい」「日々の買い物に困らない」そして「駅が近い」に絞り、良い感じの呑み屋があればなお良し!という条件を決めました。

では、それはどこなのか…。ライフスタイルを考えると、まずは住み慣れた場所の周辺が第一候補にあがりました。

・家のポストが情報の宝庫だった

賃貸で住んでいた地域は神奈川県ですが都心の職場にも通いやすく、若いファミリーに人気の急行停車駅。駅前に小さなショッピングモールがあり、さらにマンションは駅から徒歩5分というなかなか良い立地。

夫が地元の野球チームに所属していて、子どもがいないながらもご近所の方とのコミュニティがあり、暮らしに不便は感じていませんでした。

そう決めると、住んでいるマンションのポストに次々と新築・中古マンションや一戸建てのチラシが入っていることに気づきました。これまでも入っていたはずなのに、意識していないと自分に関係ないものとして確認もせずに捨ててしまっていたようです。

1週間に3~4枚はチラシで情報が入ってくるので、それを全部ファイルに入れて保存するようにしました。ネットには掲載されていない物件や、金額などの細かい情報が掲載されていることが多いので、家を買おうか迷っている段階でもチラシはチェックしてほしいです。

また、駅から10分以内の物件を見つけたら、必ず駅から歩いて見に行くようにしました。そのうえで、気になれば不動産会社にお願いして内見をする、というように、内装より何より建物の場所をまず確認していました。神奈川は坂が多いので駅から徒歩5分であっても、心臓破りの坂やものすごい階段を昇降することになる、というトラップがあるのです。ほぼ毎日歩くことになるので、自分の足で確かめるのがおすすめです。

・再開発エリアは本当に価値が上がる!

そうしているうちに気づきました…自分たちが住んでいるエリアは都心並みに高額であることに! それも急坂の途中や駅から離れた場所でも新築は予算を越える物件ばかり。

「これは何やらおかしい」。

調べると再開発で数年後に大きな駅ビルができることが判明。“再開発の決まった場所は価値があがる”というのを目の当たりにした瞬間でした。

再開発があって便利になるうえ、エリアの価値も上がると考えると、その価格でマンションを買うというのももちろん良いと思いますが、最初に決めた予算を越えてまで買いたいかどうか…。再開発が決まる前に購入すれば、もっと低価格だったのかと思うと悔しいですしね。そこで候補としては残しつつ、ほかのエリアも検討することに。

私「この急坂でこの価格とは…」

夫「再開発でどう変わるかもわからないし無理してまで買おうとは思わないよね」

私「じゃあ、どうしよう。どこがいい?」

夫「高津がいい!」

正直、一度も降りたことのない駅だったので、なぜそう思ったのか、さっぱりわかりませんでした。後々聞いてみると、東京に通いやすく雰囲気の良い場所…と、夫もいろいろと考えていたようです。

いまやセレブの集う憧れの街である二子玉川駅からも、二人でときどき飲みに行っていた溝の口駅からも近く、多摩川の自然もあって駅の周辺は個人経営の商店や飲食店が並んでいる場所です。学生時代にその近くに住んでいた夫は、良いイメージがあるようでした。

夫に言われて、翌日一人で初めて降り立った駅。精肉店や青果店など昔ながらのお店もありますが、若い世代が新しいことを初めていたり、都内の人気店が移転してきていたり、これからもっと元気になっていくんだろうなと活気も感じられる雰囲気で、私もすぐに気に入りました。

大きな川のそばというのは不安になる人もいると思いますが、私の実家は川のすぐ近くだったので、むしろ懐かしく落ち着きました。

そして何より、雰囲気の良い呑み屋さんがいっぱいありましたしね!


・生活に幸福感があれば後悔しない

今回、エリアを迷ったときに、家購入経験者の先輩たちに、「どこに購入するのがいいと思う?」とアドバイスをもらおうとしたんですが、その全員が自分の買った場所をすすめてきました。

私も購入した今ならわかりますが、賃貸で暮らしているときたはまた違う“自分の街”としての愛着が湧いてきます。

もちろん購入した時から価値が下がっていない、再開発などで価値が上がるなどがあればラッキーですよね。でも、多少価格が下がったとしても大損はしないはずなんです。

家を購入して10年後に売却するとします。35年ローンだったら10年後にはローン残高は当初の75%くらいになるので例えば4000万円のローンは10年後には残高が3000万円。3000万円で売れればローンが完済できますし、それ以上で売れれば、ローン完済+次の家購入の資金になります。(参考:Vol.03 今の年収でいくらの家が買える?【前編】)元の購入金額以上の金額で売れないと損するのでは…と考えてしまいがちですが、まったくそんなことはないんですね。

そう考えると自分たちが本当に好きな場所で、無理なく支払える金額で家の購入ができれば、ほとんどの人が「自分が購入した場所に間違いはなかった」と実感できるのではないでしょうか。

さて、この時点では「新築マンション」「中古マンション」「一戸建て」については決めてはいませんでした。それぞれ実際に見に行ったレポートを次回以降でお伝えします。

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