都立大学駅の北口側に位置する、閑静な住宅街として知られる目黒区・柿の木坂エリア。質の高い飲食店や自然を感じられる場所が点在しており、落ち着いた雰囲気が漂います。


今回は、その柿の木坂の近くに家族4人でお住まいの濱田織人さんにお話を伺いました。

濱田さんはベーシスト、音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、芸術教育の専門家“アトリエリスタ”、里山の環境再生事業を中心に子どもの自由な心を育む「NPO法人SOMA」副代表理事と、ひとことでは語ることができない肩書を持っています。



「何かあれこれ幅を広げたいと思っていたわけではなく、興味があるものを続けていたら、こうなっていたんです」と話す濱田さんは、10代からベースのスタジオミュージシャンとしてキャリアをスタート。音楽プロデューサーとしては20年以上活動を続け、2021年には、楽曲制作などの音楽に関わる分野と、企業の広告制作などのクリエイティブ業、2つを軸とした株式会社lierista(リエリスタ)を創業。さらに、プライベートでは裏千家茶道家で、プロサウナーという面もあり、様々なフィールドで活躍されています。

そんな濱田さんが長年にわたって暮らし続ける街の魅力はどこにあるのでしょうか。




自然と触れ合える場も都心の便利さもそろう

柿の木坂エリアに住み始めたのは2004年、結婚を機に妻の職場や、実家のある世田谷区にも近く、最初はその交通の便のよさが大きな理由でしたね。

実際に、都内はもちろんですが、横浜や湘南方面にも出やすく、飛行機に乗るなら羽田空港、新幹線なら新横浜駅と地方へ出かける際にもとても便利です。車でも第三京浜があり、主要な道路が近く、アクセスの良さというのは実感しています。


ただ、利便性だけではなくて、とても暮らしやすくて、子どもが生まれてから町内で引っ越しながらこのエリアを選び続けています。2011年には一軒家も建てました。

自由が丘駅と学芸大学駅の間なのですが、ここら辺は特別に何もないというのが良いところ。

子育てのことを考えても、最適な環境だと思います。


駒沢公園が近いのも良いんですよ。日々、散歩をするときに広い公園があると生活が潤いますよね。空が広くて、気持ちがいい。たまに、スポーツの試合観戦にも行きます。

また、めぐろ区民キャンパスという施設には、コンサートホールや体育館、図書館、カフェ・レストランなど生活に根付いた施設がそろっていて。敷地内の広場の芝がとても綺麗なので、散歩をすることも多いですね。





何もしなくても心地よい、いつも気楽にいられる場所

わざわざ出かけなくても「こんな素敵な家がある」「このお店無くなっちゃった」とか、そんなことを感じながら目的がなく街をふらっとするのもいいんです。この辺って静かで、車通りも多くないから、そういうことができるんですよ。モノやコトを創る仕事をしているとたまに頭を空っぽにしないといけないんですよね。


飲食店では、カフェや居酒屋、一軒家系のフレンチやイタリアンなんかが、そこここにありますが、どのお店も価格が手頃なうえ質が高く、地元の人に愛されるお店だけが残っていると感じます。


また、街の人が、みなさん魅力的だとも感じています。結婚が早かったこともあり、子どもを通して出会ったたくさんの人にも支えてもらっています。クリエイティブの仕事をしている方や、経営者や省庁に務めている方など、業界は幅広いのですが、第一線で活躍されている方が多いので刺激をもらえますね。人間力があって、仕事ももちろん大事にしながら子どもとも一緒に遊びに行くというバランスの良い方が多い印象です。

出会いのきっかけは子どもの習い事などですが、同じ場所に住んでいるというだけで共通項が増え、個人的に外に飲みに行くことや家に集まることもあって、フレンドリーな関係を築けていますね。都心だけど、ちゃんとした人の繋がりを感じられます。





未来へ残したい活版印刷「PRINT + PLANT」

たまたま友人がこの「PRINT + PLANT」で印刷を頼んでいて。その方は、このエリアが地元というわけではないのに、わざわざここに注文していると聞いて、紹介してもらったんです。せっかくならと、名刺を作るようになりました。





刷り上がった名刺と印刷用の版


今なんて、ともすれば名刺もいらないという時代。名刺アプリでスマホをかざせばOKということもありますよね。そんな中でも、昔ながらの手法で、大きな印刷機を使ってガシャンガシャン押していく活版印刷。こういう残すべき価値があるものこそ、未来につなげたいという想いもあって、自分が使うものとして自然だと思っています。




僕は仕事で感情や情緒を大事にしたいと思うのですが、あからさまに目立つような感じも嫌なんですよね。ベーシスト気質と言いますか…通常の印刷にちょっと変化があるというのは渡したときにも、活版印刷ですか、と聞かれることもあって、この名刺でその場が和むこともよくあります。



店内ではコーヒーなどのドリンクも提供している


ブルーグレーを微調整した色を使ったデザインを知り合いのデザイナーと作ったのですが、実際に印刷するときにはちょっと擦りながら変えようかって、インクを混ぜてもらって、最終的にこの色になりました。そんなふうに、その場で調整できるっていうのもデジタル印刷だと絶対できないこと。



印刷は「PRINT + PLANT」の佐藤さんが仕上がりを確認しながら対応


ここなら顔が見えるし、佐藤さんと話すの好きなんですよ。アイデアやセンス、技術もあるし、「こういうのやりたいんだよね」って言えば、いろいろと提案してくださるんですよね。紙なんかやっぱりアドバイスをもらわないと選べないですからすごく助かります。




駅に行くときにね、このお店の前を通るんです。そこで佐藤さんがいたら手を振ってね(笑)。ガラス張りだからよく見えるんです。


ここの通り沿いはほかのお店もそうですね。どこ行っても誰かしら知り合いに会って手を振って。

変に気を遣うことが無くて、ラフな感じがすごいいいなと。近すぎず、遠すぎない、いい距離感でいい大人が多いんですよ。





PRINT + PLANT



住所:〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1丁目32-17 PRINT+PLANT

営業時間:11:00~19:00

定休日:なし※祝日の営業は事前にSNS等でご確認ください

https://print-plant.com/




濱田織人

ベーシスト、音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター、アトリエリスタ。武蔵野美術大学非常勤講師。スタジオミュージシャンとして活動しながら、作編曲、作詞、プロデュースと活動。2017年クリエイティブブティック創業後、芸術教育などにも力を入れ始め、NPO運営にも携わる。プライベートでは、裏千家茶道家としても活動。

Instagram:@oritosroom

フードカルチャー雑誌RiCE.pressにて「一期一食」連載中

https://www.rice.press/?wr=7685




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