「賃貸はいざというときに引っ越せばいいから安心」「家の購入のローン=借金だから怖い」とずっと思っていた私が、中古マンションを購入しました。SUMAUでライターを担当しているまついが、購入を決めた瞬間からローンを組んで中古マンションを購入するまでの実体験をなるべく時系列でお届けしていきます。


■家探しで誰もがぶつかるマンションか戸建てか問題

おおまかなエリアや予算も決まったところで、いよいよ家探しが本格的になりましたが、その時点で「マンション」「戸建て」「中古」「新築」の選択肢はそれぞれにメリット・デメリットを感じていたので、とにかく様々な物件を見てみることにしました。

今回は、私が戸建てを選ばなかった理由と、新築マンションのモデルルーム見学の体験談をお伝えします。

■新築マンションと戸建てのメリット・デメリット

専門家から聞いた話や、自分でも家探しをするなかで、マンションと戸建ては一長一短があり、だからこそみんながぶつかる悩みなのだと実感しました。まずはそれぞれのメリット・デメリットを考えると…


戸建てのメリット
・部屋数を多くできる
・足音などの騒音問題がマンションに比べて少ない
・駐車場代がかからない

戸建てのデメリット
・駅から遠い場合が多い
・メンテナンスを自分たちで行う必要がある
・セキュリティ面で不安がある


新築マンションのメリット
・入居のタイミングが同じなので、人間関係が構築しやすい
・設備が新しく利便性が高い
・中古に比べて購入時の諸費用が低く管理費なども安く設定されている場合が多い
・売却する際も築年数が古くなりすぎない
・ワンフロアで掃除がしやすい

新築マンションのデメリット
・修繕積立基金の支払いが必要
・中古や戸建てに比べると高額な場合が多い

(参考記事:大日方久美子さん「コロナ禍で考える女性のマンション購入」インスタライブレポートhttps://sumau.com/2020-n/article/2131・Vol.04 今の年収でいくらの家が買える?【後編】https://sumau.com/2019-n/article/456

客観的にみるとこんなところでしょうか。結局私たちは中古マンションを選びましたが、新築マンションと中古マンションでは最後まで迷いました。中古マンションについては次回お伝えします。

■戸建てを選択肢から外した理由

私たちが戸建てを選択肢から外した一番の理由は立地でした。

いくつか戸建てを見に行ったものの、険しい坂の上にあったり、周囲にびっしり家が建っていて太陽が一切あたらない日陰だったり、と家に帰るのが楽しくなさそうな場所ばかり。

夫婦そろって地方の一戸建てで育っているので、もちろん戸建ての良さもわかっていますし、憧れもありましたが残念ながら良い物件には出会えませんでした。

しかしマンション購入後に、「ここが売りに出ていれば買ったかも!」という土地がいくつかありました。後悔はしていませんが、家探しはタイミングや巡りあわせも重要だと感じました。

結果的に、部屋がたくさん必要なわけではなく、共働きで家をあけることが多いことを考えると、総じてマンションが自分たちには合っていました。

お子さまがいるファミリーで、さらにリモートワークなどで部屋が必要なら、戸建てもおすすめできます。


■新築マンションモデルルーム見学の流れ

新築マンションは物件が建つ前から募集が始まることが多いので、その場合は実際の物件ではなくモデルルーム見学で購入するかどうかを決めなくてはいけません。そう考えるとモデルルーム見学はかなり重要です。

まず、モデルルーム見学でどういうことをするのかが気になるかと思いますが、これはどの企業も同じような流れでした。



①アンケートに答える

年収や希望条件などを用紙に記入します。ある程度予算や間取りの希望などは事前に決めておいた方がスムーズです。

②ヒアリング&説明

アンケートをもとに営業担当の方がヒアリング。条件にあった部屋の提案をしてもらいます。

また企業の特徴や物件の立地・こだわりなどを担当者が説明してくれます。

③モデルルーム見学

実際に建ってはいない場合は周辺の環境についても模型で説明。

床の構造など見えない部分も模型や写真で説明してもらえます。

②で提案された部屋の広さと比べながらモデルルームをチェックします。

④現地の確認&見学

時間があれば、建設予定地までつれていってもらうことも。周辺環境や駅からの距離などは、ぜひ現地で確認を。

⑤再度ヒアリング

モデルルームの感想などヒアリングされます。不明点などはなるべくすべて解消しておきたいところなので、疑問点は確認しておきます。

所要時間はだいたい1時間半~2時間。思ったよりも時間がかかるので、事前に予約していくのがおすすめ。大きな買い物なので、ほかも見比べながら何度も見に来る人が多いそう。

■タイプの違うモデルルーム3社レポート

新築マンションのモデルルームはいくつか周りました。そのなかでもタイプの違うモデルルームを見学した実体験をレポートします。

タイプA:大手デベロッパー仕掛けいっぱいのモデルルーム


1件目は超大手のマンションデベロッパーのモデルルーム。威勢のいい営業の方が担当でした。

ほかの物件を見に行く途中で、工事中の現地を通りかかり、見つけた物件でした。駅からも遠すぎず、外観もかっこいい雰囲気。

ここの売りは最新の設備のようでした。ボタン一つでお風呂の自動洗浄ができたり、棚を動かして間取りを変更できたり、次々に最新設備の説明を受け、まるで通販番組を見ているかのようなものすごい情報量。営業担当者の方に「見て、見て!これまついさんもやってみて~!」と言われるがまま、一緒に棚を動かしたり、いろんなボタンを押してみたり、こちらも、「おお!すごーい!」と声をあげて思わず通販番組の観客状態に。

その場は結構盛り上がりましたが実際に自分がそこに住むということはあまりイメージがわかないまま…。モデルルームは想像力が大切。実際に住むことを考えて、楽しみながらも冷静さを保たないといけない、と強く思いました。


タイプB:ホテルライクなデザインが特徴のモデルルーム

今度は、床材や壁紙などの素材や、インテリアの雰囲気も大人っぽいホテルの様なデザインが特徴のモデルルーム。

新築で建設前だったためドアや床材の色味が3パターン用意されていて、キッチンの高さなども無料で選ぶことができました。新築でも建築が進んでしまうと自分では選べなくなってしまいますし、他社では有料の場合もありました。

こちらは営業担当の方も、まるでホテルマンのように見守るスタンス。私がひとりで「この棚、おしゃれ、ステキ!」とはしゃぐと、「こちらは別料金になるんですよ。またご自身で工務店などで頼んだ方が安くできますよ」など、欲しい情報だけさりげなく伝えてくれました。

何より驚いたのは「初めて買うなら、近隣の〇〇社の物件もおすすめですよ」「迷っている中古物件の金額はちょっと割高かも…」など、ほかの物件のアドバイスをしてくれたこと。

不動産の営業ってもっとぐいぐいしているイメージだったのですが、まったく違った印象になりました。

またインテリアやキッチンの使い勝手など、購入した中古マンションのリフォームの際にこのモデルルームを参考にした部分もありました。

タイプC:建築済で実際の部屋が確認できるマンション

最後はモデルルームではないのですが、建築後未入居の部屋も見学に行きました。新築分譲マンションは、建築が終わる前に完売する場合が多いようですが、こちらは1室だけ残っていました。その分少し価格が下がっていて、実際の部屋が見られるというのは購入側にも安心できる要素になりました。

設備などは当然、新築なので良いのですが、部屋がマンションデベロッパーの事務所も兼ねられて、事務所の机や段ボールが鎮座。モデルルームのキラキラ感にすっかり慣れていた私には、残念な印象をうけました。

そして、ベランダの窓を開けると目の前に大きな看板が! もし、自分が建築前に見学していたとして、部屋の目の前に看板があることを想像できたか…と考えると、やはり現地確認の大切さを思い知りました。

■モデルルーム見学で重要なこと

・実際の部屋とは違うことを忘れない

・不安要素はとりあえず聞く

・いいなと思ったら必ず現地もチェック

冷静に「自分が住む」という目線でみると、モデルルーム見学が充実します。

また、私が行ったモデルルームはすべて強引な勧誘やしつこい営業は一切ありませんでした。もちろん数回確認の電話がありましたが、「ほかに決めた」と伝えると、その後一切連絡はありませんでしたので、そこはご安心を!

家の購入に一歩踏み出せない方も、一度見学に行ってみると気分が高まると思います。見た後にやっぱりやめる、というのももちろんできますから。

まだ買うという選択肢はないけれどモデルルームに行ってみたいという方はモリモトスマウカウンターでは見学だけすることも可能だそうです。

次回は中古マンション見学と物件を決めた話についてお伝えします。

イラスト/カラシソエル

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