東京の繁華街の中でも、若者たちが集まる渋谷は、今、まさに駅を中心に周辺がすっかり変わろうと全体的に大規模再開発中です。少し置き去りにされた感ありだった宮下公園も同様、色々な意味で、昭和の薫りから平成へ、その未来へと美しくモダンに、光を燦々と浴びる新観光スポット「MIYASHITA PARK」へと生まれ変わりました。
芝生のグリーンが快適な広場に建つ高層ビルが、ここにご紹介する未来志向のホテル「sequence(シークエンス)」です。三井不動産グループが新たに取り組んだ新ブランド「sequence」としての1号店であり、2020年8月1日、フラッグシップとなるべく開業しました。”ミクストユース型プロジェクト” のひとつとして造られ、SMART、OPEN、CULTUREを軸に、自由な時間を過ごせるホテルであることをテーマにしています。つまり、「自分のスタイルで、人や街との “やさしいつながり” を楽しむ次世代型ライフスタイルホテル」を意味しているというのです。先進国である以上、率先して取り組むべき「Diversity、Genderless、Diversity」を、誰もが差別なく、快適に、自由に利用できる集いの場として、このホテルは存在感を示してくれるでしょう。
ホテルのエントランスはMIYASHITA PARKの4階に位置しています。芝生の広いスペースが快適な渋谷区立宮下公園の芝生広場に面し、晴れた日などは散策する人や子供連れの若い父親の姿も見かけます。まず、芝生の広場に面するホテルのエントランスを入ると、ホテルと宮下公園を結ぶカフェエリア「VALLEY PARK STAND(ヴァリー・パーク・スタンド)」があり、そこにはパソコンを使う人も、寛ぐ人もいて、公園と一体型の自由な雰囲気で集えるコミュニケーションの場として利用されています。
新しさはチェックイン・アウトの方法にもありました。チェックインはタブレットによる”顔認証” によってセルフチェックインができるようセットされています。不慣れで戸惑う人には、もちろんスタッフが控えているので助けてくれるから問題はないのです。
全240室揃う客室はタイプも様々。いずれの部屋も窓が大きく明るくて快適ですし、周辺に高層ビルが無いため、渋谷だけでなく東京の中心地がぐるりと見渡せるのも爽快です。特徴的なのは、BUNK ROOMと呼ぶ2段ベッドの部屋が造られ、最大6つのベッドがあるバンクベッドタイプが揃っていること。家族連れや友人同士の旅行にもリーズナブルに対応できるユニークな試みです。
また、4階のエントランスフロアのカフェだけでなく、5階にはオールデイダイニング「Dōngxī(ドンシー)・Restaurant & Sakaba」があり、料理はEAST MEETS WESTとして、かつて西と東の大陸を結んだシルクロードをイメージし、古今東西の伝統料理を洗練された技法で調理するオリジナルの料理が提供されています。
こうしてすべてに新しさを採り入れたホテルは、チェックイン&アウトの時間もユニークでした。チェックインは17時、チェックアウトは翌日の14時に設定されています。さらに地球環境への配慮や、「ボーダレス、ジェンダーレスな人々が集まる渋谷の “多様性” を表現」も実践しています。三井不動産グループの斬新な取り組みに、今後も注目です。
取材・文/せきねきょうこ
Photo: sequence MIYASHITA PARK
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、現在、新刊出版を準備中。
DATA
Sequence|MIYASHITA PARK
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK North
☎:03(5468)6131
https://www.sequencehotels.com/miyashita-park/
客室数:全240室
料金:¥11,300~(1泊1室の室料。消費税込み、各種プラン、会員価格あり)
※ 上記は参考価格のため要問い合わせ