いつか行ってみたい国、皆さんはありますか? 私の“そのうちリスト”には①スペイン、②ポルトガル、③ブータン、④マレーシア、⑤ボツワナ、⑥ナミビアの6カ国がずっとあるままです。ずーっと、ずっと。海外旅行には時間・体力・お金がいります。あと、同行してくれる友人も。私、一人旅が楽しめませんの。そもそもです。ボツワナとナミビアをセットにした旅行に魅力を感じてくれる人を見つけることが困難で…。そんなわけで、“そのうちリスト”をなかなか攻略できずにいます。
現実逃避の度合い、文化の違い、日本では味わえない不便さ。この3つがそろうとハマってしまいます。そんな国々があるから尚更攻略できない“そのうちリスト”。最近もある国にハマってしまいました。アフリカ大陸の北西端にある国、モロッコです。東京からの直行便はありません。面倒このうえない渡航先です。一番のおすすめはエールフランス航空で行く<東京・羽田空港 → マラケシュ・メナラ空港>の航路。乗り継ぎ時間も含めて18〜19時間ほどです。
というわけで3度目の渡航。9月初旬、モロッコへ行ってきました。今回はマラケシュに4泊、アガファイ砂漠に1泊の旅程です。モロッコで何をするのかというと、ひたすら歩いて、食べて、飲んで、そして買います。ラグやクッション、皿や花瓶やらを買い漁ります。家族間で買い渋りがひどいと言われる私ですが、マラケシュでは財布の紐が緩みまくりです。ここ数年、モロッカンスタイルのインテリアが好きで、今回どうしても泊まりたかった宿がありまして。もしもの機会におすすめします。ベルギー生まれのアーティスト、Laurence Leenaert (ローレンス・リーナート)が数年の歳月をかけてリノベーションした5部屋のスイートを要するブティックホテル、ROSEMARY。
2013年に彼女が設立したインテリアプロダクトのブランド「LRNCE」の暖かい作品に囲まれた空間で過ごす時間は格別です。クッションや陶器、家具や絵画など、目にするほとんどがローレンスによるデザインで、しかも購入可能!
とある店で一目惚れしたラグ
ラグを買ったらオマケでくれたベッドカバー
アガファイ砂漠のグランピング施設BE AGAFAYで購入した室内用スリッパ。履くたびに心がモロッコに引っ張られます。元々は“そのうちリスト”に入っていたモロッコ。「いつか行こう」に思い切って挑戦すると、「いつでもまた行ける」という気持ちにシフトするから不思議です。遠いし、押し売りがすごいし、ぼったくりも半端ないし、面倒なことも色々あるけれど、完全にモロッコにハマってしまいました。2024年もあと少し。モロッコ再訪は来年にとっておいて、もう1カ国、どこかへ行ってしまおうかなと考えています。
クリス‐ウェブ佳⼦(モデル・コラムニスト)
1979 年10 ⽉、島根⽣まれ、⼤阪育ち。4 年半にわたるニューヨーク⽣活や国際結婚により、インターナショナルな交友関係を持つ。バイヤー、PR など幅広い職業経験で培われた独⾃のセンスが話題となり、2011 年より雑誌「VERY」専属モデルに。ストレートな物⾔いと広い⾒識で、トークショーやイベント、空間、商品プロデュースの分野でも才覚を発揮する。2017 年にはエッセイ集「考える⼥」(光⽂社刊)、2018 年にはトラベル本「TRIP with KIDS―こありっぷ―」(講談社刊)を発⾏。