3月31日、生後5ヶ月の子犬を迎えました。女の子で名前はフェイ。毛がフワフワしているのでFで始まる名前をつけたくて。大好きな映画、ウォン・カーウェイ監督の名作『恋する惑星』のヒロイン役を演じたフェイ・ウォンからとって名付けました。どうやら小型犬の反抗期は生後4ヶ月から6ヶ月ということで、フェイ、反抗期真っ只中です。そして私は毎日トイレトレーニングに手こずっています。


犬と一緒に暮らし始めて、当たり前ですが色々なことが変わりました。まずは早寝早起きになったこと。今では23時までにベッドに入り、そして5時半には起き…、起こされます。2番目は外出の際に行き交う人との交流が増えたこと。とにかく話しかけられます。「あら、美人さんねぇ」なんて。はい、私のことではありません。フェイは“見返り美犬”なんです。




3番目は観葉植物の置き場所が変わったこと。特にモンステラ。今まではカーペットに直置きにしていましたが、ソファに自力で登れないフェイが絶対に手の届かない高い場所に移動しました。なぜならモンステラは犬にとって危険な観葉植物だったのです。モンステラの他にもポトス、アイビー、ドラセナ、ディフェンバキアといった定番の観葉植物も危険。逆に安全な観葉植物はアレカヤシ、シュロチク、パキラなど。このモンステラは近いうちに友人に譲る予定です。




4番目、最後に大きく変わったこと。それは今まで見向きもしなかった場所が遊び場になったことです。それも私にとって。掃除機をかけるだけだったテーブル下、歩行空間でしかなかった廊下、寝転がったことのないベッドルームの床。そういった場所にフェイと一緒にもぐりこんだり、一緒に寝そべったりするんです。時にはそのまま一緒に寝落ちしちゃったり。子育て初期、ハイハイの時期。時間がとてもゆっくりと流れていたあの頃に戻った気分です。




10年後、私は54歳になり、フェイもちょうど50代半ば。同じタイミングでシニアになります。同士です。年齢を重ねる楽しみがまた一つ増えました。



クリス‐ウェブ佳⼦(モデル・コラムニスト)

1979 年10 ⽉、島根⽣まれ、⼤阪育ち。4 年半にわたるニューヨーク⽣活や国際結婚により、インターナショナルな交友関係を持つ。バイヤー、PR など幅広い職業経験で培われた独⾃のセンスが話題となり、2011 年より雑誌「VERY」専属モデルに。ストレートな物⾔いと広い⾒識で、トークショーやイベント、空間、商品プロデュースの分野でも才覚を発揮する。2017 年にはエッセイ集「考える⼥」(光⽂社刊)、2018 年にはトラベル本「TRIP with KIDS―こありっぷ―」(講談社刊)を発⾏。

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