世界的なホテルのブランドであるHyattは、「他に類のないホテルを集めた」として、数々揃うHyattの人気ブラントとは一線を画す新たなブランド「アンバウンド コレクションby Hyatt」を、日本で初めて開業しました。
リゾートホテルのひとつとして、際立つロケーションである霊峰富士の麓に佇み、その名の通り、日本の代表的なサーキット「富士スピ－ドウェイ」に隣接しています。まさに‘静’であるホテルと‘動’のサーキットが共に主役であるとするコラボレーションの誕生です。開業は2022年10月7日、さらに間もなく日本で2軒目となる同ブランドのコレクションも開業を待っていると言いますから、このブランドへの力の入れ具合がわかります。
アンバウンド コレクションとは、「唯一無二のホテルとして、そこに行かなければ決して体験できない、他とは異なるそのデスティネーションならではの特徴があり、ラグジュアリーなホテルである」と謳っています。ここ「富士スピードウェイホテル」では、全120室（スイート21室、5室のヴィラを含む）が用意されており、広大な敷地の中でのびのびと滞在できる癒しの空間です。客室はサーキット側（サーキットビュールーム）と、富士山を展望できる客室（富士山ビュールーム）があります。想像できないほど異なる両側の光景は客室選びにも迷うかもしれません。
ロケーションのみならず、ホテル館内も設備が整い高級感が漂います。館内1階と2階に誕生した「富士モータースポーツミュージアム」は、ゴージャスなモータースポーツの歴史と、ミュージアム内に展示された数々のレーシングカーや名車に見とれながら、世界中の経済が急スピードに発展してきた歴史まで透けて見えてきます。レースのない静かな日でも、名声を手にしたレーサーたちの輝かしき場面を想い、サーキット音や観客の叫ぶ声などが聞こえそうな臨場感に感動させられました。世界のサーキットで活躍した車が、これほどの種類を一堂に展示しているのはとても稀だといいます。
ホテルには他にも充実した施設が整い、離れのウェルネス施設「OMIKA WELLNESS & SPA」では1棟がウェルネスに特化されています。棟内には温泉施設、スパ、屋内プール、スポーツジムが揃う充実ぶりです。またホテル内の食事処も充実していました。レストラン「Robata OYAMA」が、グルメな静岡らしい新鮮な海山の幸や、富士山の清涼な水で育った食材を利用し、伝統と斬新さを融合させた炉端焼きを提供しています。もう一つ、オープンキッチンの「TROFEO イタリアン」では本格的なイタリアンが楽しめます。
老舗サーキット、圧巻の存在感を誇る富士山の勇壮な姿、また世界でも稀な歴史あるコレクションを展示するミュージアム…。こうして施設全体を俯瞰すると、確かにここでしか味わえないストーリー性のあるホテルでした。「モータースポーツとおもてなしの融合」とは、ただラグジュアリーなホテルを意味するのではなく、ひとつひとつの出来事がこの場でしか味わえない貴重な体験となる、その舞台としてのホテルを意味しているのです。
取材・文／せきねきょうこ
Photo: Hyatt
せきねきょうこ／ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞､ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、21年4月、新刊出版。
DATA
富士スピードウェイホテル
-アンバウンド コレクションby Hyatt-
静岡県駿東郡小山町大御神645
https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/fuji-speedway-hotel/fswub
