行けば必ず心ときめく瞬間に出会える――誰にでもそんな一軒があるもの。この連載では、素敵なライフスタイルを送る方のお気に入りのお店で、生活にプラスしたいモノ・コトを一緒に探します。
今回、登場していただくのは、SUMAUの人気連載「うつわと料理」を手掛ける料理家の千 麻子さん。千さんが連載記事でもその愛を語っていた、「Astier de Villatte (アスティエ・ド・ヴィラット) 」のフラッグシップストアへ向かいました。
前後編にわたり、この「Astier de Villatte (アスティエ・ド・ヴィラット) 」の魅力を千さんと共にお届けします。

Astier de Villatte (アスティエ・ド・ヴィラット)
世界最大規模のフラッグシップストア
Astier de Villatte (アスティエ・ド・ヴィラット) フラッグシップストアは、2025年12月12日、東京・表参道にオープンしました。300平米という広さは世界でも最大規模で、ブランドの世界観を形づくるほぼ全てのコレクションがここに集まっています。
入り口から広がる空間には、ブランドを代表する陶器の食器類が所狭しと並び、白いうつわの数々が光を受けて静かに輝いています。その空間を抜け、 小さな階段を上がった先にはお香やキャンドル、ランプ、活版印刷のノートなど、ライフスタイルを彩るアイテムがそろいます。

この圧倒的な品揃えこそ、千さんがこの店に通いたくなる理由のひとつ。
「このフラッグシップストアができてから、2回来ているのですが、2回ともお皿を購入しました。たくさんの商品が並んでいるので、選びがいがあるんです。ディスプレイも見やすく、つい手に取りたくなります」
細部までデザイナーのこだわりが詰まった店内
フランスの空気感が息づくこの店内をフラッグシップストア 店長の岡﨑和愛さんに案内していただきました。

千さん「これだけの数の商品を並べると雑多な印象になりがちですが、ここはいつ来ても整っていて、来るたびに感動します。こういった展示の並べ方はどのように決めているんですか」
岡﨑さん「オープン準備ではパリからデザイナーの2人が来て、まず全ての商品を自分たちの手で並べるんです。 一つひとつ、1ミリ単位のこだわりがあります。なぜこの配置なのかという意図を共有してもらって、世界観を守りながらレイアウトしています」

そのこだわりはディスプレイだけではなく、店舗の空間づくりから始まっているといいます。
岡﨑さん「表参道の街に馴染む形で、建物の特徴を活かしながらパリを感じられる場所をつくる、お店も創作のひとつというのが彼らの考えです。デザイナー自身が壁や床、什器など、細部までこだわって手を入れていました」
食器を置いている棚なども全てフランスから取り寄せ、窓ガラス一つ取ってもフランスのアンティークを使用するなど、すべてにこだわりが詰まっています。
岡﨑さん「細かいところで言うと、壁についている傷まで、鉛筆で描いたものなんです」
千さん「それはまったく気づきませんでした。このお店そのものが作品なんですね」
選ぶ楽しさが止まらない品ぞろえの多さ

そうしたデザイナーの想いを感じながら、食器類が並ぶ売り場を散策します。
千さん「改めて店内を見ると、今まで見たことない商品や新しい商品があるような気がします」
岡﨑さん「新商品が入ってくるのは年に数回です。定番商品でも入荷するタイミングはランダムで、その時にあるものだけが本国から届きます。久しぶりに入荷することもありますし、配置の変化で見えていなかったものに気づくということもあるかもしれません」

千さん「そうなると、来るたびに新たに発見がありそうですね。いつも、”今日はこれを買う”と決めて来ても、あれもこれもと目移りしてしまうんです。岡﨑さんはご自身で実際に使っているものでお気に入りはありますか?」
岡﨑さん「私は カップのアレンジが好きです。チョコレートカップといってホットチョコレートなどに使うサイズですが、そこにデザートとかプチサラダを入れても素敵なんです。アイスやフルーツなんかもかわいいですし、意外と白玉のような和菓子も合います」

千さん「確かに、このカップに入っているのを想像するだけでも、とてもかわいらしいイメージが湧いてきます」
岡﨑さん「これはマーガレットというシリーズで、菊の花のような雰囲気は和食にも合うんです。取っ手が無いものは、小鉢のような感覚でお料理にも使いやすいです」

店内を歩きながら脚つきのスタンドの前で足を止めた千さん。
千さん「こうしたスタンドを 1つ持っててもいいですよね。ダイニングに置きっぱなしにしてても、これがあるだけでインテリアとして素敵な空間を演出できそうです。そして、このディスプレイのケーキやフルーツが気になります」

岡﨑さん「これ、実はキャンドルなんです。 教会用のキャンドルからスタートした南イタリアの老舗のキャンドルメーカーCERERIA INTRONAのもので、天然の素材にこだわっています。クロワッサンやケーキのキャンドルは甘い香りがしますよ」
千さん「カラフルで子供部屋に飾りたくなります。ただ、もったいなくて火はつけられないですね」
職人の手仕事が生む一点もののうつわたち

続いて目を奪われたのは壁際に並んだピッチャーの数々。
千さん「ピッチャーの並んでいる様子が美しい。こんなに種類があるのは知りませんでした。存在感があって、お花を入れても素敵ですし、ただ置いておくだけで絵になりますね」
岡﨑さん「今ちょうどたくさん揃ったタイミングです。ピッチャーをここにずらりと並べるというのもデザイナーのこだわりなんです。並んでいる商品は全てデザインが違います」

店内には、ホリデーシーズンに使いたくなるシリーズも。
岡﨑さん「これはジョセフィーヌというシリーズです」
千さん「ナポレオンの皇后ジョゼフィーヌのイメージなんですね。お皿の周囲がゴールドになるだけで印象が変わって気品があります。これからのシーズン、クリスマスやお祝い事、パーティーの時にぴったりですね」

ラディッシュがちょこんとのっているのはバターディッシュです。
岡﨑さん「なぜラディッシュかというと、フランスではラディッシュにバターをつけるんですよね」
千さん「そうですね、つけます。生のラディッシュにバターをつけるというと、日本ではあまり想像できないですよね。私も最初は驚きました」
そうした食文化の違いに触れられるのも、楽しいところ。

様々な商品がありますが、これらはすべて、職人が一点ずつ手作業で仕上げています。
岡﨑さん「うつわは型を使って成形しますが、最終的な仕上げは職人の手で行われます。 だから、ほんのわずかな歪みや凹凸、土の質感が透けて見える釉薬の表情など一点ずつ違いが生まれるんです。そんな手仕事の跡が見えることこそ、アスティエの大きな特徴であり魅力です。同じ白でもどこか温かみがあって、すべてを受け入れるような包容力がある。だからこそお料理をのせたときに本当に映えるのだと思います」

取材後期
一人でサラダを食べる時、外で買ってきたケーキをおやつの時間としてゆっくり楽しみたい時、そんな大切にしたい時間に、意識的に選ぶのがアスティエのうつわです。例えば“あと30分で子どもをお風呂に入れなきゃ”という時は、どうしても雑な扱いになってしまうので、もっと丈夫なうつわを使います。少し時間に余裕があって、日常をより素敵にしたい時にアスティエは寄り添ってくれるんです。
料理じゃなくても、リンゴやバナナをそのままのせるだけで絵になるし、複雑な料理を盛りつけても、どこか今っぽくておしゃれに見える。これだけいろんな表情を楽しめるうつわは、なかなかありません。
今日は、また新たな視点で、ブランドの魅力に触れられました。私はいつも料理をのせるために、プレートばかり見てしまうんです。でも、マグカップをおすすめされて、すごく素敵だなと。マグカップって飲み物のためのものというイメージが強いけれど、サラダを入れてもいいし、アイスクリームを乗せてもかわいい。 使い方が広がって、いろんな絵が浮かぶうつわなんだと初めて感じました。

料理家 千 麻子
学習院大学文学部哲学科および経済学部経営学科を卒業し、同大学史料館に勤めた。また美味しいもの好きが高じて美食の街、リヨンのポールボキューズ料理学校をはじめ、国内外問わず料理を学び、フランスではミシュラン3つ星のレストランの厨房でも研鑽を積む。
Instagram:@asako_sen

Astier de Villatte フラッグシップストアイベント情報
『Ma Tasse à Moi – 私だけのマグカップ』
開催中~12月25日
Astier de Villatte フラッグシップストアでは期間限定で特別なオーダー企画を実施中。希望する名前とデザイナーが描いたイラスト一覧の中から好きなモチーフをセレクトし、世界でたったひとつのマグカップを作ることができます。
Astier de Villatte フラッグシップストア
住所:東京都渋谷区神宮前5-2-11
TEL: 03-3406-0313Astier de Villatte フラッグシップストア
営業時間: 11:00~19:00
定休日:不定休
読者プレゼント

記事内でもご紹介した Marguerite チョコレートカップを抽選で1名様にプレゼントします。下記のフォームよりご応募ください。
取材・文/SUMAU編集部 撮影/古本麻由未
















