インドネシア・中央ジャワの神秘的な自然環境に佇むアマンジウォは、リゾート全体が鬱蒼と繁る森に包まれるように小高い斜面を利用して建てられています。リゾートからは、4km先に堂々たる姿の遺跡、世界遺産のボロブドゥール寺院が遠望できます。見渡せると言うよりは、真正面に聖なる寺院を望めるよう精密に造られたというのが真実でしょう。
ボロブドゥール遺跡は、世界最大の仏教寺院(大乗仏教遺跡)として8~9世紀に建立されており、1991年にユネスコが世界遺産として認定し登録されました。
アマンジウォは、背景に迫る小高い‘メノレ・ヒルズ’の傾斜地を利用しているために、その山から連なる深い森に包まれるように佇んでいます。前面は視野が広がり、木々や畑を介して真正面にボロブドゥール寺院の姿が遠望できるような設計であり、アマンジウォのどの客室からも、ダイニングからも、リゾートのどこにいようと、この仏教遺跡を感じることができるのです。正直、早朝に目が覚めて、朝靄にかすむ姿を見る度に神聖な気持ちにさせてくれるから不思議です。
アマンジウォは、サンスクリット語で‘平和なる魂’の意味を持ち、その通り、リゾート滞在中は、多くのゲストが静かに過ごし、ゆったりと休暇を満喫しています。世界各国に現在は30軒以上のアマンがありますが、古くからアマンを愛するトラベラーの多くが、このジャワ島のアマンジウォを‘アマンの聖域’に挙げるほど、世界的にも支持の厚いリゾートなのです。
初心者はアクティビティに夢中、
リピーターは‘何もしない休暇’を楽しむ
アマンジウォでの第一印象は笑顔に包まれます。到着時に、近所の村の子供たちによるフラワーシャワーとガムランの生演奏に歓迎され、リゾート滞在が始まるのです。エントランスから先に進むと、薄いピンクベージュ色の美しく荘厳な丸天井の建物‘ロタンダ’に入ります。ここがアマンジウォは建物の中心であり、ドーム型の梁を持つ華麗なロタンダが造られています。ここにはメインのレストラン&バーもあり、最もアマンジウォらしい空気感のある魅力的な場所です。メイン棟となるこのロタンダから、階段を上り下りするように客室が造られました。空から見れば美しい半円形のシンメトリーがわかるのですが、アマンジウォが誇る建築として、建築家エド・タートルの傑作のひとつとも言われています。近くのボロブドゥール寺院に敬意を払い、周辺の自然環境にも着目したエド・タートルが、現地ジャワ産の薄いピンク色の石灰石(ライムストーン)を用いて、荘厳で美しいアマンジウォの‘ロタンダ’を造りあげました。
客室内は瀟洒で格式のある空間です。四柱の天蓋付きベッドが中央に置かれ、カーテンを引けば、ガラス戸からも、テラスからも、畑や森の奥にボロブドゥール寺院が神秘的に浮かび上がります。全33棟の客室すべてがスイートタイプ。とりわけ最大級のスイート「ダレム・ジウォ・スイート」は、敷地面積が1,200㎡、15mの専用プールや円形のロタンダを挟んで、両サイドには2つの独立したベッドルームパヴィリオンが造られ、さらに、専用バトラーが24時間の世話をしてくれます。一般の客室でも、屋外に露天風呂のように‘サンクンバスタブ’(地面や床に埋め込まれた低い位置の浴槽)があり、寒さとは縁遠いジャワでは、ゆったりとバスタブに浸かり、日常を忘れて休暇を満喫できるのです。







アクティビティの主役は、
ボロブドゥール寺院で見る朝陽
寺院に敬意を込めて、この聖なる土地に特別に生まれたリゾートのアマンジウォ。だからこそ、リゾートではその遺跡に常に寄り添い、メインのアクティビティに神聖なる朝陽を見るために‘遺跡のサンライズ・ツアー’を提案しています。スタッフのエスコート付で、未だ薄暗く夜の明ける前にアマンジウォを出発。遺跡の上までたどり着いてから感動的な朝陽を見る、その瞬間を見逃すまいと早朝に寺院に向かいます。
空気がうっすらと和らぎ、空が群青色から黄金色へと変わると静かに太陽が顔を出し始めます。サンライズは実に美しく、遺跡のあちこちからシャッター音が響き渡ります。
アマンジウォでの滞在は、自身の別荘のように慣れ親しんだ顧客とは両極に、新たにゲストとなったトラベラーは、リゾートが提供する数々のアクティビティに積極的に参加し、興奮気味に楽しんでいます。近辺の村に生きるジャワの芸術家の工房巡り、さらに田んぼやココナッツ畑の中を馬車で散策し、鬱蒼としたジャングルの中に点在するエキゾチックな小村を巡るなど、観光地巡りとは一味違うジャワの日常を垣間見る散策も人気です。特にこのジョグジャカルタは、ジャワ美術芸術の中心地と言われ、インドネシア産のバティック、音楽、ワヤンクリ(人形の影絵芝居)なども継承され、異国情緒豊かなジャワ島の歴史伝統が記憶に残る旅を、アマンジウォと共に盛り上げてくれるのです。


取材・文/せきねきょうこ
Photo/Amanjiwo
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数。
Instagram: @ksekine_official
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