地方の活性化を目指し躍進を続ける(株)バルニバービが、「食から始まる地方創再生」として新たに開発を手掛けています。場所は島根県出雲市の自然の断崖が残る西海岸沿いであり、夕陽の美しい海を前に、観光、二拠点ライフ、移住を推進する新しい複合施設「WINDY FARM ATMOSPHERE」というスタイリッシュな施設の集まりです。
オープンは2023年5月1日(月)、この出雲でしか味わえない瞬間を楽しんでもらおうと、185席の大きなレストラン、8室からなるホテル、大型駐車場も併設した飲食・物販スペースなどが開業しました。より発展拡大するためのまずは第一弾としての出発でした。出雲縁結び空港から車で約40分、海沿いの広々とした敷地には施設名となった風車発電用タービン(Windy Farm)が点在する施設があり、地産地消、自給自足のエリアを開発していくことを推進し、農業の支援や再生エネルギーシステムの導入までに関わることを目的としています。ホテルはこのプロジェクトの中心に位置し、レストランと共に基幹の施設として造られました。
「IZUMO HOTEL THE CLIFF」は、砂浜からわずか10mの距離にある断崖の中に埋もれるように造られ、客室に入ると、まさにCAVEの中ですっぽりと包まれている感じです。楕円形の窓からはテラスを通して、ビーチと海だけが広がり、感動的な夕陽のスポットとして絶景を独り占めできるのです。
自然一体型ホテル「IZUMO HOTEL THE CLIFF」は、子供たちもウェルカムですが、静かな時間を客室内で堪能できる大人向きのホテルでもあります。CAVEの中にあることから、まるでカプセル内に入っているような安心感がとても落ち着きます。施設内にはホテルの上階に大型レストラン「GARB CLIFF TERRACE IZUMO」があり、すぐ隣には、別棟として、「ANNEX VILLA WONDERLUST」が立ち、1日1組のゲスト滞在を受けています。家族連れで楽しむには、1軒やのこのヴィラが最適でしょう。
レストラン「GARB CLIFF TERRACE IZUMO」では、海側が全面ガラス張りであり、夕陽の沈むころにディナータイムを迎えるなら、感動的なシーンを見ながらの食事となるでしょう。
そこでいただく食事は島根の食材を主に、特製のグリラーを用いて薫り高い薪火料理を提供しています。島根の伝統的な食材を使いながら、ジャンルにこだわらない自由な発想の料理が提供されるのも楽しみです。ワイン好きにはたまらないペアリングも提供され、奥出雲のワインが登場します。宿泊者の朝食には土鍋で地元米を炊き上げるこだわりの「和朝食」が運ばれ、朝から元気をいただきます。
出雲大社に詣でるのも、ここからなら遠い場所ではありません。神様が護る海と同じ海を眺めながら、薪火料理のグルメなレストランで食事を楽しみ、静かに過ごせるホテルで海と一体になる時を過ごす…、贅沢な滞在が待っています。周囲には未開発の地が残り、静けさの残る出雲の魅力を、ここ西海岸からから発信し始めた複合施設「WINDY FARM ATMOSPHERE」。近隣の町にドライブすれば、伝統文化の残る店舗も点在し、改めて出雲の奥深さを再発見する良い機会となりそうです。
取材・文/せきねきょうこ
Photo: IZUMO HOTEL THE CLIFF
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、21年4月、新刊出版。
DATA
IZUMO HOTEL THE CLIFF
イズモ ホテル ザ クリフ
島根県出雲市多伎町久村1870 B1F