遂にやってきました、台風の季節です。そして猛暑も続きます。みなさんはいかがお過ごしですか。水分と塩分の補給を忘れず、夏野菜をたっぷり摂取して、毎日健やかにお過ごしくださいね。


突然ですが、最近夏休みの宿題が恋しいのです。恋しいといっても、それは娘たちの夏休みの宿題のこと。セミやホタルの生態調べ。アサガオの成長記録。読書感想文や自由工作。手伝うのはほんの少しでしたが、なんと楽しかったことか。「進んでる?、もう終わった?」と時々娘たちをせっつくやりとりすら恋しいのです。音読を傾聴したり、紙粘土を一緒にこねたり、星空を観察したりとね。相手が相手なら、夏休みの宿題ってとてもロマンチックなの、ご存じでした?たとえば、映画『愛を読むひと』のマイケルとハンナ、『ゴースト/ニューヨークの幻』のサムとモリー、そして『天空の城ラピュタ』のパズウとシータのように。


なかでも一番好きだったのが日記です。娘たちの日記を読むのが私は大好きでした。もしも今、彼女たちの日記を読んだりなどすれば、私の信用度は一気に崩壊することでしょう。はぁ〜っ、誰か夏休みの宿題を娘たちにあげてくれいっ。まぁ、そんなわけにもいかないので、だったら久しぶりに私自身に夏休みの宿題を課すことにしよう!ということで夏休み日記をつけてみることにしました。これまで日記に挑戦したことは何度かありますが、なんせ“継続はそのとき次第”な私。日記帳を買ったことすら忘れる始末なので、旅日記に特化することにしました。第一弾は初めてのオーシャンクルーズに出かける8月16日から8月21日まで。そして第二弾は沖縄旅行の8月28日から31日まで。




リバークルーズであれば一度だけ経験があります。2007年に設立されたクルーズ会社「アクア エクぺディションズ」が企画するメコン川クルーズです。私が参加したのはアクア・メコンという船室わずか20室のモダンな船で、ホテルに例えるならば五つ星。乗客と乗組員の数の対比が1:1なので、幼い子どもが一緒でも安心して楽しめる旅でした。




4泊5日の旅程ではメコン川流域の小さな町や村に上陸しながら、ベトナムとカンボジアの様々な文化に触れます。日本のクルーズと一線を画すのは「アクア・メコン」での子どもへの接し方。大人と同じように子どもの意思を尊重してくれるのです。たとえば、クルーズ中にエクカージョンといって陸地での様々なプログラムが用意されているのですが、子どもが船に留まりたいと願えば、クルーと一緒に船でお留守番することもできるのです。




リバークルーズの最終日、カンボジアのコーダックという村にある学校を訪れました。アクアメコンの参加費は便利なオールインクルーシブ。そして費用の中にはこの学校への寄付金が含まれています。3度目の参加というご夫婦は、たくさんの色鉛筆とノートブックを持参していました。メコン川クルーズの様子は膨大な写真と取材メモ、そして講談社から出版していただいた旅育本『TRIP with KIDS』に収められています。でも日記はつけていなかった…。つけていれば良かったとしみじみ。ですから、今回こそは新調した日記帳を持って夏休みの旅へ出かけたいと思います。そして昨夜、初めてのオーシャンクルーズに参加するので、予習として映画を1本観ました。『オーシャンズ』で有名なスティーヴン・ソダーバーグ監督の『レット・ゼム・オール・トーク』という作品です。


メリル・ストリープ、キャンディス・バーゲン、ダイアン・ウィーストという大女優たちが、豪華客船クイーン・メリー2に乗って、アメリカからイギリスまで航海する旅中をリアルに描いた作品です。まぁ、航海中に何かが起きる起きないかは別として、全てのセリフがアドリブという驚きの実験的作品。プロットは決まっているとはいえ、大女優たちの演技力だからこその作品なので、是非この夏ご覧になってみてください。



Aqua Expeditions

https://www.icruises.jp/aquaexpeditions/

<リバークルーズ>

・ペルーの秘境アマゾン川

・カンボジア~ベトナム間のメコン川


<オーシャンクルーズ>

東インドネシアのコモド国立公園

アンボン・スパイス諸島 ラジャアンパット


クリス‐ウェブ佳⼦(モデル・コラムニスト)

1979 年10 ⽉、島根⽣まれ、⼤阪育ち。4 年半にわたるニューヨーク⽣活や国際結婚により、インターナショナルな交友関係を持つ。バイヤー、PR など幅広い職業経験で培われた独⾃のセンスが話題となり、2011 年より雑誌「VERY」専属モデルに。ストレートな物⾔いと広い⾒識で、トークショーやイベント、空間、商品プロデュースの分野でも才覚を発揮する。2017 年にはエッセイ集「考える⼥」(光⽂社刊)、2018 年にはトラベル本「TRIP with KIDS―こありっぷ―」(講談社刊)を発⾏。



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