進化形ホテルの誕生!
木材で造られた高層ハイブリッドホテル
未来型のホテルが誕生しました!株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツは、三菱地所株式会社が開発、ロイヤルパークホテルズが運営、札幌に環境型ライフスタイルホテル「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」を立ち上げ、ロイヤルパークホテルズ初となる北海道進出を果たしています。
自然の残る美しい地方都市、札幌に相応しい環境型のホテルとして生まれた画期的なホテルは、北海道の魅力に迫る未来系のマイルストーンとして「北海道を体感する」と謳い、「エシカル(=倫理的な)」「サステナブル(持続可能性)」を念頭に掲げ、2021年10月1日、国内初の高層ハイブリッド木造ホテルとして誕生したのです。
北海道産の木材を使用し、国内では初となる‘高層ハイブリット木造ホテル’という斬新な取り組みの未来型ホテルの誕生は、ホテル業界はもちろんのこと、マスメディアにも予想以上の注目が集まったといいます。そのコンセプトには「北海道を体感する」と掲げられました。建物に使用された建材も、レストランで提供される食材も飲み物も、北海道にこだわっています。1階のレストラン「HOKKAIDO CUISINE KAMUY」では、北海道の食材で作る‘新しいフレンチ’を提供。2階のラウンジ「CANVAS LOUNGE(KOKAGE)」では、北海道にこだわるコーヒーやハチミツ、スィーツなど、また併設のBarでは道産ワインや日本酒、オリジナルのカクテルなどが提供されています。

キャンバスのキーメッセージが「MAKE IT HAPPEN、そこに集う、何かが生まれる」であることから、ターゲットとするミレニアル世代が2階のラウンジや、1階のレストラン、ルーフトップのCANVAS ROOFTOP「Outdoor Living SAPPRO」に集い、そこから何かが生まれると願いソーシャルな空間を提供しているのです。2階のラウンジでは一人で窓際のカウンターに座り、仕事に励む人もいますが、ソファで女性同士の時間を楽しむ人も見かけ用途は様々。また、アウトドアの快適なルーフトップでは、様々なスタイルの楽しみ方が提案されています、ファイアーピットを囲む大きなソファに座り、ゆったりと飲み物を飲みながら寛ぐ人、カジュアルにくつろぐ若いカップルも多くみられ、また好評のグランピング用テントも張られ、さらにハンモックでは父と小さな息子の楽しむ姿も見られました。



全134室というホテルの構造は、1~6階が鉄筋コンクリート造、3~6階については背筋付製材型枠を利用しローコスト化を実現しました。建物の7~8階はハイブリット造(鉄筋コンクリート造・木造)、9~11階は純木造で、柱や梁の無いすっきりとした客室になっています。すべての客室にはテレビが置かれていない為、レコードプレーヤーとLPレコードが置かれ、何と、ホテルの躯体に使われたトド松の端材をアップサイクルして造られたスピーカーが、耳にも心にも優しい音色を奏でてくれます。デザインをしたのは横濱金平氏、これは‘Sound Woods、’(森の音)として造られています。
北海道にこだわりを持つホテル「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園 」は、北海道の魅力を満載しているホテルであるだけでなく、今後の地方再生や活性化、地産地消のサステナブルなライフスタイルホテルとして、多角的な課題をここから発信できる意味のあるマイルストーンとなりました。



取材・文/せきねきょうこ
Photo: THE ROYAL PARK CANVAS SAPPORO ODORI PARK
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、21年4月、新刊出版。
DATA
北海道札幌市中央区大通西1丁目12
📞: 011-208-1555