全6回にわたる小松あやさんの連載もいよいよ最終回を迎えます。今回はお互いに離婚経験があり、再婚ライフを一緒に楽しんでいるご主人のアキさんにもお越しいただきました。連載当初から家の購入を考えていたお二人。家探しを通しての変化や、今後について夫婦二人のお話をお伺いしました。


家探しで少しずつ価値観が変わってきた



――家の購入を考えたきっかけは何でしたか?

あやさん「今の賃貸のマンションがもう3年くらい経つのもあって、家賃を考えたら次に引っ越すタイミングで買ったほうがいいんだろうなって。大きな決断というよりは自然な流れでしたね」

アキさん「再婚して一緒に住んだと思ったら僕の留学が決まって…と引っ越しが続いたんですね。その後、僕の仕事先が定まって今後はそこから大きく動くことはないだろう、と。あとは、あやが家をアレンジしたいって言ってきたんだよね」

あやさん「そうそう。ちょっとした模様替えではなくて例えば壁を塗り替えたりしてみたくて。賃貸だとそんなことできないじゃないですか」

アキさん「どんな家になるのか、怖いですけどね(笑)。でもそのくらいのことをやりたいっていう気持ちもわかるので」

あやさん「それでまずは情報収集としてひたすらポストに入っている物件のチラシを集め始めました。いくつか二人でモデルルーム見学にも行きましたね」

アキさん「自分たちのなかのデータベースが全くないので、このくらいの広さならこのくらいの価格帯…というのがわからないんですよ。だから実際に見てみよう、と。どんな家を買えばいいのかも検討がつかないですから」

あやさん「チラシを集めているとずっと同じ物件のチラシ入っているっていうのがわかってきますよね」

アキさん「売れ残ってどんどん値段が下がっているとかね」 あやさん「実際に行ってみると確かに売れないかも、と理由がわかって。家を探す本質とは違う面白い部分もありますね」




――どういった条件の家を探していますか?

あやさん「最初は彼が職場の近くにこだわって探していたんですよね」

アキさん「そうなんです。でも、周りの人に話を聞くうちにそのこだわりはなくなってきました。あんまり職場と家が近すぎると、メリハリがつかなくてずっと仕事になっちゃうよって言われて、確かにそうだなって。今は仕事と家庭とのバランスを考えて積極的に離れてもいいなって思っています」

あやさん「そんな風に考えが変わったのは、一番意外でした。絶対近くに住みたいって言ってたのに! 家探しをするなかで、仕事や人生に対する価値観が少しずつ変わってきたんじゃないかなって思います」

――間取りでは特に希望はないですか?

アキさん「2LDK以上は欲しいですが、物がとにかく少ないので広さはそんなに求めていないですね。狭いところに連れてこられて、この広さしかないからここで暮らしてくださいって言われても大丈夫(笑)」

あやさん「確かに(笑)。ただ、広いリビングとカウンターキッチンというのは譲れないですね」

アキさん「そこはお互いに共通した意見だよね」




夫婦として、家族としての考え方が家探しにつながる

――では、家探しで意見が合わないことはあまりないですか?

あやさん「私は最初、高層マンションがいいなって思っていたんです」

アキさん「僕は高いところが怖いからいやだなって…そこは意見が割れたよね。けど、いつもは彼女に叱られて僕が折れることが多いんですが(笑)、これに関しては納得してくれました」

あやさん「そもそも、高層マンションがいいなって思ったのも、かっこいいなっていう単なる憧れだったんですよ。見学するうちに低層マンションも素敵な物件がいっぱいあることにも気づきましたから」

アキさん「自分たちは郊外に一軒家を建てたいというわけでもないですし、今から買う家が終の棲家とは考えていなくて、ほかに多くの希望はないですね。ただ、言えることは売れる家を買いたいっていうことなんです。だから、駅が近くてなるべく新築か、中古でも築浅がいいかなとは思っています」

あやさん「最初はやっぱり一生ものの買い物だと思っていました。でも、私たちがいま探している中央区とか港区は2LDKが多くて3LDKがなかなか見つからないんですよ。それを考えると、将来子どもができて、大きくなって手狭になったら、買い替えるというのもありなんだなと思って」

アキさん「そのあたりは、この連載でかなり勉強させてもらったよね」

あやさん「そうですね。特にFPの鈴木さんからのお話で、『100点の家を求めなくていい、50点あれば買っていい』というのは、新しい考え方でしたね。完璧な家は見つからないんだ、って参考になりました。ローンの通し方も全く知らなかったし、審査にも時間がかかるのですぐに行動できるようにしておいたほうがいいともアドバイスしていただいて。まだやってないけど(笑)」

アキさん「お金についてもあまり考えたことがなかったもんね」

あやさん「歯科医院の経営を代替わりしたらどうなるかとか、具体的に聞かないとわからないこともたくさんあるんだなって。家を買いたいと思ったとき、不動産屋さんに行くんじゃなくてまずFPの方に相談をして、計画を立てるのも重要なことなんだなって思いました」




――今後、家探しはどうなっていきそうですか?

アキさん「1年くらい探しているんですけど、正直に言うと妊活をしていて動きづらいというのがあるんですよね」

あやさん「いま通っている不妊治療のクリニックが家からとても近いんですよ!便利でなかなか離れられないんです」

アキさん「だから、タイミングとしては子どもができて、生まれる前に家を買えたらいいなって思っています。でも、それがいつかってわからないので…子どもができればすぐにでも買いたいんですけどね」

あやさん「いまは家探しに慣れておいて、データベースをため込んで、いざというときにすぐに行動できるようにする準備期間だと思っています」

アキさん「子どものことを考えると、保育園や手当ての制度が違うのでどの区に住むかっていうことも重要になるじゃないですか。それも、彼女が細かく調べてくれて感心しましたね。どんな家かだけじゃなくて、その家がどこにあるかっていうところまで考えられるようになったのかな。基本的には自分は家にいないことのほうが多いから、一番家に長くいる人が心地よい環境で家が見つかるといいなって思います」

あやさん「正解!100点満点の答え!(笑)」

――将来はどういう夫婦になっていきたいですか

あやさん「やっぱり、応援しあえる関係がいいなって思っています。彼はすごく応援してくれるんですよ。普通の男性だったら絶対に嫌だと思うんですね。ブログにダッサイ格好とかさらされて」

アキさん「知らない間にアップされているからね(笑)。アップされてから気づいて、なんだこれって」

あやさん「でもそういうのもいいよって、やりたいようにやってみなって言ってくれるのもありがたいですね。私も彼のことを応援していますし」

アキさん「以前に読んだ本に書いてあったのですが、男の幸せって一緒にいるパートナーが幸せかどうかにゆだねられているんだって。年収がいくら以上あれば幸せになるってエビデンスはなくて、妻が幸せなら夫も幸せになるという相関関係は強いそうなんです。だから、思い切り人生を楽しんでほしいなって。それがまわりまわって自分も楽しくなりますし、そこに子どもがいるとさらに楽しくなるんじゃないかなって」

あやさん「そんな風に思ってもらって嬉しいですね。やっぱりお互いに2回目の結婚となると偏差値が上がるね(笑)」

アキさん「大きいリビングやカウンターキッチンが欲しいっていうのは、理想の家族のありかたに通じていますね。それぞれの部屋があってもいいんですけど、リビングに集まって、キッチンにいてもカウンター越しにいつでもみんなで会話ができる…。そんなふうに会話の絶えない明るく楽しい家族でいたいですね」

(取材&文・SUMAU編集部 撮影・古本麻由未)




小松あや
インスタグラム @i_am_ayakomatsu
オフィシャルブログ「私に鞭打つ再婚ライフ」
https://ameblo.jp/komatsuaya9021/

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