今回は、小松あやさんに中目黒を案内していただきました。一人暮らしから再婚後まで長年暮らし、今も訪れる機会が多いという中目黒。実際に暮らしたからこそわかった街の魅力とは…。小松さんのお気に入りのお店もご紹介します。


岡山から飛び出して憧れの街での一人暮らし

――連載第1で岡山から移動する新幹線のなかで、中目黒への内見を決めたと話していましたよね。中目黒に住みたいと思った理由を教えてください。

すごく単純なんですけど、社会人になって初めての職場に、コーヒーを片手に小さなバッグを抱えて出勤してくるすごくおしゃれな先輩がいて、私にはすごくかっこよく見えたんです。その方が住んでいたのが中目黒で、こんな素敵な女性が住んでいる街なんだと憧れるようになりました。その後、友人と飲みに来る機会もあり、おいしいお店や落ち着いたカフェがたくさんあるのも知って、ますます住みたい気持ちになりました。内見を決めたのは勢いでしたが、家を探しに来てみると、ライフや東急ストアなどのスーパーマーケットもそろっていることに気がついて、生活しやすそうな街だと改めて思いました。

――実際に住んでみていかがでしたか。
職場のある恵比寿までは歩いて行けましたし、電車でも一駅。夜勤の当直のあとにもすぐ帰って眠れるので、とにかく利便性が高かったですね。職場からは目黒川沿いの遊歩道。川沿いは桜並木や緑が多いので、歩いていても気持ちが良いし、立ち寄ってご飯を買えるようなお店もたくさんありました。適度に公園もあり自然を感じられて、人が多すぎず華やかすぎないというのも住むのにはぴったりでしたね。


――その時はどんなお部屋に住んでいましたか。

中目黒駅から5分もかからない場所で、大通りに面していて、とにかく立地がよかったんです。ただ、1Kでベッドも置けないくらいの狭さだったので、布団を買って毎日上げ下ろしをしていました。おしゃれな一人暮らしを夢見ていたんですけど、それとは程遠い感じでしたね(笑)。それでも憧れの街だったので、狭さは気になりませんでした。ベッドが置けない代わりに、ソファを買ったんです。それはすごく気に入って捨てられずに、今も使い続けています。

―一人暮らしはその時が初めてだったんですよね。

前の夫の家を飛び出してまだ離婚もきちんと成立していない状況。精神的な不安もあって、夜はすごく寂しく感じました。家に帰ってきても誰もいないし、何をしたらいいんだろうって。もちろんDVDを観たりもしていましたが、いよいよ家でやることがなくなって、寂しさを紛らわせるために閉店ギリギリまで近所のカフェにいることもよくありました(笑)。でも、カフェや飲み屋さんに行くうちに、一人で食事をしている同年代の女性がたくさんいることに気づいたんです。中目黒って治安がよくて、夜でも女性一人で入りやすいお店が多いんですよ。身近に感じられる人たちがいることで安心できて、一人じゃないんだと街に元気をもらうことができました。それから前向きになって一人暮らしも楽しくなりました。


――その後、今のご主人との結婚が決まって、また引っ越しをされたんですよね。

そうなんです。一人暮らしの期間は2年半くらいでしたね。彼と二人で暮らし始めた部屋は大通りから一本入った場所で、すごく静かでした。低層マンションの最上階だったんですが、バルコニーがとても広かったので裸足でも歩けるようにウッドデッキを敷いて、友人を呼んでバーベキューをしたり、テーブルと椅子を置いて休日はゆっくりワインを飲んだり…と、そのときこそ中目黒のマンションライフを満喫できました。

でも2、3カ月経ったころに急遽、夫の留学が決まったので、家賃の節約のために中目黒にある夫の実家に居候させていただくことになったんです。私、中目黒だけで3か所に住んでいるんですよ(笑)。それまで住んでいたのは駅前の賑やかさのあるエリアだったのですが、主人の実家は目黒寄りの住宅街で、そこはまた全然イメージが違うんです。昔から住んでいる方や、ファミリー層が多いですし、閑静で住宅に紛れるように隠れ家的なお店もあり、そういったお店を見つける楽しみも増えました。


カフェやビストロ…行きつくせないほどのお店が

――今日は小松さんがよく通っていたという「CAFÉ FACON(カフェ ファソン)」へ来ています。

このお店には一人暮らしの時に家から近かったこともあって、一人でゆっくりしたいときによく来ていました。その後、夫とのデートで何度も来ています。もともとカフェでのんびり過ごす時間が好きなのですが、ここは特にクラシックな落ち着いた雰囲気があって大好きです。 ミルクとコーヒーが2層になったカフェ・オレ・グラッセは見た目もおしゃれで、甘さがほどよくて特にお気に入りです。スイーツも全部おいしいのですが、シフォンケーキのふわふわ具合もたまらないです!

カフェ・オレ・グラッセを作る様子を特別に見せていただきました


ここは、ビルの上にあるので知らなければ見過ごしてしまいそうなお店。中目黒に住んでいると、こういったお店を探して行ってみるというのが楽しみでした。離れた今も、おいしいお店を目当てに中目黒に来る機会はたくさんあります。駅の高架下がリニューアルされたときには飲みに行きましたし、友人同士で集まることも多いです。渋谷など都内の主要駅はもちろんですが、横浜方面からもアクセスが良いので集まりやすいんですよね。

夫の実家にもよく行きますし、その前後に夫とぶらぶら「このお店が新しくなったね」と話しながらデートをします。

一人暮らしから、二人暮らし、夫の家族との同居、と人生の転機になるようなタイミングで住んでいたこの場所。思い出があるので、街そのものが私たち夫婦の共通の話題になるんです。

滋養卵の卵黄のみを使用。このプリンを目当てに来る人も多いそう。自家製大人のほろ苦プリン660円(税込)※数量限定

季節ごとに味が変わる米粉でできたシフォンケーキ(キャラメル)770円(税込)
水出しコーヒーと甘いミルクが2層になったカフェ・オレ・グラッセ660円(税込)

CAFÉ FACON

住所:東京都目黒区上目黒3-8-3 千陽中目黒ビル・アネックス 3F

TEL:03-3716-8338

営業時間:10:00~22:00

定休日:不定(夏季・年末年始休業あり)

HP:http://cafe-facon.jp/

※商品、価格は2020年3月時点のもの


小松あやさんおすすめ&気になる中目黒のお店

■Huit(ユイット)

 「目黒川沿いにあるとても雰囲気のいいビストロカフェです。カジュアルに使えるので、友達や普段のデートで夜に飲みに行くことが多いですね。ラタトゥイユがおすすめです!」

http://east-meets-west.jp/

■ファイブスターカフェ

「シンガポール料理のお店で、さすがファイブスターという名前だけあって、どの料理もおいしいです。特に海南チキンライスがとにかくおいしいんですよ! 人気店なので、開店時間ぴったりに行かないと、入れないこともあります」
http://www.golden-dining.com/fivestar/

■La Cienega(ラシエネガ)

「ここは、通勤の時によくお店の前を通っていて、気になっていたお店です。シャンデリアのお店だと思うのですが、ほかにもアンティークの商品があるのか、窓際にマリア様の像が置いてあって。いつも見守られている気分でした」

http://www.redrock.jp/shop/lacienega.php



(取材&文・SUMAU編集部 撮影・古本麻由未)

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