富士五湖のひとつ、最大級である河口湖の湖畔から見る富士山は、稜線が左右対称に広がり、絵に描いたような美しさがあります。不思議だと思うのは、生まれてから長い間、数えきれないほど富士山の姿を見ているにも関わらず、いつ、どこででも、何度見ても、その麗峰を目にするとドキドキと興奮するのはなぜでしょう。
その富士山にいつも見守られている森の中に、「ふふ 河口湖」があります。河口湖畔の賑わう道路より、ほんの少しだけ山に入った静かな南斜面に、木々に包まれ、ラグジュアリーで贅沢な施設が静かに佇んでいました。
12月も終わりに近づいてきた日の朝、なんと富士山は雲一つない勇壮で美しい姿を見せてくれていました。訪れた「ふふ 河口湖」は、燦々と陽光の射す明るいリゾートでした。外の寒さなど感じないガラス戸の大きな館内は、まるで温室のようにぬくぬくとし、‘自然の様子のままに’という植栽に埋もれたロビーエリアに一歩入りました。花をつけたラベンダーやハーブ類、観葉の植物も含め、整然とカットされている植物とはまた違う魅力の植栽は、まるでガーデンテラスにでもいるような雰囲気を醸し出しています。さらに館内の家具や調度品に‘木’がふんだんに使われ、とりわけ一本木のバー・カウンターや、レストランのカウンターからは‘欅’の木の力強さが伝わってきます。
もともと「ふふ 河口湖」がコンセプトに掲げているのが、「木々や石はまたこの地に戻る」という言葉。館内に飾られている写真も、現在の建物の建つ地に育っていた木々を、四季を通し3年も前から撮影をしてきた作品といいます。また、インテリアの一部に使われている素材には、この地に埋もれていた石もあり、ホテルが建てられた場所に育っていた木々も同様に使われています。‘命をつなぐ’として、石はストーンキャンドルにも、コーヒーのドリッパーにも洒落たアイデアで使われ、滞在している私たちを驚かせ、喜ばせてくれました。
ラグジュアリーな客室は全32室、すべてがスイートタイプの造りで、60㎡~135㎡まで揃っています。また、どの客室内にも富士溶岩石を敷き詰めた温泉露天風呂が造られているため、室内にいながら温泉三昧が夢ではありません。温泉は富士が生んだ名湯「西川温泉、麗峰の湯」。2004年にできたという純度100%の源泉掛け流し温泉を引いています。最上階に設置された‘ふふ ラグジュアリー スイート’と‘ふふ ラグジュアリー プレミアムスイート’は、専用の岩盤浴室も造られている豪華な客室です。そして、スパは「Spa By sisley」が用意され、シスレーでは初となる「インルーム ラグジュアリー スパ」が提供され、各自の部屋でゆったりと施術を受けることが可能です。
すべてに細やかな配慮が行き届いたホテルでは、食事も期待以上に手の掛けられた豪華版でした。レストランは「山のは」1か所。入り口から森を感じられるようにと、薪と火の演出があり、溶岩石を器に用いた料理や、富士五湖をイメージした5連の皿など、様々に工夫された数々がテーブルを飾っています。手の込んだ‘朝ご飯’の美味しさにも感激でした。地元の特産品や地元野菜をふんだんに使い、おばんざいとともにいただく朝食は懐かしくもあり、とても斬新でもあるアイテムであり、大切な1日のスタートに幸せなひと時となりました。
文/せきねきょうこ
Photo:FUFU KAWAGUCHIKO JAPAN
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、現在、新刊出版を準備中。
ふふ 河口湖(FUFU KAWAGUCHIKO JAPAN)
山梨県南都留郡富士河口湖町河口字水口2211-1
TEL:0555‐73 ‐ 9573
https://www.fufukawaguchiko.jp/
客室数:32室
料金:1室2名利用時の1名料金 ¥42,500~¥125,000(消費税別・入湯税別・サービス料別)