ハワイの老舗ホテル「ハレクラニ」が、2019年7月26日、沖縄恩納村名嘉真のビーチフロントに、初の海外進出ホテル「ハレクラニ沖縄」として開業しました。ハレクラニは100年以上もの間、ハワイ唯一の「天国に相応しい館」として高い人気を誇る老舗のリゾートホテルです。ハワイ好きで知られる日本人ファンの多くが、この沖縄でのオープンをどれほど待ち焦がれたことでしょう。オープン以来、恩納村の美しい海辺が賑わい始めています。
1932年に完成した大きな本館と、バンガロー37棟を擁するハワイの「ハレクラニ」は、1981年に日本の三井不動産の所有となり、この時から日本とハワイのホテルを結ぶ新時代が始まっていました。
私自身のハワイ渡航歴はわずか4回、しかもほとんど毎回、まずは離島に飛んでしまい、ハレクラニには食事に行っただけという‘俄ファン’のひとりです。でも、だからこそ「ハレクラニ沖縄」の誕生は誰にも負けないほど熱い期待を寄せて待っていました。今回のハレクラニ開業に際し、ハレクラニのホームページには、「ハワイらしい温かみのあるホスピタリティと伝統を守りつつ、世界に通用する超一流ホテルをめざし、ダイナミックな挑戦が成し遂げられました」と、三井不動産の未来に向けた挑戦について述べられています。
「ハレクラニ沖縄」の客室は全355室、そのうちスタンダードルームが308室、スィートルームが47室、他にヴィラが5棟あります。客室の広さは最小で50㎡と贅沢な広さを有し、他に76~294㎡まで様々な意匠とカテゴリーの違う客室が揃っています。ヴィラはプライベートプールと天然温泉が用意された贅沢な施設です。
客室のすべてがオーシャンビューであることも自慢です。美しいコーラルブルーの海の光景を、すべてのゲストに見てほしいと願うホテル側の強い思いだったのでしょう。そして客室内は白を基調にしたリラックスできる空間が造られ、すべての客室には、海に向かってバルコニーが設置されており、椅子に座りながら海を眺め、ゆったりとしたリゾート時間が過ごせます。もし好天に恵まれれば、言葉に表せないほど感動的なサンセットを楽しめるでしょう。ハワイにも負けない美しい海からのシーブリーズ包まれて…。
今も、初めてサンセットウィングのロビーに到着した時のことを想い出します。到着した途端、しばらく立ち尽くしていました。空が色づき、あと30分もすれば夕焼けが始まるという時間でした。優しいシーブリーズが広いロビーを吹き抜け、立っていると海との一体感に包まれました。あっという間に夕焼けが始まったのです。幸運にも好天だったその日、空は金色から濃いオレンジ色へ、そしてピンクへと変わり、やがて藍色が濃くなり夜の帳が降りました。
宿泊棟は2ウィングに分かれています。ファミリーやグループには使い勝手のいいビーチフロントウイング、静かに過ごしたい人には、静寂に包まれたサンセットウイングがお勧めでしょう。また、感動的な夕焼けを見ながら過ごせるサンセットバー「スペクトラ」では、1日の終わりに、ディナーを待ちつつ楽しむアペリティフや、ディナー後にも、もう少し就寝前の時を楽しみたい人の集いの場として賑わいます。最高級リゾートでの滞在は、優雅に、贅沢に、そして我儘に、非日常のシーンが幾つも用意されているのです。
文/せきねきょうこ
Photo:Halekulani Okinawa
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、現在、新刊出版を準備中。http://www.kyokosekine.com
ハレクラニ沖縄
沖縄県国頭郡恩納村字名嘉真1967-1
☎︎:098-953-8600
https://www.okinawa.halekulani.com/
部屋数:355室+ヴィラ5棟