世界的なリゾート地で自然派のラグジュアリーリゾートとして知られるシックスセンシズが、2024年4月23日、京都にアーバンホテルとして初進出を遂げています。シックスセンシズ創業時から変わらぬコンセプトをうたい、確固たる哲学に則り、世界遺産の古都で繰り広げるウェルネスとサステナビリティのホテルでは、数え切れない独創性あふれる体験を交えてのスタートとなっています。スパの存在、食事のクオリティ、客室、もろもろの徹底した魅力を紐解いていきましょう。

「シックスセンシズ 京都」は、総体的なデザインに対し日本の文化が花開いた平安時代にインスパイアされ、‘雅’をデザインコンセプトの核としています。

伝統や文化、民話も含め、遊び心を添え完成したホテルは、今まで日本にはなかった新鮮な驚きに満ちていました。

格子戸に覆われた外観も京都ならではの家並を彷彿とさせ、ロビーに足を踏み入れると、レセプションの背景には焼物「楽焼」タイルを504枚も使用した屏風が飾られています。この図柄は源氏物語のシーンのひとつであり、レイキ(霊気)発祥の神聖な鞍馬山をモチーフにしているといいます。その向側には、京都・高山寺の国宝絵巻「鳥獣人物戯画」を現代的に解釈した遊び心満載のアートが展示されています。そのロビー空間に面して庭園が造られ、窓を開け放てば緑を通して庭園との一体感を満喫できる広いスペースに変ります。

エントランスを一歩入るとすぐにロビーに到達、広々としたスペースと庭園がナチュラル志向のホテル滞在の始まり。壁の屏風は504枚もの「楽焼」タイルを使い、神聖な鞍馬山をモチーフに作られたもの。

客室は全81室。いずれも‘雅’を基本とし自然を意識したデザインで12種類の客室が造られました。日本庭園の中庭が付いた「プレミア スイートガーデン」、238㎡の広さの「3 ベッドルーム ペントハウス スイート」など、家族でも友人同士でもゆったりと過ごせる広い客室が揃っています。Sleep With Six Senses(快適な安眠環境を提供するシックスセンシズ式快眠プログラム)に則り、ハンドメイドによる特注のオーガニックマットレスも用意されるなど、睡眠に関するプログラムも充実しています。

「3ベッドルーム ペントハウス スイート」(238㎡)。室内からは東山連峰を望める。写真はマスターベッドルーム、パントリー付きの簡易キッチンではリクエストに応じてシェフが直接調理をすることも可能。
日本の民間伝承と落ち着いたモダンな京都のデザインを融合させた最上階のラグジュアリーな「3ベッドルーム ペントハウス スイート」。写真は落ち着いたアート作品とモダンなデザインが融合した広々としたリビングルーム。

それだけではありません。「シックスセンシズ スパ 京都」は、地元京都の「禅」の思想や日本伝統のヒーリング、さらに最先端の科学を融合した内容でゲストに向き合い、カスタマイズされた方法でサポートされるのです。また、シックスセンシズ スパ 京都限定のトリートメント「阿吽(あうん)」も用意され、禅の思想を採り入れたシグネチャーメニューの一つとして話題となっています。日本のホテルには2か所しかない「WATSU(ワッツ)/水中ボディワーク」専用プールを備え、心身の状態を整えるボディワークを提供。また、「バイオハック リカバリー ラウンジ」(最先端機器を活用して疲労回復を図る専用エリア)では、到着時の時差ボケや旅の間の疲労を速やかな回復へと導いてくれます。

世界レベルのリトリート「シックスセンシズ 京都」では、日本の「二十四節気」を巡る、美食の提供が新鮮です。オールデイダイニング Sekkiと隣接する「Café Sekki(カフェ 節気)」で提供される食、ドリンク、スイーツなどすべてに、徹底したオリジナリティとエネルギーを感じました。日本の二十四節気に合わせ、エグゼクティブシェフの宍倉 宏生さんは、安全安心、持続可能な栽培の旬の食材から独自の料理を創造しています。「Café Sekki(カフェ 節気)」では、淹れたてのコーヒー、クラフト紅茶、自家製コンブチャ、ヘルシーなスロージュースなど、特に伝統的な発酵法に注目が集まり、天然素材を使ったスイーツやペストリーもずらりと揃っています。

バーにも遊び心を見つけました。あちこちで見かける‘狐’は、「カクテルバー Nine Tails(ナインテイルズ)」の名の通り、「夜になるとキツネたちがお気に入りの酒を楽しむ秘密の隠れ家」をコンセプトに造られました。もう一つの注目は、シックスセンシズが掲げるサステナビリティについて学べる「アースラボ」と、手作り体験ワークショップが体験できる「アルケミーバー」の2か所。双方ともに楽しみながら体感することになるのです。

デイベッド置かれたプール、温浴施設、サウナは7:00~20:00まで。
トリートメント スイート計4室の中の一つ。ダブル トリートメント スイート1室(Smell)、シングル トリートメント スイート3室(Sound、Sight、Taste)。
パワーブレックファストはすべてが自家製手造り。米粉のパンケーキ、宇治の平飼い卵で作られたオムレツ、自家製のスムージーなど地元食材、自家菜園の野菜やハーブ、発酵ドリンクやシュラブ(フルーツヴィネガー)など豊富に。
「Café Sekki」では自家製のシュラブ(フルーツヴィネガー)やコンブチャを使った発酵飲料が人気。他にも淹れたてコーヒーや自家製コンブチャ、エナジーショット、体に優しいスイーツなど自家製のオリジナルを提供。
シックスセンシズの礎でもある「アースラボ」では、活動の一つにホテルの飲料水を浄水して再利用可能なガラス瓶にボトリング、自家浄水により、水の輸送にかかるCO2の排出量削減とプラスチックフリーを実践など。ワークショップも多々。
「アルケミーバー」では、天然由来の素材で自分の肌に合ったビューティやボディケアプロダクトを手作り。二十四節気ごとに季節の旬を採り入れる。

取材・文/せきねきょうこ

Photo: シックスセンシズ 京都

せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

Instagram: @ksekine_official

DATA

シックスセンシズ 京都

京都府京都市東山区妙法院前側町431

📞 075-531-0700(ホテル代表)

https://www.sixsenses.com/jp/kyoto

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