都心から近い海辺のリゾート温泉郷、熱海。その急坂を上り、熱海の温泉街を眼下にし、標高361mに佇む「ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド」はまるで隠れ家のごとくひっそりと自然に包まれています。ホテルは2024年8月1日、大規模改築を終えてリニューアルオープンを迎えました。
目の前には太平洋の大海原を望み、緑に包まれた「森の邸宅」です。エントランスを入ると、ガラス張りの建物からの眺望の良さは言うまでもありませんが、館内にはJ.S.バッハなどの心地よい生演奏のBGMが流れ、優雅な非日常が始まります。夜には熱海の夜景や花火も満喫できます。滞在した多くの人は、ここがまるで自分の別荘でもあるかのようにゆったりと過ごし、美味しい食事を満喫し、バッハの音楽に親しむという、理想的なオーベルジュでもあるのです。


隠れ家的な雰囲気のある「ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド」はウェルネスリゾートとして、様々なヘルスコンシャスの高い提案がなされています。さらにウェルネスの一環として、大切な運動にも注目しています。フィットネスジムではイタリアの「テクノジム(Technogym)」のランニングマシーンやクロストレーナーを導入。“フィットネス、健康、そしてスポーツのためのエクササイズなど、高い専門性を有する”ワークアウト体験も可能なのです。また館内のスーベニアショップでは、オリジナルの‘ヴィーガンクッキー’も販売。更に今、世界的にも注目度の高いサウナでは、「バレルサウナ」(樽型サウナ)が用意され、1日2組限定のとっておきの時間が楽しめます。
誰もが感動するのが、快適な「ベイビューサロン&テラス」でした。テラスの一角には、相模湾から吹き上げる軽やかな潮の香りに包まれて過ごせるよう、サロン側には海に向かってカウンター席が造られています。お天気が良ければ最高のサンセットタイムが過ごせる心癒される夕暮れ時となるでしょう。一方、ガーデン側にはロビーから繋がるテラスエリアがあり、ここではシーズンによってバーベキューなども楽しめると言います。


大切な食事はどうでしょう。館内のメイン・ダイニング「風雅 – FUGA -」で提供されるのは‘熱海キュイジーヌ’です。温暖な気候から、海産物、山里の恵み、柑橘類まで、食材の豊かな地産地消をモットーに‘farm-to-table’を基本にフレッシュな料理がテーブルを飾ります。シェフはこう語ります。「大地と海からの贈りものとして、相模湾や伊豆山、また富士山麓など、半径50キロ圏内の旬の食材を使った本格フレンチを提供します」と。贅沢な眺望の中でいただく絶品の料理は、総料理長 北野智一氏がウェルネスにも気遣いメニューを考案。旬を感じさせる季節感のある贅沢な食材に笑顔がこぼれます。
高品質な“Healing Art(癒しの芸術)”と謂われるエサレン研究所(米国)発祥のオイルマッサージ「エサレン®」が受けられるのは「SPA Crescendo」。セラピストに身を任せる至極の時は、温泉との相乗効果で効能を高めて疲れを癒し、心の安定をもたらしてくれるでしょう。
「ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド」は、モダンな佇まいの中にもきめ細やかな‘和のもてなし’が感じられ、とても快適な滞在となりました。これからのホテルとして未来に向かい、ホテルの世界的水準のもてなしと食事、静謐な佇まいは、‘もうひとつの熱海’として、これからも熱海伊豆山温泉の地で新たなストーリーを重ねていくことでしょう。





取材・文/せきねきょうこ
Photo: グランバッハ熱海クレッシェンド
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数。
Instagram: @ksekine_official
DATA
ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド
静岡県熱海市伊豆山1048-4
📞 0557-82-1717










