［第10回］ジャヌ東京（JANU TOKYO）～東京～世界に先駆け開業アマンの姉妹ブランド「ジャヌ」

　大きな話題となった東京の新街地‘麻布台ヒルズ’の開業。そしてその開業を追うように、ラグジュアリーホテル「アマン」の姉妹ブランドとして待ち望まれた「ジャヌ東京」がドアを開けました。開業は2024年3月13日、数々の斬新な施設を備え、アマンとは全く別のコンセプトを掲げた話題のホテルのデビューとなりました。これから次々と世界の都市、ビーチや自然豊かな土地に誕生する予定のジャヌですが、世界に先駆け、初となるジャヌが東京に誕生したことは嬉しい限りです。

　アマンが、静謐な空間で過ごす大人のプライベートなホテルであるならば、ここジャヌは、人とつながる、文化とつながる、ライフスタイルに賛同する皆と共に感性を高め合うという次世代のホテル、強烈な個性とウルトラ・ラグジュアリーな施設を伴いゲストを受け入れています。ジャヌという名の意味は、サンスクリット語で「魂」を意味します。「アマンがサンクチュアリ（聖域）であるならば、ジャヌはコネクテッドネス（つながり）なのです」とはアマングループ会長兼CEOの言葉です。ここジャヌでは、よりエネルギッシュで高揚感のある環境を好む人々や、若い世代の旅行者が望む新たな潮流に応えるよう、人と人との交流を大切にしたよりソウルフルな体験を提案しています。

　客室総数122室、部屋のカテゴリー数10タイプ。うちゲストルームの広さは55～65㎡、スイートは75～最大284㎡までと十分な広さにデザインされました。多くの客室にはプライベートバルコニーが設置され、コンテンポラリーなデザインの室内は上質感に溢れ、優しいアースカラー遣いに落ち着きを感じさせてくれます。天井から床までの大きな窓には、方角により目の前に東京タワーが聳えます。また、コネクティングルームも用意しており、ファミリーやグループでの旅行にも対応しています。いずれの方角でも都心のダイナミックな情景が楽しめます。またどの客室からもドラマチックな夜景が展望できるのは言うまでもありません。

全122室の客室の唯一のジャヌスイート。2か所のプライベートバルコニーやバーカウンター付きフルキッチン、ゲスト用トイレ、広々としたリビングエリアも設えたホテル最大の客室（284㎡）。

　施設としてまず驚かされるのは、ムーブメントスタジオも含め約4,000㎡もの広さを誇る豪華な「ジャヌウェルネス」でしょう。施設内には、25mの室内温水プール、スパトリートメントルーム9室、ハマム（トルコ式サウナ）、バーニャ（ロシア式サウナ）などが揃い、1日中外に出なくてもホテル内でゆったり過ごせそうです。屋内のプールサイドにデイベッドやソファ、デッキチェアやティーテーブルなどが置かれ、アートが幾重にも飾られてラウンジのように見えるのは、プールエリアも社交の場として利用できるということなのです。

　驚きはまだまだありました。ホテル館内には8軒ものレストラン & バーが造られ、すべてがホテル自営の個性派レストランであることに潔さを感じます。ビジターも利用可能なレストランは、いずれも新たなダイニングシーンの提案をしています。ホテルのメインテーマである“つながり”が、食文化の世界にも及んでいるようです。ライブ感溢れるオールデイダイニング「ジャヌメルカート」は、イタリアの活気あふれるメルカート（市場）のように、本格的な生パスタや新鮮シーフードが季節に応じて提供されます。女性シェフがフェミニンでハイセンスなスイーツに挑戦している「ジャヌパティスリー」、ランチ＆ディナーも可能な「ジャヌグリル」、すでに予約が取れ難い人気のアフタヌーンティーが話題の「ジャヌラウンジ＆ガーデンテラス」、広東料理の技法を取り入れたダイナミックな本格中国料理の「虎景軒（フージン）」、伝統の炭火焼き料理を現代風に提供する「SUMI」、新しい江戸前鮨の高級店「飯倉（いいぐら）」、そしてシグネチャーカクテルがずらりと揃う「ジャヌバー」、一度や二度のホテル滞在では愉しみきれない食の饗宴です。いずれのレストランもライブキッチンが特徴的であり、こうしたダイニングエリアでは、キッチン内でエネルギッシュに調理する料理人の様子が見え、新しい形で提供される料理を待つ間に食欲に火が付きそうです。