最高級クラスのリゾートホテル「ふふ」シリーズで、すでに根強いファンを増やしているカトープレジャーグループは、他にも数多のブランドホテルを展開中です。この4月、沖縄に華やかに開業したリゾートホテル「AQUASENSE Hotel & Resort Okinawa」は早くも話題沸騰ですが、一方で、2019年7月20日に開業している「グランディスタイル 沖縄読谷 ホテル&リゾート」は、星の数ほどある沖縄のゾートホテルとは趣を違え、分譲ホテル「カフーリゾート フチャク コンド・ホテル」に続く‘分譲を伴う’デビューとなりました。
客室は全54室、すべてが50㎡以上の贅沢な造りです。琉球王国時代から進貢貿易(王府時代の琉球と中国間の公貿易で、中国皇帝への進貢(朝貢)が名目の貿易)で栄えた読谷村の高台を舞台に、少し離れた距離でトルコブルーの海を眺め、静かにリゾートを堪能し、落ち着いた雰囲気のレストランで食の贅沢に浸る、まさに大人の隠れ家リゾートなのです。


ここ沖縄本島中部の西海岸に位置する読谷村は、沖縄でも自然豊かな地域として知られ、サンゴ礁の生息する貴重な海が残っています。さらにマングローブの自生する川もあり、私たちがどうしても買ってしまいたくなる沖縄独特の陶器の製造や販売をする‘やちむんの里’や、世界遺産の「座喜味城跡」、酒好きにはたまらない沖縄泡盛の酒造所もあるバラエティに富んだ沖縄の原風景を愉しめる地域です。
実は、「グランディスタイル 沖縄読谷 ホテル&リゾート」を訪れたのは今回で二度目となりました。初回は開業当時でしたので、真新しいホテルは植物もまだ幼子のように小さく、新境地のリゾートホテルとして、今後の魅力の開花を待つスタート時でした。しかし、ホテルはゲストに利用され、ホテリエが彼らをもてなすことで成長していくのだと痛感させられました。現在は、家具調度品なども変わらずにいるにもかかわらず、不思議なもので、全体に落ち着きのある洗練された空間となり、ロビーエリアまで違って見えました。


建物の上階にある「朝と夜、二つの表情をもつインフィニティプール、2 VISIONS」は変わらぬ開放感を湛えていました。朝日に輝くインフィニティプール、幻想的なライティングでプールサイドBARと化す夜。滞在型ホテルならではのプライベートな雰囲気が漂っています。食事は、現在、新たな提案がなされていました。ブランチ(朝食)も工夫され、急がなくてもいい朝食が用意されます。夜のレストラン「TASTE」では、まず飲みたいお酒を選び、それに合う食事が用意されるという贅沢なサービスが提供されています。




メニューに並ぶのは、県産の鮮魚や島豚、島らっきょう、やんばる若鶏など、煩いグルメも唸らせるほどの沖縄料理や、アイランドスタイルを提案するGALMDAY STYLEが提供されています。時には、読谷村のやちむん(焼き物)の里を訪れ、19の工房が集い、制作活動を続けている様子を見学するのも旅の情緒でしょう。思い出はホテル選びで変わってくるものです。
取材・文/せきねきょうこ
Photo: KPG (カトープレジャーグループ)
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、21年4月、新刊出版。
DATA
グランディスタイル
沖縄読谷 ホテル&リゾート
📞098-987-8300