10月の声を聴くと、ニセコ、倶知安周辺は秋まっさかり。北海道では夏が終わると駆け足で紅葉のシーズンがやってきます。ピンポイントかもしれませんが、足早にやってくる初冬の前に、北の大地の贅沢グルメはいかがでしょうか。10月はまだ秋の気配が残っています。のんびりゆったりとした観光地の落ち着いた端境期に、癒しの旅、グルメの旅をお勧めします。
世界トップクラスの上質さを誇るニセコのパウダースノーは有名ですが、そのニセコの中心地からわずかな距離にある「ニセコ 樺山の里 楽 水山」という和のリゾートが佇んでいます。 倶知安町樺山の里から見る北海道らしい大地に、ダイナミックな姿を魅せるのは、別名「蝦夷富士」と呼ばれる「羊蹄山」の絶景です。「ニセコ 樺山の里 楽 水山」の敷地内からは、少しの距離を持って観る雄大な「羊蹄山」と、日本海に面して連なるニセコ連山の主峰「ニセコアンヌプリ」が望めます。晴れた日の山の美しさは筆舌に値するほどの迫力です。リゾートのデスティネーションとして、こうした風景をデザインのひとつとして考えるなら、この宿は素晴らしい立地に佇んでいるのです。清々しい大地、清流尻別川の清らかな流れなど、豊かな自然の中に建つ「ニセコ 樺山の里 楽 水山」では、空気も、食事も、もてなしも、懐の大きい北海道を感じる滞在が待っています。
宿の開業は2020年12月1日でした。広々とした敷地に贅沢に建てられた建物ですが、客室はわずか18室。どの部屋も75㎡以上というゆったりした広さに造られており、どの客室からもニセコのアイコンである「羊蹄山」が一望できます。そして楽しみのひとつである源泉掛け流し露天風呂がすべての部屋に設えてあり、好きな時に、プライベート温泉を楽しむことができるのです。
寒い季節ならなおさら、温泉の存在は本当に嬉しいもの。どんなに外が寒くても、温泉に入れば体はポカポカ、心まで温めてくれます。里山にあるリゾートならではの静謐で落ち着きのある宿造りも、長逗留を望むゲストにとっては緊張感を与えず、まるで自分の別宅に居るように寛いで過ごせるのも嬉しい限りです。
リゾートでのアクティビティは数々揃うのですが、秋から冬にかけて、もっぱら自然に遊んでもらった夏のようにはいきません。でも秋でも、初冬でも、尻別川でのラフティングを楽しむ人も居るそうです。雪が降るのはまだ少し先のことなので、この端境期のお薦めは、秋の豊饒を祝う「グルメ三昧」ではないでしょうか。北海道の秋は美味しい食材、山海の幸に溢れています。
特に旬を迎える魚介類は見逃してはいけません。宿では、鉄板焼き「海王」、寿司 天ぷら「入舟」で、厳選された旬の食材を大いに楽しませてくれます。彼らは自慢の食についてこう語ります。「無為自然な食材の持つ純朴な長所を引き出し、枠にとらわれることなく丁寧に仕上げます」と。北海道の秋の暮色、ダイナミックな海の幸など食彩を求め、わざわざ東京から飛んでくるグルマンがたくさんいるのもわからないではありません。グルメと温泉、贅沢な施設と山とロケーション、北海道らしさをすべて揃えた和のリゾートの秋が、満喫できる季節となりました。
取材・文/せきねきょうこ
Photo: ニセコ 樺山の里 楽 水山
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、21年4月、新刊出版。
DATA
ニセコ 樺山の里 楽 水山
北海道虻田郡倶知安町字樺山
📞 0136-22-0520
https://www.raku-suisan.com/