紹介する街● 大井町

【フランス料理】 

ボリュームたっぷり、フランスの定番料理を

心ゆくまで味わえる下町の人気店

『ブラッスリー ポワソンルージュ』が大井町にオープンしたのは2005年。品川区にいくつか残る歴史ある商店街のひとつ、三又商店街の一角に店を構えた。当時を振り返って、店主であり、シェフでもある臼井崇裕さんは

「当時はおしゃれな店なんて一つもなくてね。なんの店なの? なんて聞いてくる方も多かったですよ。今はだいぶ変わりました」と笑った。

シックだが、日常に寄りそう温かみのある内装

フランス好きの心をくすぐるビストロスタイルは、『ブラッスリー ポワソンルージュ』がオープンした当時、ちょうど増えはじめていた。それでも、恵比寿や代官山、青山あたりに店を構えることはあっても、大井町という庶民派の街というのは意外であった。

古民家を改装した店は、以前の住民が陶器屋を営んでいた場所だったという。厨房の場所には土間があったというから、古きよき日本の商店だったことがうかがえる。内装は臼井さんが憧れていたという、アルザスのレストランをイメージして作られた。

それから20年。古色のついた床に、丸くなったテーブルの縁、壁にはフランスのポスターなどが飾られ、パリの老舗のビストロのような風情を醸し出している。

黒板メニューは今も健在。

料理は、ビストロよりもさらに気軽な“ブラッスリー”の名の通り、フランスの庶民的な味を、できるだけ現地の雰囲気そのままに届けている。

プリフィクスコースでは、田舎風パテや鴨のコンフィ、ニース風サラダ、カスレなど、王道のビストロ料理から好みの皿を選べる。

田舎風パテ 夜のプリフィクスコース6,000円~より
豚肉と鶏レバーの濃厚な味わい付け合わせには自家製のピクルスや生野菜など野菜たっぷりもうれしい。

顔なじみの客が気軽に声をかけ、スタッフが親しげに応じる。そんな温かい空気が、この店の日常だ。最近では、昔からの常連に加えて若い世代の客も増え、満席の日も多いという。

鴨のもも肉のコンフィ 夜のプリフィクスコース6,000円~より
ほろりと骨からはずれる鴨肉はしっとり。ワインが進むしっかり味だ。

長く愛される理由は、変わらない味だけでなく、人に寄り添う姿勢にある。例えば、ボトルよりグラスで気軽にワインを楽しみたいという声に応えたり、仲間とシェアできる大皿コースを用意したりと、時代に合わせて少しずつ形を変えてきた。

変わらぬ味と空気を守りながら、時代とともに歩む。この街にとって、そんな存在であり続けることこそ、街に根差したレストランの魅力そのものだ。

BRASSERIE POISSON ROUGE

ブラッスリー ポワソンルージュ

住所:東京都品川区大井1-53-8

電話:03-3775-1660

営業時間:11:30〜14:30(L.O.13:30)、17:30〜22:30(L.O.20:30)

定休日: 日曜、月曜

※掲載価格は税込価格です(2025年10月現在)

Share

LINK

  • ピアース石神井公園
  • ディアナコート永福町翠景
×
ページトップへ ページトップへ