現代人にとって、自然の原型が残される島‘西表島’のような自然界に身を置くことは‘非日常’でしかありません。筆者自身も「理想のライフスタイルは自然との共存」と、普段からサステナブルやエコ活動について唱えてきましたが、現実に起きている気候変動を目の当たりにする今、言葉だけを何度唱えようと、綺麗ごとでは済みません。「西表島ホテル」を訪れた初日は、リゾートの掲げる「穏やかでゆったりとした時間」を味わうには至りませんでした。あまりに広大な自然に包まれ、どうしたら穏やかに過ごせるのか、憧れの島を訪れて興奮状態に陥りました。
ここは沖縄県八重山郡竹富町、「西表島ホテル by 星野リゾート」。90%をジャングルに覆われた亜熱帯の島で、天然記念物のイリオモテヤマネコをはじめとした希少な動植物が生息、そんな鬱蒼としたジャングルやマングローブが広がる島の中にひっそりと佇むリゾートホテルです。そのコンセプトは「イリオモテヤマネコが棲む島のエコツーリズムリゾート」と掲げられています。2019年4月、エコツーリズムリゾートとしてのスタートから早くも6年余りが過ぎ、その間に島は世界遺産登録(2021年夏)となりました。幾つもの制約があるのかも知れませんが、現場のスタッフはこう語っています。「より一層の環境対策、より一層の啓蒙活動、さらに未来に向けてこの自然環境を残し、次世代に良い形で継ぐために努力を惜しまない」と。この島は生物多様性の重要なモデル地域であるという覚悟を伺いました。また彼らは島のサステナブルな観光仕組みづくりにも取り組み、アクティビティには「島の魅力と価値を感じるネイチャーツアー」「イリオモテヤマネコの保護活動」なども加え、ゲストと共に体験する様々なアイデアでネイチャーツアーをプログラミングしているのです。
楽しみの基本は、楽しく自然に触れること。頼りになるスタッフは、まさにこのリゾートでは‘講師’か‘ガイド’として活躍し、水難救助員の資格保持者や、ダイビングライセンス、中には救命救急の資格保有者もいるという本格派です。



四季を通じて、自然を相手にその季節に合った楽しみがある島ですが、それでも、ベストシーズンは少し涼しさの増す秋か冬、ただ風の強くなることもある時期ですが、この半年間が比較的落ち着いた気候であると教えてくれました。リゾートの裏手に位置するのはトゥドゥマリ浜(通称・月ヶ浜)というビーチで、古代から「神さまが泊まる場所」として伝えられる神聖な浜と言われています。そしてこの島には、希少動物である神秘の‘イリオモテヤマネコ’も生息しています。「今まで何年も猫の交通事故はなかったのですが、今年は1匹が事故にあってしまいました」とスタッフ。貴重な自然環境の中のリゾートでは、野生をそっと見守るツアーも造られていますが、こうして人間と野生動物との共存の難しさとの戦いがあります。
ネイチャーツアーには、月ヶ浜にやってくるウミガメの産卵を見守る「ウミガメディスカバリー」や、「日本一を誇る美しい絶景ビーチ‘イダの浜’へ」という、船でしかアクセスできない奥西表の秘境イダの浜へのツアーもあります。岸から近い位置ですでに壮大な珊瑚礁群と熱帯魚を眺められる透明度の高い海と言いますから、圧倒的なプライベート感の中で静かに過ごすリゾートの醍醐味を体感できるでしょう。



「西表島ホテル by 星野リゾート」は、どこよりも早く、完全なる‘エコツーリズムリゾート’を目指しての出発だったのです。部屋数は全139室、それぞれの部屋が広いのもリゾートとしては理想的です。プールやマッサージの可能なスパ、レストラン、そこで供される地元で親しまれている食材を使ったエキゾチックな料理も楽しみです。特に、ディナービュッフェでは、カマイ(イノシシ)や、ガザミ(ワタリガニ)など、この島で食べられる食材が提供され、島のスパイスやハーブなどを使い、‘亜熱帯’をグルメで感じるエキゾチックな料理が日替わりで楽しめる、食事からも非日常の‘旅情’を感じる滞在なのです。ディナーの後には、日本初の‘星空保護区’となった島の空を見上げてみるのもロマンでしょう。
国際ダークスカイ協会(米国)最新情報では、西表石垣国立公園(石垣市・竹富町)は、2018年に「ダークスカイ・パーク」の星空保護区に暫定認定されて以来、新型コロナウイルスの影響での工事遅延から暫定認定は期限が2025年12月末まで延長。一方、竹富町では、光害対策型の屋外照明への改修工事は現在までに予定の9割以上が完了。
予定通り正式に‘認定’となることが期待されています。聞き逃せない情報は、西表島の希少な特産品であるピーチパインのサステナブル生産に於いて、リゾートでは2024年から「環パイン プロジェクト」に取り組み始めたといいます。島内で排出された生ごみを堆肥(たいひ)として再資源化(コンポスト化)する循環型農業。具体的にはリゾートで出た生ごみを敷地内でコンポスト化し、その堆肥はパイン農家に還元。そして成長したピーチパインを仕入れ、「春のピーチパイン祭り」でゲストに提供する…その循環を継続するという、これこそ星野リゾートが根本に掲げる‘地域との取り組み’であり、島のパイン農家との共同作業が始まりました。ほんのりと桃の香りがするこのピーチパインは、地元でも1割以下しか生産されない幻のパインとか。 果肉は乳白色で柔らかく、甘くて瑞々しくとにかく美味しいのです。





多くの取り組みやそれ以上の魅力が詰まるリゾートホテルです。すべてをご紹介できないのが残念ですが、最後に「イリオモテヤマネコ」情報を。リゾートでは、通年、県道沿いに残るイリオモテヤマネコの痕跡をガイドと共に辿る「イリオモテヤマネコ痕跡ツアー」があります。野生動物の希少種代表であるイリオモテヤマネコは、ネコ科ベンガルヤマネコの亜種であり、発見時は親族・新種として発表されましたが、現在はベンガルヤマネコの亜種であるという見解が強いと言われています。保護活動の拠点となる西表野生生物保護センター(IWCC)では、島に生息する珍しい野生動物についても詳しいことが学べます。私自身はネコに出会えませんでしたが、録音された声を聴かせてもらい、一般のネコとは全く別の野生動物の声に身の震える思いがしたのです。どうぞ、この島で誰にも邪魔されず平和に生きて!と願いました。

取材・文/せきねきょうこ
Photo: 西表島ホテル by 星野リゾート
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数。
Instagram: @ksekine_official
DATA
西表島ホテル by 星野リゾート
沖縄県八重山郡竹富町上原2‐2
Tel:050-3134-8094
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/iriomote/
西表島ホテル by 星野リゾート ペア宿泊券 読者プレゼント
「界西表島ホテル by 星野リゾート」のペア宿泊券を抽選で1組2名様にプレゼントいたします!
応募締切:2025年9月19日(金)17時
当選者の発表は、メールでのご連絡後商品の発送(9月末ごろ)をもってかえさせていただきます。
提供:株式会社星野リゾート
ご応募いただく前に、以下詳細をお読みください。
なお、ご応募いただいた時点で、以下の内容にご同意いただいたことになります。
<応募要項>
◆ご当選された方には宿泊レポートとして感想とお写真をご送付いただきます。いただいた内容はSUMAUおよびモリモトの公式SNSなどに投稿させていただく予定です。詳細はご当選者へのみご連絡いたします。
【プラン内容】
施設:西表島ホテル by 星野リゾート
期間:2025年10月1日~2026年8月8日
(除外日:祝日、休館日、貸切日、 2025年12月27日-2026年1月4日)
組数:1組2名様
条件:2泊 夕朝食1回付き
客室:スーペリアツイン
【注意事項】
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- 当選者の個人情報は、法律の適用を受ける場合や法的効力のある要求によるものを除いて、宿泊施設を除く第三者に開示することはありません。
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こちらの応募は締め切りました。たくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。










