「Inspiration Life」では、様々な分野で活躍されている方の生活に密接しているご自宅をルームツアーのように巡りながら、空間のこだわりや仕事への想いについてお聞きします。

訪ねたのはファッションと食を軸に、PRとしても多岐に渡り活動する、ディレクター兼フードスタイリストの山本了子さんのご自宅。仕事と家庭をバランス良く回す、ライフスタイルのプロフェッショナルとしての日々の向き合い方についてお話を伺いました。

相手の立場に立った寄り添った提案をしていきたい

――お仕事への向き合い方で、特に心掛けていること、大切にされていることを教えてください。

一番に心がけていることは、当たり前なんですが相手の立場に立つこと。例えばディレクター業としてはものづくりを手掛けることになるので、お客様の視点になって考えます。PRだったら、クライアントから依頼された内容にもよりますが、「何を伝えていくか」を重視します。また、食に関しての仕事であれば、器にどう盛り付けるのかなど、今どんなことを求められているのかを考えて動きます。

どの仕事も自分から生み出したわけではなくて、依頼を受ける立場なので、相手がいるという事を常に意識していますね。

――フードスタイリストとしてのお仕事の楽しさはどういったところでしょうか。

“彩る”ことが本当に好きなので、器に向かって彩りを表現していくのがすごく楽しいなって思います。

フードスタイリストのお仕事は、雑誌の企画であれば、ライフスタイルを彩るシーンの中の食事や、販売する器のフードだったり、料理家の方の本を作る時のスタイリングだったり、それぞれの用途に応じて、希望をしっかりと把握しながら、彩りをどう付けていくのかを考えるのが好きで。それがピタッと合致する瞬間があるんです。

その瞬間は心が踊るような嬉しさがありますね。

普段、ディレクターやPRのお仕事をしているので、それとは使う脳が全く違うんですよ。フードスタイリストの仕事は、表現をする作業になるので、新鮮な楽しみを与えてくれています。

モデル東原亜希が代表の株式会社Motherのディレクターを務めているのですが、そのなかのライフスタイルブランド「FORME」のエプロンをフードのお仕事の時はずっと使っています。カラーバリエーションが豊富で、“チームエプロン”って呼んでいるんですよ。「これ着てみんなで頑張ろう!」みたいな気持ちで(笑)。

季節のイベントや気分で色を選ぶのも楽しくて、やる気や元気がもらえますね。歴代のエプロンは撮影中だけでなく、普段から気に入って使ってます。(※エプロンは現在販売終了)

――家でも仕事をすることもあると思いますが、オンオフの切り替えはどのように考えていらっしゃいますか?

いつどんな仕事がきてもいいように、日頃から意識しておくことが大事だと考えています。

私には高校二年生の長男がいるんですけど、毎日お弁当を持っていくので、どうせ作るなら仕事でも活かせるように、彩りを意識した盛り付けをすることもあれば、新しいお料理のレシピを取り入れることもありますね。

あとはカフェに行って、素敵なお料理を見ることでインスピレーションを感じたり、Instagramで海外のお料理アカウントを見たりと、日常の中でオンの場面を作って、アップデートを心掛けています。

でも、ずっとオンだと疲れてしまうので、朝ご飯をピザトーストだけにしちゃうとか、夜ご飯を丼ものにして、「食べられればいいよね」みたいな感じでオフモードに切り替えることもあります。

テイストにこだわりすぎない“着せ替え”ができる部屋

――現在の住まいを選んだ理由を教えてください。

子どもが生まれたタイミングで、前に住んでいた家が手狭になってきたのもあって、これを機に実家の近くに引っ越そうと思っていた矢先に、ちょうど今の家が発売になったので、「これだ!」と出会いを感じました。

それに、昔通っていた学校が近かった事もあって、馴染みのある街というか…しっくりくる部分が結構多かったですね。

――リノベーションをされていますがキッチン・ダイニングはどういったイメージで取り組まれたのでしょうか。

テーマは「着せ替え出来る造り」です。うちは夫に息子二人と男性の方が多いので、シャビーシックやエレガントな感じにするのは難しくて。主人から、モノトーンやナチュラルな空間にしたいという意見が出ていたのもあって、華美にならず、テイストにはこだわり過ぎず、自由に模様替えができる造りにしようと決めました。

フードの仕事もしているので、キッチン周りを使いやすく、増えていく食器の収納もできるように、大き目の棚などをリクエストしました。

その中でもこだわりポイントは、家事導線が一列で完結するようになっているところです。

洗濯物をして、そのままベランダに干しに行けて、料理をして、テーブルにPCを置いて仕事もできるような一本道になっているので、普段はここのゾーンでしか生活していないですね(笑)。

――リノベーション後の暮らしの変化があれば教えてください。

以前住んでいた家では、「ここがこうだったらいいのになぁ」と思うことが色々あって、そこまで暮らしにくくはないけれど、ちょっと惜しい!みたいな(笑)。

家族はリノベーションをすることはあまり考えていなかったのですが、私自身が整理整頓やインテリアが昔から好きなので、この機会に夢を叶えさせてもらうことにしたんです。

なので、リノベーション後は生活がすごく快適になりました。

自分が不安材料だったことを全部解消できたので、ノンストレスで過ごせています。

――キッチン・ダイニングで、特に気に入っている所を教えてください。

こだわりだった、家事導線ができていることと、壁面にある大きな収納棚がキッチン周りのお気に入りです。

ダイニング部分だと、部屋の仕切り部分に可動式のクリア扉を付けたので、普段は全オープンにして解放感が出るような造りになっているところですね。

あとは細かいところで言えば、テーブルやコンロの高さで、仕事もしやすいし食事もしやすい、それでいて圧迫感がないような…。それぞれの用途に快適にマッチするような造りになっている所も気に入っています。

インテリアはひとつずつ長く使えるものを吟味

――インテリアや雑貨も素敵です。いつもどのように選んでいますか?

子ども達が大きくなったので、やっとインテリアを楽しめるようになってきました。

それまでは、高級な家具を買おうものなら「触らないで~」ってなっていたので(笑)。そういうことがなくなった今は、ひとつずつ長く使えるものを意識して選ぶようになりました。

家の椅子はカール・ハンセン&サン製が多いのですが、実際に使ってみると、世界中で長く愛されている理由がわかりますね。

家具を揃えたい時は、老舗の家具屋さんを見に行くことが多いです。日常で多く使うものなので、実際に見に行って確かめて、吟味して買う派です。

――特にお気に入りのインテリアがあれば教えてください。

椅子が特に好きですね。同じ椅子で揃えるのではなく、用途や場所の雰囲気、他のインテリアとの調和を考えて、色や形を選ぶようにしています。

もちろんどれも座り心地がいいので、長時間座っても疲れにくいですし、オフ時間のリラックスにも重宝しています。

――家をキレイに保つ工夫があれば教えてください。

これはもう絶対で、“物の住所を決める”ことです。

家族四人で住んでいるので、「ここに何がある」っていうのを決めておくと、そこに戻せばいいので、皆も分かりやすくて簡単なんですよ。

住所を決めると「アレどこにあるの?」みたいな質問もなくなるので、自分も楽になりますしね。

もう一つは“余白を作る”です。余白を作っておくと、急な来客が来ても隠せますし(笑)。

そして、生活をしている中で絶対に汚れてくる場所があるんですが、そこを見直しポイントだと思って、何が良くないのかを考えながら導線の見直しもしていますね。

最後は、“物を増やさない”。仕事柄、どうしても食器やお洋服が増えがちなのですが、ある程度増えてしまったなと感じてきたら、断捨離をするように心掛けています。

――家を心地よい場所にするために、大切にされていることを教えてください。

キレイに保つこともそうなんですが、家族がリビングに集まれる部屋にしたいなと思っていて、子どもが自分たちの部屋に籠ってしまわないように、リビングを快適だと思える空間にしています。

主人と私の感覚も似ていて、なるべく物を置かないホテルライクな部屋が好きなので、目指す完成形が同じなんですよ。血液型も同じA型で、整理整頓の気になるポイントも似ているので、自主的に掃除をしてくれるところは本当に助かっています。

ホテルみたいなキレイで整った空間に行くと、「いいなぁ」って思うじゃないですか?

そんな風に、家族が元気で過ごすには心地良い空間が大事だと思うので、“整える”ことを大切にしています。

山本了子(やまもと・さとこ)さん

アパレルのプレスを17年経験後独立。独立後は、ファッション、ママ・キッズ向け、食関連のPRや、雑誌や広告のフードスタイリングも手がけるなどなど幅広く活動。Instagramを中心に発信している「高校生男子弁当」や、作り置きおかずも人気のコンテンツに。

Instagram: @yamamotosatoko

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