新千歳空港からわずか30分ほど走ると、どこまでも続く草原地帯と、再生の森に包まれる隠れ家リゾート「SONEKA」に到着します。すぐ隣には自動車道が走るとは思えない静かな環境が広がり、77000㎡の敷地内には森が息づき、静穏と心解き放たれる草原地帯に分かれ、森の木々に覆われた4棟の贅沢なヴィラが点在しています。
SONEKAとはアイヌ語で‘ようこそ’を意味しています。そして再生の森とは、かつては枯れ木や倒木もあった放置森林だったと言います。森は念入りに手が入れられ、間伐や整地を行い、長い時を経て瑞々しい森に生まれ変わったというのです。森と一面を草に覆われた草原地帯とは隣同士、ヴィラは、そんな森に包まれ草原地帯との境界線に建ち、すべてのヴィラからは草原が見渡せるのです。草原の奥に遠望する印象的な山は、支笏洞爺国立公園にそびえる恵庭岳、高さは1320mあります。恵庭岳の名はアイヌ語のエ・エン・イワ(頭のとがった岩山)が語源とされており、頂上に岩塔を抱いた円錐型の活火山とされ印象深い形をしています。
1棟貸しのヴィラはわずか4棟。いずれも外のテラスを含まず150㎡の広さがあり、北の大地に、2024年8月1日、密やかに誕生した休暇のためのプライベートな隠れ家リゾートです。どのヴィラにも希少価値の高い植物性の‘モール温泉’(泥炭に由来する腐植物(フミン質)を含むアルカリ性温泉)が引かれ、温泉資源は‘北海道遺産’にも制定されています。この紅茶色の天然モール温泉は100%かけ流し温泉として、それぞれのヴィラに造られた内風呂、露天風呂共に湯が引かれ、ゆったりと贅沢に温泉タイムを満喫できるというわけです。
美しい草原側に作られた小道を歩いて森を振り返れば、ヴィラの大きな屋根がやや角度をつけて左右に伸びる姿が見えます。この屋根の角度は遠くから見ると、羽を休める鳥に見えると言います。多忙なゲストにも森でゆったりと羽を休めて欲しいという願いがこめられました。室内でも、広いデッキでも、周囲の自然との一体感はとても爽快です。四季折々の自然を感じながら過ごすラグジュアリーな別宅のように、ここでは長期の滞在がお勧めです。木造ヴィラは、室内にも木造家具の聖地と言われる‘旭川’、ナラ、ウォールナット、チェリー、メープルと多彩な広葉樹の木目が美しい無垢材の厳選家具が揃えられました。すっきりとスタイリッシュなデザインと、クオリティの高い家具、新しいデザインなども旭川ブランドの人気を築いてきました。
ラグジュアリーと言えば、ここでの食事もとても贅沢です。敷地内にレストランというスペースがないため、ダイニングキッチンが備わりそこでも食事が可能です。また、各ヴィラ内や外のデッキにもキッチンがあり、自分たちで調理して食事をいただくことも可能。でもお勧めはやはりプライベートシェフが各ヴィラにやってきて、滞在者のために料理してくれるという贅沢な食事を楽しむのはいかがでしょう。SONEKAの料理の基本は「原点回帰の薪火料理」と言いますから、‘北海道の旬’の旨味をギュっと閉じ込め、シンプルに美味しい食事を調理してくれます。また、敷地内の自然菜園で収穫される新鮮な野菜も食材として使われます。春夏の季節ならば、草原の真っただ中に作られた‘草原テラス’(1日一組限定)でロマンチックな食事タイムが過ごせますが、今のこの時期、もう一面が白銀の世界となっているようです。
ラグジュアリーな滞在とは、圧倒的に美しい自然環境で四季の移り変わりを体感し、その土地独自の美味しい食事が提供されること。そこに優しいもてなしや細やかな気遣いがあるならば…これ以上の贅沢はありません。
取材・文/せきねきょうこ
Photo: SONEKA
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数。
Instagram: @ksekine_official
DATA
SONEKA
北海道北広島市大曲307-1