山梨県北杜市周辺は国内でも日照時間の長さを誇るエリアとして知られています。富士山や南アルプス、八ヶ岳など名峰を望む風光明媚なリゾート地であり、清流と緑と太陽、恵まれた農産物の生産、そして特筆すべきワイナリーの存在など、大自然の真っただ中に「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」が佇んでいます。
この標高960mの森に包まれて建つリゾートはもともと世界的建築家であるマリオ・ベリーニがデザインし、日本で初めてとなった本格的なグローバル・リゾートとして開業したのが1992年のことでした。当時、大きな話題となったこのリゾートは、2001年、星野リゾートの運営となり今に至っています。自然と共に過ごすリゾートの醍醐味、地元の特徴を探訪する知的好奇心、そして地元食材で作られる絶品の食事をいただくワクワク感など、どれをとってもリゾート本来の目的である‘休暇・娯楽、食の楽しみ、静養’という目的を果たすべく環境とサービスが整っています。季節ごとの行事やアクティビティの提案も豊富で、きめ細やかなサービス体系が満足度の高さにつながっているのです。
春夏秋冬、いつの時期にも自然環境の美しさが心に染み入る八ヶ岳周辺。かつて個人的に何度か訪れ滞在した中で、澄みきった空と、絵葉書以上に美しい晩秋の景色が心に残っています。この時期、雪に覆われる前の山々は麓の紅葉が美しく映えていました。八ヶ岳連山や南アルプス甲斐駒ヶ岳、場所によっては富士山も見渡せる絶景の中で、食事も散策も、ゆったり感も十分に満喫したのを覚えています。特にメインダイニングであるイタリア料理の「OTTO SETTE」(オット・セッテ)では、豊穣の秋に相応しい地元産の野菜やキノコ、秋ならではの料理がふんだんに提供され酔いしれました。OTTOはイタリア語で8を意味し、八ヶ岳の「8」を表し、SETTEは数字の7であり、食材を提供する7人の達人を意味していると聞いています。
朝食は、ビュッフェ&グリルレストラン「YYgrill」(ワイワイ・グリル)でいただきます。彩鮮な野菜料理を中心に、数々の料理がビュッフェ台を飾り、どれも美味しそうで誰もが選択に悩んでしまうほど。ここでは子どもにも大人にも好評な、健康的な朝食タイムが提供されています。
一方、今年の9月からは「リゾナーレの三世代旅」というプランが発売されています。祖父母まで一緒に泊まれる広い部屋で、様々な形で思い出作りを演出してくれるというのです。遊び心に溢れたリゾナーレには、前出の人気レストラン以外にも、「BOOKS&CAFE」ではコーヒーが楽しめ、「八ヶ岳ワインハウス」では24種類のワインが揃い、テイスティング可能なワインサーバーが用意されているなど充実した時間を過ごせる場所がたくさんあります。さらに加えれば、プール施設「イルマーレ」内には、カフェテリア「Marina Blu」があり、ここでも軽食や飲み物が用意されています。館内にはショップも併設され土産物を買うことも可能。アクティビティ参加も考慮すれば、子どもたちが飽きることなど考えられません。まさにファミリーリゾートの真髄、ここにあり!なのです。
星野リゾートが運営する「リゾナーレ」ブランドは、現在、グアムも含めると全7か所に及びます。「大人のためのファミリーリゾート」をコンセプトにスタートした施設であり、子どもが楽しんでいる間に、親は少しだけリラックスできるという逆転の発想が成功の秘訣でした。子どもたちが子ども向けのアクティビティで安全に楽しめ、親は罪悪感もなく子どもから離れ自由に過ごせるという新たな価値観が存在します。お陰で多くのファミリーファンが増えています。
敷地内中央を通る目抜き通り「ピーマン通り」は、散策しているだけでワクワクしてきて、ついつい買い物をしてしまいます。今年は、10月1日から31日の間に‘THE HALLOWEEN HOTEL 2023’が開催されるといい、大いに盛り上がるに違いありません。ピーマン通りでは「舞踏会」をテーマに、ハロウィーンナイトパーティーを初開催するといいますから、リゾート内は別世界と化し、賑わう声がすでに聞こえてきそうな気がします。
取材・文/せきねきょうこ
Photo: リゾナーレ八ヶ岳
せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、21年4月、新刊出版。
DATA
リゾナーレ八ヶ岳
山梨県北杜市小淵沢町129-1
📞:050-3134-8093 (9:30 AM〜6:00 PM)