紹介する街●西荻窪
【イタリアン】
小粒だけどこだわりしっかり
西荻窪らしいレストラン
「この街には住みたいけれど、もし住んだらここから一歩も出られなくなる」と笑いながら言った友人がいる。この街とは西荻窪のこと。なぜならば西荻窪には何でも揃っているからだ。
素敵なベーカリー、感じのいいギャラリー、センスの良い骨董店や器屋、雑貨店、洋服のセレクトショップなど。つまりは、この街の中で何でも完結してしまうのである(しかもハイレベルで)。だから他の街へ行く必要がなくなってしまうと笑うのだ。そしてそれはほぼ当たっているに違いない。

西荻窪のいいところは飲食店にも個人店が多いこと。そんなこの街の魅力に惹かれて、10年前にオープンしたのが『ジーナ」だ。西荻窪の北口を出て、商店街をまっすぐ行った少し静かなエリアにある。1階と2階に分かれた店舗はこじんまりして可愛らしい。っこの看板メニューは1階の奥に据えられた薪窯で焼き上げる本格的なピッツァだ。

『ジーナ』のピッツァはナポリスタイルがベース。食べた時の生地の軽さを意識して、粉の配合から発酵の具合までこまやかに調整している。高温の薪窯で一気に焼き上げるが、ポイントは、焼く前に窯に塩を振ること。そうすることでピッツァの底に塩気がつき、食べた時に粉の甘さとのコントラストが出るという。

シンプルイズベスト。サクッとして噛むとモッチリした生地が特徴。
そして一番のこだわりは、本場イタリア式にナイフとフォークで食べて欲しいということ。ナポリピッツァは生地が薄いため、手で持つとチーズやトッピングがこぼれてしまうが、ナイフとフォークで切り分けて食べれば具と生地がバランスよく食べられる。実は本場イタリアでもこのように食べられている。

フリッタータ、キノコのマリネなど、季節によって変わる前菜5種の盛り合わせ。
おすすめは、トマトソース、バジル、モッツァレラを使ったシンプルなマルゲリータ。ピッツァ以外の前菜の盛り合わせやパスタ、メインディッシュもあり、夜はワインと食事を楽しめるとトラットリアだ。そして、このご時世にうれしいのはテイクアウトができること。パスタを除くほとんどのメニューがお持ち帰りOKという。

焼きたてのピッツァや前菜を持ち帰って、休みの日は家でダラダラワインを飲むというお楽しみも叶えられる。これぞまさにわが家の近所に素敵な店がある役得! カジュアルでありながら本格的ピッツァがあって、ほっと落ち着ける雰囲気。街に愛されるトラットリアはまさに西荻窪らしい一軒なのだ。

GINA
ジーナ
住所:東京都杉並区西荻北2-26-3
電話:03-3394-0012
営業時間:11:30~15:00(LO14:30) 、18:00~23:00(LO22:30)
定休日:なし
※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間・定休日は変更になることがあります。事前に店舗にご確認ください。
※掲載価格は税別価格です(2021年10月現在)
