「はいむるぶし」とは、八重山諸島の言葉で“南(はい)群(むる)星(ぶし)”を意味し、南十字星を中心とした南に群れている星を指しているため、‘南十字星’と呼ばれています。そのロマンチックな名の星は、東京から見えることはなく、九州からも見えません。南十字星を見たいなら、沖縄から400㎞離れた「北緯24度線、ハワイ諸島と同緯度にある八重山諸島のほぼ中央、小浜島」まで行けば見えるのです。1979年、その小浜島に本格的な施設を整えた「ヤマハリゾート」がオープンしました。時が過ぎゆき、美しい島に生まれたリゾートは2007年に三井不動産にオーナーが変わり、「はいむるぶし」というロマン溢れる名のもとに、現在も尚、不動の人気を湛えています。

客室棟のひとつ。全13棟が点在しそれぞれの客室棟は内装も違い、窓からの景色も違う148室が揃う。

海のコバルトブルーと空の青、白い砂浜のコントラストが美しいビーチエントランス。ここを抜ければプライベートビーチが広がる。

小浜島は豊富な亜熱帯動植物に恵まれ、周囲の海には貴重な珊瑚が生息する世界有数の美しさを誇り、「西表石垣国立公園」内に位置しています。沖縄・石垣島の船乗り場から定期船で25分ほど。到着すると、まず誰もが小浜島を囲む美しいマリンブルーの海の色に、思わず言葉を失います。自然の驚異的な美しさや‘不思議’に慣れていない都会人は、余りに凄い自然の織り成す光景に出会うと、形容する言葉さえ見つからないようです。開発が激しい八重山諸島の中でも、小浜島は幸運にも島の大部分に原風景を残しています。そしてその小浜島の一等地に、日本の本格的なアイランドリゾートとして、オーシャンリゾートの先駆けとなった「はいむるぶし」があるのです。

オーシャンスポーツならほとんどすべてが可能、夕焼け空の下でゆったりと楽しむSUPは最高。大流行りのSUPはスタンドアップパドルボードの略称で、ハワイ発祥のウォータースポーツ。

同じくオーシャンスポーツの人気者、シュノーケル&ダイビング。驚異的なサンゴ礁や熱帯魚に出会える海での楽しみ。

秘境西表の亜熱帯ジャングルの浦内川ボート遊覧やジャングルトレッキング、カヌーでのんびりクルーズ。

広い敷地内はカート移動でないと動きが大変です。12万坪(40万㎡)の広いリゾート内には、趣の違う宿泊棟(13棟)が点在し、どこも毎年少しづつリニューアルが進み進化を遂げています。客室数は全148室、カテゴリーは8種類に及びます。施設としては レストラン3か所の他、バー、ショップ、ぬちぐすいスパ、野外プール、展望台浴場などの他、少し離れたとっておきの場所には‘プライベートビーチ’があり、新たに加わった「海カフェ&星空カフェ」が併設されています。

2018年4月1日リニューアルオープンした「オーシャンビューバススィート」(60㎡)はオーシャンフロントにある開放感あふれる客室。海を観ながら入るアウトバスが特徴。

オーシャンフロントの最高のロケーションにある「オーシャンビュースィート」。テラスにはハンモックが付き、のんびりと時間を過ごせる贅沢な客室(60㎡)。

レストランの中でも、とっておきは静かな雰囲気を保つ「クラブダイニング」でしょう。コース料理2種で構成される食事処は、琉球石灰岩の落ち着いた内装と、いかにも南の島らしいクラシカルな雰囲気でゆったりと食事が可能。とりわけ、発酵食を取り入れたコース料理(和食、洋食、和洋折衷)は試す価値ありです。また、ブッフェダイニングでは、新鮮魚介類、南国の太陽に育まれた島野菜など、小浜島や沖縄県産とともに‘八重山の幸’がずらりと並び、家族連れを始め幅広いターゲットに大人気。数多くの沖縄料理のアイテムに悩みながらも、朝食からすでに、ついつい…食べ過ぎてしまいます。

八重山や沖縄の食材を琉球・和・洋スタイルにアレンジした朝食&夕食の「ブッフェダイニング」。他にレストランは昼食&夕食「グリルダイニング」と発酵食が楽しめる夕食「クラブダイニング」、「オープンカフェ&バー」、プライベートビーチ沿いの「海Café&星空Café」が揃う。

人気の高いブッフェダイニングは八重山の新鮮な食材で作られる郷土料理やアレンジした料理が中心。

前記に「ぬちぐすい」と言う言葉を述べました。「ぬち」は「命」、「ぐすい」とは「薬」の意味があり、つまり「命の薬」のことを指しています。例えば母親の愛情であったり、美味しくて滋養のある食べ物であったり、また、人の優しさや癒しなど、心暖まる事象を表す言葉と言います。リゾートでは、少し前に行われた大規模リニューアル後に、「ぬちぐすいリゾート」として、コンセプトがリニューアルされています。国立公園内の貴重な自然の中で、美しいコバルトブルーの大海原に抱かれ、の~んびりと過ごす休暇は、どれほど憧れを持って訪れようと、きっと、誰の期待も裏切らない‘楽園’です。

文/せきねきょうこ

Photo:はいむるぶし

せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、現在、新刊出版を準備中。

http://www.kyokosekine.com

はいむるぶ

沖縄県八重山郡竹富町字小浜2930

TEL:0980-85-3111(代)  宿泊に関して: 0980-85-3116

http://www.haimurubushi.co.jp

部屋数:148室

料金:お得な「先行キャンペーン」や「島時間を感じる癒しのロングステイ」などプランが豊富。(いずれもシーズン、プラン内容、客室カテゴリーにより料金が異なるため最新を要問合せ)

Share

LINK