行けば必ず心ときめく物に出会える、誰でも一軒はそんなお店があるもの。この連載では素敵なライフスタイルを送る方のお気に入りのお店で、生活にプラスしたいモノ・コトを一緒に探します。
今回のゲストは、おみゆの愛称でも親しまれるモデルであり文筆家の小谷実由さん。SNSなどで好きなものを発信して多くの共感を得ている小谷さんが、お気に入りと教えてくれたのは、東京都台東区・蔵前に構える化粧品ブランドOSAJIが提案するホームフレグランス専門店「kako(家香)OSAJI 蔵前店」です。

さまざまなエッセンシャルオイルの中から自分の好みをオリジナルで調香し、家紋のように自分だけの“家の香り(ホームフレグランス)”を作ることができる「kako 家香」。
小谷さんは、これまでに2度訪れたことがあるそうで「また違った香りを作りたい」と、新たな香りとの出会いを求めて調香を行いました。
比べながら自分の好みの香りを探す

最初にベースとなるエッセンシャルオイルをセレクトします。
並べられているのは天然精油をオリジナルでブレンドした12種類のオリジナルエッセンシャルオイル。香りの持続時間別にトップノート・トップミドルノート・ミドルベースノート・ベースノートの4つのグループに分類されています。それぞれのグループの中から1つずつ気に入った香りを探していきます。

まず、揮発速度が速く、香りの第一印象となるトップノートのグループ。
No.1「オレンジ・ベルガモット・グレープフルーツ」柔らかくなじむような優しい甘さのある香り。
No.2「レモン・ライム・パルマローザ」柑橘系の酸味があるスッキリとした香り。
No.3 「ユズ・マンダリン・ローレル」どこか懐かしく温かみのある甘さの香り。
この3種類の中から、1つを選びます。

スタッフ「トップノートは、フレッシュで、元気な明るいイメージになりやすい香りがそろっています」
小谷さん「以前、自分が作ったものとは違う香りを選びたいなと思うんですが、前回どれを選んだのか全く覚えていなくて(笑)。初めての気持ちで選びます」
と話しながらも、パッと選んだのはNo.2の香りでした。
続いては、香りの中心になるトップミドルノート。スッと鼻から抜ける清涼感が魅力のグループで、みずみずしく爽やかなイメージになります。
No.4「レモングラス・アオモジ・フェンネル」レモンにジンジャーなどのスパイシーさが加わったような夏を連想させる香り。
No.5「ティーツリー・ペパーミント・ユーカリ」鼻にスーッと抜けやすい清涼感の強い香り。
No.6「ローズマリー・クスノキ・セージ」ハーブや薬草のような穏やかさを感じられる香り。
このなかから、小谷さんが選んだのはNo.6でした。

次のグループは、ミドルベースノート。存在感のあるフローラル系の香りが中心です。
No.7「ローズ・ゼラニウム・ワイルドローズ」お花らしい華やかで甘さのある香り。
No.8「ラベンダー・カモミール ローマン・ネロリ」透明感があり爽やかで甘くなりすぎない香り。
No.9「イランイラン・ジャスミン・クラリセージ」甘さに深みがあり、どこか異国っぽさも感じられる香り。
ここでは、No.9をセレクト。
と、ここまでは少し考えつつも直感で次々と選んだ小谷さん。スタッフの方に聞くと、通常はもっと長時間かけて悩まれるお客様が多いそう。

小谷さんが一番悩んだのがベースノートのグループでした。ベースノートは全体をまとめ、奥行きを出したり、残り香にもなる香りです。
No.10「ヒノキ・ベチバー」木の根から抽出されたベチバーと、ヒノキで森林を感じられるウッディな香り。
No.11「トンカビーンズ・シナモン」トンカビーンズのパウダリーな香り、シナモンのスパイシーさが加わって個性的な香り。
No.12「パチュリ・フランキンセンス」パチュリはシソ科の植物で墨汁を想起するスモーキーさが、フランキンセンスは静かで落ち着きのある神秘的な香り。

小谷さん「普段の私なら、絶対にNo.10のヒノキを選ぶんです。でも、今回はこれまでと変えたいし…No.11かNo.12かな」
スタッフ「No.11はラグジュアリーな雰囲気になりますし、No.12は静かな奥行き感が出せます」
小谷さん「そう聞くと素敵で余計に迷いますね」
そこで、シャッフルして、目を閉じて、香りを試してみることに。

こうして試したうえで「一番いいと感じる」と言った香りは、やはりNo.10でした。
小谷さん「どうしても好きな香りみたいです(笑)。ではNo.10にします」
1滴でがらりと変わる調香の面白さを体感
今度は、選んだエッセンシャルオイルの配合を決めていきます。まずは1滴ずつ、グラスに入れてブレンドします。

小谷さん「実験みたいで楽しい! ブレンドしてみると、鼻がスーッと通るようなスッキリとした印象になりました」

ここに、さらにエッセンシャルオイルを1滴ずつ加えながらより好みの香りに調整していきます。オイルごとに最大4滴まで追加が可能です。
スタッフ「好きな香りから加える方もいらっしゃいますし、こういう香りにしたいなというイメージの香りがあればそこに近づけていくこともできますよ」
小谷さん「朝香ることが多い場所に置きたいので、爽やかな香りにしたいなと思います」
スタッフ「でしたらNo.6がスッキリとした香りですので、追加していただくのもおすすめです。No.2も気分の切り替えになる香りです。No.10はゆっくり落ち着きたいときにおすすめですよ」

小谷さん「No.2を入れてみようかな。1滴入れるだけで、かなり変わりました! こんなふうに配合を少し変えるだけでも、何種類もの香りができあがるんですね。これはさらに迷いそうですね…」
スタッフ「もし迷われたら、一度外で香りを試していただくのもいいですよ。お鼻がリセットされ、より香りを感じていただきやすくなるんです」

「え! 外ですか」と驚きつつも、グラスを手に外へ出る小谷さん。
小谷さん「全然、違います! レモンの香りがとても立って、感じ方がまったく変わりますね。おかげでこうしたい、という方向性が決まりました」
外に出ると、空気の流れで分子の軽いトップノートの香りが感じやすくなるそう。また、気温が高いほうが香りをキャッチしやすくなるそうです。
小谷さん「店内は素敵な空間で、非現実感があって、そういうものを持ち帰るのもすごく良いんですが、一歩外に出るとリアルな現実世界を思い出して、日常で使うシーンが想像しやすくなりました」
小谷さん「もっと重さを出したいと思ってNo.10を加えたのですが、トップノートが隠れてしまっている気がして…。こんなふうに考えながら作るのはすごく楽しいですね。最後にトップノートを足したら、良い感じになった気がします」
スタッフ「No.9は個性のあるブレンドなのですが、とても効果的に使っていらっしゃいます。爽やかさもあって、素敵な香りになりましたね」
小谷さん「よかった。イメージしていた、朝にぴったりのものができたと思います!」

調香後はおよそ30分で、製品へ。エッセンシャルオイル・ルームフレグランススプレー・ルームディフューザーから好みのものを持ち帰ることができます。
取材を終えて
以前体験した時には直感だけで選んでいたのですが、今回は詳しく教えていただいて、じっくり考えながら調香できました。途中、悩んだときに外で香りを試したのがすごく良くて。よりリアルに自分の使うことを想像できました。ただ好きっていうだけで作っていたものを、自分のいつもの行動まで考えて調香することで、理想的なものができた気がします。トップノートはさわやかで、ベースノートに選んだ香りはリラックスしたい時にも良いと聞きました。朝に元気な気分になって帰ってきた時には落ち着いた気分になれそう。できあがったディフューザーを玄関に置いて楽しみたいですね。

小谷実由さん
ファッション誌や企業広告などでモデルとして活躍中。文筆家としてエッセイ寄稿などの執筆活動も行う。著書にエッセイ集『隙間時間』(2022年・ループ舎)、『集めずにはいられない』(2025年8月・ループ舎)。
Instagramでは自身の「好きなもの」を中心に発信。2023年からJ-WAVE original Podcast番組『おみゆの好き蒐集倶楽部』のナビゲーターを務める。
Instagram:@omiyuno

kako (家香) OSAJI 蔵前店
住所:〒111-0051 東京都台東区蔵前4-20-12精華ビル1階
TEL:03-5829-8980
営業時間:11:00~18:30
定休日:月曜(祝日の場合翌火曜休み)
Instagram:@kako_osaji
料金:エッセンシャルオイルコース 6,050円 (ワークショップ料 3,300円 ・エッセンシャルオイル10mL 2,750円)ほか
※ワークショップはHPよりお申込みください
読者プレゼント

記事内で小谷さんが調香したものと同じ香りのディフューザーを3名様にプレゼントします。 下記応募フォームに必要事項を記入し、ご応募ください。
※こちらの募集は締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。










