素敵なライフスタイルを送る方とともに生活にプラスしたいモノ・コトを一緒に探すこの連載。今回は少し趣向を変えて、モデル・阿久津ゆりえさんに愛用中のお気に入りのインテリア、雑貨とそれにまつわる思い出をお話しいただきました。
自分が良いと思うものに囲まれた暮らし
コレが欲しいと目指して買いに行くのではなく、ふと店に入って見つけたものとの出会いを大切にしています。アンティークなどの古いものが好きなので、フリマアプリを活用して中古品を探すこともよくあります。
お店では、その瞬間の出会いや思い出も含めて購入しますが、ネットショッピングをするときは何日かじっくり考えることも。
そうやって本当に自分が良いと思ったものだけを集めているので、部屋にあるのは好きなものばかりです。
憧れが日常になるアスティエの食器

20代前半のころ、先輩のご夫婦の家にお邪魔させてもらったときに、お皿がとても素敵で一目惚れしてしまったんです。それが、アスティエのお皿です。
1枚1万円を超える食器は、当時の私にとっては憧れの品でした。
その後、ようやく自分でも手が届くようになりはじめて買ったのが、花柄のプレートです。シンプルなのも素敵ですが、お花が大好きで選びました。
その後もいただいたり、パリの本店まで買いに行ったり、と少しずつ集めているところ。
特に本店に行くことができたのは、とても嬉しかったですね。ただ、買ったはいいものの、それを割らずに日本へ持って帰るのはドキドキでした。絶対に割れないようにとぐるぐる巻きに梱包してもらって(笑)。そんなことも含めて、とても思い入れのあるものです。
今は毎日のように食卓で使っています。
小さなお皿には、アクセサリーを入れたり、コップはペン立てにしたりと、食器以外の使い方もしています。
インスピレーションを与えてくれるお香

「由縁別邸 代田」に訪れた際に、香りをデザインするアーティストの和泉 侃(いずみ・かん)さんが監修をされていて、和泉さんのプロダクトに惹かれました。
調べるとお香があることを知り、試しに購入するとその香りの良さに感動。ほかのお香も徐々に増やしていきました。
和泉さんのお香って、すごく不思議で、脳に直接訴えるような感覚があるんです。まるで音楽を聴いているときのようにイマジネーションがどんどん広がっていきます。
お香立てにしているのは、実はサンゴ礁なんです(写真右上)。沖縄でもらったものなのですが、ちょうど1か所、綺麗に穴が開いていたんです。
もうひとつも、本当は友達が作った花瓶なんです。それが割れた欠片が、アトリエにあるのを見て、お香立てにできたらかわいいかもって話したら、友達が穴を開けてくれてくれました。
置いてあるだけでも楽しめるラジカセ

私が小さい頃、カセットテープのウォークマンは記憶にありますが、ラジカセには親しんでいませんでした。それが、映画『PERFECT DAYS』を観て、ラジカセで音楽を聴くシーンにまんまと影響を受けて。これもフリマアプリで見つけたんです。無造作に積み上げたカセットテープを含めて、置いているだけでもかわいくて、観賞用としても私は楽しんでいます。
ラジオやカセットを聴くと音の伝わり方がデジタルとはまた違うのが面白いですね。音がこもって優しく丸くなるんです。わざわざA面からB面に替えたりするのもすごく好きで。
今、古いラジカセやレコードブームもあってカセットテープを販売されているアーティストの方がたくさんいるので、そういった音楽との出会いも広がりました。ラジオを聴く習慣はなかったのですが、何か音が欲しいときに流すことも増えました。
一脚ずつ買い足した椅子

ダイニングテーブルの椅子をバラバラにするのがかわいいなと思ってチャレンジしたのですが、実際に自分でやってみるとこれが難しくて。難しいんだけど、探すのがすごく楽しかったです。
すべてフリマアプリで買ったのですが、ブランドなどは気にせず、デザインだけで選びました。椅子の一覧をにらめっこして一脚買ったら、次はどこで統一感を出そうか…と自分なりに考えて。一脚だけ見ればかわいいけど、並べてみると合わなそうなものはやめよう、とか。
座面がストライプの椅子(写真中央)を最初に買ったのですが、背もたれのデザインや脚のちょっとしたカッティングがとっても素敵なんです。
その次に買ったのは背もたれがくすみがかった青の椅子(写真右側)で、一脚目のクッションのカラーとのコントラストが楽しいかなって。脚の部分が削られているのも、いいエイジングかなと思っています。
最後に購入した椅子(写真左)は、これだけちょっと低かったんですよ(笑)。でもそれも思い出の一つになるし、失敗した部分も愛せるくらい気に入って使っています。
本当はあと一脚欲しいんです。個性的な子ばっかり選んじゃったから、どうしようかなと、悩む時間もまた楽しいですね。
旅先の思い出の詰まったカメラ

国内で旅行に行くと必ず町のカメラ屋さんにふらっと行って、いい子がいたら買って帰ることにしています。店主の方からたくさんお話を聞いて、その思い出とともに買っていくから、すごく愛着が沸くんです。
福岡に行ったときにも購入しました。店主の方がすごくチャーミングで、このカメラ(写真左上)が作られた背景やメーカーの歴史をたくさんお話してくださったんです。
もう一つは、確か和歌山のお店で、もっとカメラの魅力が広がるといいねってお話をしたのを覚えています。シャッターのところが金属で、押したときの感触も心地よくて、見た目のクラシックな雰囲気も気に入っています。
フィルムカメラは機種によって特徴が違うのが楽しいし、デジカメとか携帯とは違う楽しみ方があるなと思って、10年くらい前からハマっています。わざわざ現像に出すとか、ちょっと面倒くさい手順も私は愛おしいんです。
最近はフィルムの値段が高騰して、気軽に撮影できなくなってしまいましたが、眺めて愛でるだけでも幸せです。
おじいちゃんのおさがり

これは振り子時計(写真左)と天井照明のランプシェード(右)ですが、両方とも、おじいちゃんの家にあったものです。おじいちゃんの家にはときめくものがたくさんあって、行くたびに何かもらって帰っています(笑)。
振り子時計は、私が小さいときからずっとおじいちゃんの家にあったもので、今ではあまり見かけないデザインがとても気に入っています。
ランプシェードは、もう使わないからってダンボールに入れられていたんです。インパクトがあるので、上下さかさまにして中に豆電球を入れてオブジェのようにしています。
自分の愛用品を見直してみると、古いものが好きなんだなって改めて気づきました。無意識でしたが、収集癖なのも多分おじいちゃんの影響があるのかも。
おじいちゃんも旅先で買った民芸品なんかをたくさんコレクションしていたんです。
小さな頃からそれを見てきている私は、その感性を受け継いでいるのかもしれません。
取材・文/SUMAU編集部
※写真はすべて本人提供

阿久津ゆりえさん
ファッションモデル。CMをはじめ、広告や雑誌、MV等で活躍。群馬県の観光特使も務めており、FMぐんまのラジオ番組でメインパーソナリティーを務めた経験も。 明るく自然体な人柄に、男女問わず幅広い年代から共感を得ている。
Instagram:@yurie__a