ヨーロッパには、魅力あふれるワインの産地がたくさんあります。今回から始まった連載「ワインで旅するヨーロッパ」は、イタリア在住のマリーニあゆみさんが、ヨーロッパ各国で出会ったワイン、そしてワインにまつわる場所を旅をするようにご紹介していきます。
エレガントな街並みに赤い電話ボックスが映えるロンドンの街。ふんわりと香るスパイスの香りはロンドンにあふれるインド料理のお店からもれてくるもので、大英帝国の植民地だった影響で発展したインド料理レストランの多さには歴史の名残が感じられます。
多彩な文化が交差する国際都市の最先端のワイン事情を知るべく、イタリアからロンドンへ訪れました。
イギリスといえば近年注目を浴びるスパークリングワイン。冷涼な気候と地球温暖化により日照時間が増えたことでワインの生産に好影響を与えており、ワイン市場が急成長、世界から評価を得ています。
一年暮らした思い入れのあるロンドン。今回はワインを存分に楽しめるスポットをご紹介します。
ロンドンのハイクラスなワインのお買い物はここで
世界中の厳選されたワインが揃い、特別なワインのギフトを求め通ったワインショップHedonism Wine(ヘドニズムワイン)。ワイングラスでできたシャンデリアに思わず目を奪われます。ワイン以外にリキュールや日本酒までコレクションが豊富です。
手頃な価格のワインから希少価値の高いワインまで。最も高いワインはロマネコンティでお値段はなんと3千万以上。店内地下にはテイスティングスペースが併設され、ワインのワークショップやイベントも開催されています。キッズスペースも併設されているのでお子様連れでもゆっくりワインを堪能できます。
Hedonism Wine
3-7 Davies St, London W1K 3DJ, United Kingdom
https://hedonism.co.uk/
ムーディーな空間でロンドンの夜に酔う
革新的なバーやミクソロジスト(カクテルの専門家)が集まる場所となり、ユニークなカクテル体験ができる街として注目されているロンドンですが、五つ星ホテルcorinthia hotel内にあるバーVelvet by Salvatore Calabrese(ベルヴェットサルバトーレカラブレーゼ)では豊富なワインリストに加え、宝石のように美しいカクテルが楽しめます。カクテルシーンの最前線を体感し新しい魅力にであえることでしょう。
Velvet by Salvatore Calabrese
Whitehall Pl, London SW1A 2BD, UK
https://www.corinthia.com/en-gb/london/restaurants-bars/velvet-by-salvatore-calabrese/
ロンドンのヒップなバーはここへ
2021年にオープンしたカジュアルでリラックスした雰囲気のユニークなバーNipperkin(ニッパーキン)は温かみのあるインテリアが心地よい空間を演出します。ワインに加え、クラフトビールや地元のスピリッツも豊富に取り揃えた個性的なメニューが魅力的。定期的にDJイベントが開催され、友人との集まりや仕事帰りにぴったりのロンドナーの社交場になっています。上には和食レストランNIJUが入っておりロンドンで今もっとも予約が取れない和食レストランENDO系列のイチオシのレストランです。
ロンドン郊外へワインテイスティング
ロンドンから車で約1時間半。イギリス南部のサセックス州に位置する高品質なスパークリングワインの生産で知られるWISTON ESTATE(ウィストンエステート)。ワイナリーツアーとテイスティングはオンラインから予約が可能です。併設のレストランでランチ付きのプランもあるので日帰りワイントリップにもぴったりです。1743年から続く伝統ある土地ではサステナブルな農法でワイン造りを行い化学薬品を控え自然との共存を目指す農法をとりいれています。
WISTON ESTATE
https://www.wistonestate.com/
英国の雰囲気で贅沢なロンドンスティ
宿泊におすすめなのが、落ち着いたエリアに位置するCoveant Garden Hotel(コヴェントガーデンホテル)。
インテリアデザインは、英国を代表するデザイナー、キット・ケンプによって手がけられ、伝統的なヴィクトリア調の家具にカラフルなファブリックを組み合わせた、個性的な空間が広がり外資系ホテルにはないロンドンならでのはの世界観が楽しめます。
また宿泊者だけが利用できるオネストバーでは、英国のお屋敷に招かれたような美しい内装のなか、ゆったりとしたソファに座ってプライベートで贅沢な時間が過ごせます。バーでは好きなドリンクを自分で選んで作るスタイルで、自宅にいるかのようなアットホーム感がたまりません。
今、飲みたい。おすすめの英国産スパークリングワインはこれ!
1.NYETIMBER
Nyetimberは、王室御用達としても知られるイギリスで最も有名なスパークリングワイン生産者の一つです。高品質なシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエを使用し、シャンパーニュ製法で作られるワインは、バランスの取れた味わいとエレガントな泡立ちが特徴です。
2.RATHFINNY
サセックス州にある新進気鋭のワイナリーで、優れたスパークリングワインを手掛けています。オーナーのマーク・ドライバー氏は金融業界から転身し、弁護士であった奥様と共にワイン造りを始めました。星付きレストラン「Woven by Adam Smith」で提供される2019年のロゼスパークリングは美しいローズゴールド色と細かな泡が特徴で柑橘系、ベリー系のフルーツの風味はアジア系の料理との相性も抜群です。
3.Roebuck Rare
選び抜かれたブドウを手作業で収穫し、伝統的なシャンパーニュ製法で醸造することで、深いフレーバーと複雑なアロマが特徴の特別感あるワインを少量生産する高級スパークリングワインの生産者。特別な場や贈り物に最適な高品質なスパークリングワインを目指しており、デキャンタワールドワインアワードやインターナショナルワインチャレンジなどで数々の賞を受賞しています。
ロンドンに来たのならアフタヌーンティーやハイティーのお供に英国産スパークリングワインはいかがでしょう。英国産の上品な食器に盛られたフィンガーフードと極上の泡が最高に贅沢な時間を約束してくれます。
マリーニ あゆみ
Ayumi Marini
福岡生まれイタリア在住2児の母。ワインジャーナリストを目指しトスカーナでソムリエ資格を取得後、ロンドン拠点のWSET level2を取得。イタリア拠点にヨーロッパを中心にワイナリーやワインが美味しく飲める場所をお伝えしています。
ワインのある食卓を彩るジャポニズムなホームウェアブランドLaobi-decor.comを展開中
Instagram: @ayumi_asm