友人が訪ねて来たら連れて行きたいお気に入りの店が誰にでもひとつはあります。街の人々に愛される店こそ、胸をはって紹介したい“わが街の味”。この連載では、そんな街で人気のお店を紹介しています。今月は神奈川県川崎市・武蔵新城の人気イタリアン。そこは街の人々が集い、人と人を結びつける場所でした。

紹介する街●武蔵新城

【イタリアン】 

地元に根差したスタイルと
丁寧に仕込む料理がうれしい

川崎市にあるJR南武線の武蔵新城駅は、渋谷まで電車で30分弱と通勤や通学にも便利な街。周辺には人気の武蔵小杉駅、溝の口駅があり、最近は新しい飲食店も増えてきて注目エリアになりつつある。

そんな武蔵新城駅北口にあるイタリアン『リベルタ』は、去年オープンしたばかり。店に立つのは高校の同級生というオーナーシェフの小田切さんとマネージャーの古見さん。二人とも地元が近いとあって、最初からこの周辺で店をやろうと決めていたという。

左が小田切さん、右が古見さん。店頭のテラスのベンチも居心地が良い。

「武蔵新城は昔ながらの街らしさと都会的な雰囲気のバランスが良くて、住みやすい街なんですよ」と、武蔵新城が地元だという古見さん。実はお祭りも多いそうで、地元のコミュニティもしっかり機能しているという。

キッチンを眺めるカウンターは特等席。

小田切さんは武蔵小杉の人気店出身とあって、その時からのお客様も少なくない。地元の飲食店とも仲が良く、そんなつながりで来てくれる人もいるそうで、まだ新しいけれどすっかり街に馴染んでいる。

カウンター上に掲げられた黒板メニューを見ると、小田切さんの仕事好きが伝わってくる。メニュー数が多く、どれも手が込んでいるのだ。手打ちパスタも常時2種類は用意するというのもうれしいかぎり。

青森ヒラメのマリネとレフォール ウニのせ (ハーフ) 1500円
水ナス、トマト、クレイジーピーやディルなどのハーブ。ウニはトッピングで。

一皿のポーションはしっかりあるが、「できるものはハーフでお出ししますよ」とおひとり様に優しい仕様。

皿の中には、茨城の自然栽培の農園から届く新鮮な野菜がたっぷり入っている。

鮎のコンフィときゅうりのサルサ 1800円
大きな鮎は骨まで丸ごと食べられる。江戸前のマイクロハーブと、おくらやコリンキー、フルーツトマトのソースにきゅうりのピュレのせ。

レギュラーメニューの自家製ロースハムやテリーヌ、サルシッチャ、短角牛のローストなど肉系もそそるが、本日のおすすめには魚介も豊富だ。千葉の漁港から届く魚介を始め、この日は青森のひらめや和歌山の鮎もオンメニューしていた。

ナチュラルワインがメイン。グラス900円~。リクエストがあればなんでもグラスで開けてくれる。

1階のカウンターは5席とこじんまりしていて一人でふらりと飲みに行くにもほどよい。奥の階段を登ると2階は大テーブル。早い時間は家族連れがご飯を食べていたり、グループでワイワイ盛り上がったりと使い方も自由自在。外にはテラスもあり、犬と一緒にワインを一杯なんてことも気軽。いろいろなシチュエーションで使えるから、地元の人の生活によりそうことができるのだ。

「空間が小さいからこそ、お客さんの一人一人と近い関係を作れたらいいなと思っています」と古見さん。

「店名は自由という意味のイタリア語です。好きなものを好きなように食べて、自由に楽しんで欲しいですね」と小田切さん。

テラスやカウンターに人が集う自由で楽しいイタリアン。ここがこれからどう発展して行くのか楽しみだ。

Liberta’

リベルタ

住所:神奈川県川崎市中原区上新城2-7-5 セシーズイシイ23  B-105

電話:080-6765-4417

営業時間:18:00 ~ 23:00(LO22:00)、土曜・日曜12:00~14:30(LO13:00)、18:00~23:00(LO22:00)

定休日: 火曜

※掲載価格は税込価格です(2024年8月現在)

Share

LINK