モデル、ライターを経て、現在は旅や美容を中心とした暮らしにまつわるコラムやエッセイを寄稿している前田紀至子さん。お父様が大のインテリア好きで、ご自身も自然とインテリアに興味を持つように。この連載では、そんな前田さんとともに、毎回インテリアにまつわるアイテムを探求していきます。
音楽のデジタル化が進みサブスクリプションサービスが普及する一方で、じっくりと音楽と向き合うアナログレコードの人気が再燃しています。今回は、オーディオテクニカ マーケティング部ブランドコミュニケーション課 本間美賀さんにターンテーブル、そしてレコードで音楽を聴くことの魅力についてもお伺いしました。
名だたるミュージシャンから愛される
音響機器メーカー
日本の音響機器メーカーとして、世界的にも広く愛されているオーディオテクニカは、アナログカートリッジ(レコード針)のメーカーとして1962年に創業しました。一般向けのオーディオ機器だけではなく、業務用のマイクロホンなども製造。
2022年4月には創業60周年を迎え、現在もその洗練された無駄のないデザインと独自の音響技術で、多くの音楽ファンを魅了し続けています。
好きな場所で
好きな音楽と向き合う
前田さん「いま、ターンテーブルを生活に取り入れたいという方も増えていると思うのですが、おすすめの製品を教えてください」
本間さん「お部屋のインテリアのように楽しんでいただきたいということで、こちらをご紹介したいと思います。キャビネット(本体)にローズウッドの突板で、木のぬくもりが感じられるデザインです。ターンテーブルは黒が多いのですが、こういったウッドのタイプはお部屋になじみやすいのではないかと思います」
前田さん「確かに、こちらだと初めて買おうかなという方も手に取りやすそうです」
本間さん「機能面での一番の特徴はBluetooth接続ができることですね」
前田さん「それってすごくいいですよね。ネックというほどではないですけど、スピーカーをつなげると、どうしても置く場所が決まってしまいますから。私はいま床に置いているんですが、どこでもいいなら、お気に入りのスツールの上とかに置きたいです」
本間さん「アナログ製品なので、音質面でワイヤレスを敬遠されるかなとも思ったのですが、特に若い世代の方はあまり違和感なくBluetoothを使ってくださっていますね。それでも、アナログ感はきちんと音で出ます。それで好きになっていただいてもっとアナログ再生を楽しみたい方はアンプやパッシブスピーカーなどを増設するなど、ステップアップしていただければいいので」
前田さん「Bluetoothで音を聞くというのは、パソコンで圧縮するようなイメージですよね。ものすごく音が変わるわけではないけど、ちょっと違うというような」
本間さん「そうですね。いまは、性能の良いBluetoothスピーカーやヘッドホンがたくさんありますから、そこまで音質も気にならないと思います。ふつうは、フォノイコライザーやアンプ、スピーカーを接続して聴くので、どうしても余計なコストやスペースが必要になってくるんですよね。Bluetoothスピーカーはお持ちの方も多いですから、始めやすいと思います」
前田さん「ターンテーブルって針を下ろす瞬間が一番感動的だと思うんです。レコードが好きな友人が『針を下ろす瞬間は、サウナで整うくらい整う』と話していました(笑)。だから、音質はもちろんですが、その体験が大切なんじゃないかと思います」
本間さん「そういうフィジカルの所作というのは本当に大事ですよね。いま、音楽を聴こうと思えばスマホをちょっといじれば聴くことはできますが、針を落とすと、きちんと音と向き合う気持ちになるんです」
前田さん「何となく聞くのではなくてコーヒーをいれて、針を落としてゆっくり音楽を聴こう、という時間を作りますよね」
本間さん「そうすると音源やアーティストへの想いやリスペクトの気持ちが高まりますよね。好きなアーティストの音楽こそレコードで楽しんでいただきたいですね」
前田さん「いま、レコードも重量盤やカラーヴァイナルが続々と登場するので、欲しくなりますよね。ジャケットがかわいいレコードがあるとつい買ってしまいます」
本間さん「新譜も多くのアーティストが出していますし、中古市場もかなりにぎわっていて。特に海外の方が日本のレコードに興味を持っていますね」
前田さん「最近、海外から日本へレコードを買いに来るという話をよく聞きます」
本間さん「そうなんです。特に、山下達郎さんを代表とするシティポップが流行していて、お店の棚から減ってきていますよ」
本間さん「こちらはまた雰囲気がちがうのですが、より安価でフルオートなんですよ」
前田さん「これもデザインが素敵ですね。意外と女性の一人暮らしだったらシンプルなこちらのほうが良いという人も多そうな気がします。フルオートで、再生が終わったら勝手に針が戻ってくるタイプっていいですよね」
本間さん「そうそう、寝落ちしてしまっても大丈夫ですよ(笑)」
前田さん「価格も手ごろだから、プレゼントにもできそうです。ターンテーブルは高いというイメージを持っている方も多いですが、個人的には3万円出せば十分良いものが変えると思っています」
本間さん「そうですね。特にオーディオテクニカでは、価格も1万円台からとビギナーの方が手に取りやすい製品がそろっているんです」
前田さん「それでも音の厚みが違いもわかりますし、アナログレコードの魅力は十分実感できますよね」
本間さん「針を置いた瞬間の『プツプツ…』という音を聞くだけでも落ち着きますよね。また、AT-LPW50BT RWに関しては、針の交換ができるので、こだわりたくなった方は針を変えるということもできますよ」
前田さん「針先のカットがこんなふうになっているんですね。カットの違いで音はどう変化するんですか?」
本間さん「解像度が変わるんです。針のカットが複雑なほうが、レコードの音溝の接点が増えるので音がより複雑になるんですよ」
前田さん「なるほど! よく考えればそうですよね。面白いですね」
前田さん「ターンテーブルのカバーのつけはずしが簡単にできるのもいいですね。カバーを開けたままレコードを聴くのはちょっとぶつかったら倒れててしまうというリスクもあるので気になっていました」
本間さん「ダストカバーはホコリなどからの保護という意味で保管時には有効ですが、再生時にはどうしても共振の原因になってしまいます。特にカバーを開けっ放しで聴くのは厳禁なので付け外しができるタイプがいいと思います。」
前田さん「マニュアルかオートマチックか、Bluetoothのありなしか。ほかにターンテーブルを選ぶときのポイントはありますか」
本間さん「本体にフォノイコライザーが付いているか、またカートリッジが交換できるかなど、ポイントはいくつかあります」
前田さん「フォノイコライザーが内蔵されているとコンポなどへの接続が簡単になるのがいいですよね。カートリッジが交換できるのは、将来的にアップグレードをしたくなったときのことを考えると嬉しいですね」
本間さん「そうなんです。最初は手軽に始めて、後から手を加えて音質をアップデートできることもアナログの楽しみの一つです」
音楽に没入できる
ヘッドホンとイヤホン
前田さん「プレイヤーに合わせて、やっぱりヘッドホンも良いものにしたくなりますね。このヘッドホンで聞くと臨場感がありますね!」
本間さん「これは室内向けのヘッドホンで、外側(ハウジング)をふさがないオープンエアであえて外の音も聞こえるようになっているんです。インターフォンが鳴ってもわかりますし、会話もできます。ハンズフリーで、スピーカー感覚で音楽が楽しめるというものです」
前田さん「でも、スピーカーよりも没入感があっていいですね。軽いから長時間つけていても疲れなさそうですし」
本間さん「例えば夜遅くに迫力のある映画を観たい時とか、大きな音が出せないときにも、おすすめですよ」
前田さん「確かに! マンション住まいで、周囲が気になるときはいいですね」
前田さん「このイヤホンもかわいくて気になります」
本間さん「重低音をメインにしたシリーズなのですが、これは女性にも親しんでいただけるように、小さめのサイズになっています。4色展開なのですが、何色がお好きですか?」
前田さん「このピンクは刺さりますね。ガーリー過ぎずにほどよいくすみカラーで」
本間さん「ピンクを気に入っていただいて嬉しいです。ケースもポケットに入れてもふくらまない、スリムさなんですよ」
前田さん「イヤーカフをしていても邪魔にならにサイズ感がいいですね。私は耳の穴が小さいほうですが、すっと入りました! これはまた欲しくなります」
前田さん「今日改めてターンテーブルについてお伺いして、やっぱり最初の時点で少し奮発しても、自分の気に入ったものを見つけられれば、長く愛用して大切にできるのではないかなと感じました」
本間さん「そうですね。針だけ交換いただければ、めったに壊れるものではないですから」
前田さん「そうなると、なかなか買い換えようとは思わないですよね」
本間さん「それはどうでしょうか。そこからどんどんマニアックになっていくと、針を変えたりスピーカーを変えたりしたくなるかもしれません…ちょっとしたことで音が変わるというのにどこかで気づきますから」
前田さん「オーディオはどこまでも奥が深い世界なんですね」
取材後記
「音楽がないと生きていけない」というほどでは無いけれど、音楽は私の人生を確実に豊かで素敵なものにしてくれている。たとえばある時私の家に突然やってきたターンテーブル。それは私を取り巻く音楽により一層の深みを与えてくれたし、「レコードを買う」という行為の面白さも教えてくれた。
今回訪れたのは、そんなターンテーブルをはじめ、ヘッドホンやイヤホン、スピーカーなど音響にまつわる製品を展開しているオーディオテクニカ。
今回ご紹介いただいた各アイテムを見るだけでもきっと伝わるように、オーディオテクニカの製品はどれもこれもグッドデザイン。そして音楽と比較的カジュアルな付き合い方をしているような私のような人間でも思わず購入したくなるような価格帯のものも豊富。さらにはそれぞれが細部に至るまで痒いところに手が届く工夫もなされているのが心憎い。
だからこそオーディオテクニカは「暮らし」と「良い音」をごく自然に繋いでくれるのねと再確認できる取材となりました。
今年はどんなレコードを買って、どんな音楽を出逢えるだろう。まだ知らない音を想像するだけで、妙に心弾む。この体験を一人でも多くの方に楽しんでもらえますように。
前田紀至子
インスタグラム:@ki45m
Note:https://note.mu/kishikomaeda
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