モデル、ライターを経て、現在は旅や美容を中心とした暮らしにまつわるコラムやエッセイを寄稿している前田紀至子さん。お父様が大のインテリア好きで、ご自身も自然とインテリアに興味を持つように。この連載では、そんな前田さんとともに、毎回1つずつアイテムを決めて探求していきます。

第3回目は、くつろげるソファを探しに、シンプルでありながら温かさや上質さを兼ね備えた家具がそろう「arflex」へ。インテリアのなかでも存在感があり、過ごす時間も長いからこそ選ぶのが悩ましいソファ。アルフレックス東京店長の藤井さんに、その選び方やレイアウトのコツを教えていただきました。

生地の素材や色味でがらりと表情が変わる

前田さん「一人暮らしだとそこまで大きいソファは置けないし、贅沢に一人掛けのソファにゆったり座るのにも憧れてしまうのですが、どのようにソファを選べばいいのでしょうか」

藤井さん「まずは、用途ですね。ソファで何をして過ごしますか」

前田さん「ソファで仕事や食事をすることはないので、完全にリラックスするためのスペースになりますね」

藤井さん「一人掛けもいいのですが意外とスペースをとるので、おすすめしたいのは片側だけにひじ掛けがついている長めのタイプのソファですね。もちろん普通に座ることもできますし、向きを変えてひじ掛けのほうに背をもたれ  脚を伸ばして 座ることもできます。また横になって使うのにも十分な大きさがあります。同じシリーズでユニットを買い足して組み合わせれば、L字ソファにもできるので将来的に広い家に引っ越したり、家族が増えたりしても大丈夫ですよ」

前田さん「そういった使い方を聞くと、俄然こういったタイプが魅力的に感じますね。壁寄りに置いても存在感があるし、かといって背もたれが抜けているから圧迫感もなくて。広い部屋に引っ越したらこの子を連れて行って…と考えるのも楽しいですね」

藤井さん「 アルフレックスのソファは長く安心して使っていただきたいという思いから、将来のメンテナンス性を考慮してつくられていて、耐久性が高いというのも特徴なんです。厳選された素材を使用していて、開発過程でも独自の厳しい検査基準を設けていますし、構造体にモールドウレタンを使用した製品には10年間保証が適用されています。ぜひ、新しい家でも使っていただきたいですね。一人掛けタイプにオットマンをプラスすると、意外と幅を取ってしまいますから、来客なども考えるとこの形はおすすめできます」

ソファ『SONA』W.920 D.1600 H.660 SH.400mm ¥416,000~/クッション W.600 H.550  ¥ 41,000~ W.400 H.400 ¥21,000~ ※価格は張地によって変わります。/ スツール Riva1920『GEPPO』¥115,000

前田さん「同じ形でもクッションのボリューム感や、脚があるかどうかというもの印象が変わりますね。ほかのインテリアの兼ね合いも考えると、大きすぎず見た目がすっきりしている『SONA』が気になりました」

藤井さん「張地も200種類以上からお選びいただけますよ」

前田さん「生地選び大好きです!  素材によっても印象が大きく変わりますよね。光沢感のあるコットンベルベットはフェミニンですし、平織りのタイプだとシックに。同じ色でも照明によって見え方も変わってくるのも面白いですよね」

藤井さん「カバーはすべてファスナーで簡単に外せますから、季節によって かけ替える方もいらっしゃいます。例えばベースの部分だけレザーにして、シートクッション部分はファブリックにするなど自分らしいスタイルにできますよ」

前田さん「あと、やっぱり色は重要ですね。個人的には藤色は好きですが、インテリアには取り入れていないかも。オリエンタルな雰囲気も出せますし、ポイントで使うと品がありますね。実家のソファは落ち着いたイエローだったのですが、どんな色とも相性がよくて使い勝手が良かったのを思い出しました。グリーンも落ち着いていて惹かれます。ソファって、部屋の中でも主役になるイメージなので特に色は迷います」

藤井さん「明るい色は汚れが気になるかも知れませんが、カバーはクリーニングもできますし、ご希望の場合、撥水加工も対応しています。毎日目に入るもので、面積も広いので好きな色を選ぶのが一番いいですよ」

前田さん「やっぱりグリーンが気になります。ぐっとシックになりそう! これまでの連載の中で見てきたボンジュール・ヴェルサイユやポラダの椅子にも合いますね。家が華やかになってきました。我ながら素敵な家…想像するだけで思わずうっとりしてしまうくらい(笑)」

藤井さん「わかります。そうやって考える時間が一番楽しいですよね。クッションとの色の組み合わせや配置でも表情が違ってくるのも面白いですよ」

前田さん「クッションの数によって、座るスペースも変わってきますよね。私は、クッションは1つにして、ゆったり座れるほうが好みかも。ベッドでもスローピローとかユーロピローがたくさんある家に憧れて、置いてみたんですけど、実際には使っていないんですよ。寝ている間に放り投げてしまって(笑)」

藤井さん「それは生活スタイルの違いが大きいですね。海外ですと靴を脱ぐのがベッドのうえくらいで、そこで本を読んだりスマートフォンを見たりと寝る以外の時間をとるんです。そういった過ごし方のお客様には好まれます」

自分の暮らしからレイアウトが自然に決まる

前田さん「ソファは一度置くとなかなか動かすものではないので、部屋の中でどのように配置するのがいいのかも知りたいです」

藤井さん「先ほどのベッドの話もそうですが、まずご自身の生活スタイルを考えることが一番です。一日の中で座っている時間が長い場所はどこでしょうか。その場所がソファを置く位置になります。多くの方が部屋のサイズを測って、空いた箇所にパズルのように家具を配置しますが、そうやって置いてしまうと後から使いにくいと気付くこともよくあります」

前田さん「映画などでも案外、壁沿いじゃなくて真ん中にソファが置いてあるのはそういうことですね。でも、私は端っこが好きなので、どうしても壁にぴったりとつけたくなります(笑)」

藤井さん「それならソファを壁につけて置くのもいいですね。ひと昔まえだと、テレビの前でくつろぐ方がほとんどだったので、テレビとソファがセットのようなイメージがあると思います。最近はスマートフォンやタブレットを見ながらゆっくりする方も増えていますよね。ご自身にとって気持ちのいい場所を見つけて欲しいです」

前田さん「私もテレビをあまり観なくて。60インチくらいの大きなテレビを置いたら、趣味として映画を観る時間ができたりして、また違ってくるのかも知れないですね。そうなるとますます、自分がどこでリラックスするのかというのは重要になりますね」

藤井さん「あとは、ご家族との距離やご来客との位置関係、食事をどこで摂るのか、などを考えて配置を決めます。先に家具を置いて、それに合わせて暮らすのではなくて、生活に合わせて家具を配置していくのが暮らしを快適にするポイントではないでしょうか」

前田さん「話を聞けば聞くほど、自分の家をイチから作り直したいとまで思ってしまいます。同じシリーズで様々な形があって、組み合わせができることや張地を変えられると思うと、どんな部屋にしようか妄想が止まりません(笑)。メンテナンスや保証がしっかりとしているのも魅力ですね。お伺いするまでは アルフレックスというと、簡単には手が届かない憧れの家具ブランドだと思っていたんです。でも、毎日触れるものでこの先長く使い続けることを考えると早く購入したほうが良いと思えます」

藤井さん「長く使えるという部分では、イタリア人の生活道具への考え方を取り入れているんです。イタリアではおじいちゃんが使っていた椅子を直して孫が使って…と受け継いでいくものなんですね。アルフレックスの製品が国産で丈夫さにもこだわって、 製造終了製品を含めて自社でメンテナンスを行っているというのは、家具が世代を超えて長く使い続けられる道具であってほしいという発想からなんです」

前田さん「良いものに早く気が付いて、ずっと付き合っていくことこそがサスティナビリティにもつながっていくんですね」

(取材&文・SUMAU編集部 撮影・古本麻由未)

取材後記

今回は「arflex」でインテリアの主役と言っても過言ではないソファ探し。恵比寿駅から歩いて約10分、恵比寿プライムスクエアにあるショールームには、ソファだけではなく、魅力的な生活が様々な切り口によって提案されていて、一歩足を踏み入れた瞬間「素敵な家を作りたい!」という野望がより一層強くなりました。

それほどまでにとめどなくインスピレーションが湧きあがるショールームでは、発見や気付きがたくさん。

たとえば、この場所を訪れる前には「一人暮らしならソファは小さめの一人がけが良いかな」なんて、「マレンコ」あたりを想定していたものの、長さがあるタイプのソファもひじ掛けのデザインや幅の選び方次第で意外なほどお部屋はすっきり洗練、それでいて存在感も抜群。

貼地も生地の質感や色味次第でイメージもぐっと変わり、これまで思っていた以上にソファって自由度が高いものなのだと知れたことは今回の大きな収穫です。

また、「arflex」は上質なカジュアルスタイルと相性が抜群だとのことで、日常にカシミアのルームウェアを取り入れたり、気のおけない友人とカジュアルなデニムスタイルでホームパーティをしたり、お気に入りのキャンドルを焚きながら読書をしたりと、そういった理想の暮らし方にぴったりなブランドなのだと改めて実感。

これでまた、憧れの生活に一歩近づけたような気がしています。 さて、次はどんなインテリアとの出会いがあるのでしょうか 。

前田紀至子インスタグラム:@ki45m

Note:https://note.mu/kishikomaeda


 ARFLEX TOKYOアルフレックス東京

広々としたショールームには実際のライフスタイルを想像しやすいシチュエーションで、リビング・ダイニング・寝室やキッチンなど様々なシーンのインテリアがそろう。家具だけではなく、カーテン、ラグ、照明、アート、グリーンなどのインテリアエレメントも充実。

住所:東京都渋谷区広尾1-1-40 恵比寿プライムスクエア1F

時間:11:00~18:00

定休日:水曜

HP:https://www.arflex.co.jp/

※掲載価格は税別価格です(2020年3月現在)

Share

LINK