大日方久美子さん、白澤貴子さんが住みたい街へとでかけて、街の魅力に迫るシリーズ第2弾。今回は、白澤さんにとって、縁の深い「神楽坂」。昔ながらの古い町並みと、新しい文化、両方が融合した神楽坂を白澤さんならではの視点も交えてご紹介します。

古いもの、新しいもの
高級なもの、庶民的なものが
バランスよく集まる場所

白澤「神楽坂は本当に憧れの地で、物件を探すときはいつも候補地の上位。いつかは住みたいなって、今も」

大日方「そんなに思い入れがあるんだ」

白澤「実はパリから帰った時に逆ホームシックにかかって…。そんな私を見かねた主人が神楽坂に連れてきてくれて、この街並みを見たら心がすっきりしたんだ」

大日方「このあたりって東京の小さなパリって言われているよね。街並みが似た雰囲気なの?」

白澤「景色がそっくりというわけではないんだけど、どこか通じるものがあって。小さなお店が立ち並ぶ風景や、石畳の小道…。昔からあるものと今の混在具合も落ち着くんだよね」

大日方「確かに都会の中にあるのに、ゆったりした時間が流れている感じがするよね。落ち着いた大人の街のイメージが強いな」

白澤「子どもと楽しめることも多いと思うよ。私なら、小道がたくさんあるから歩くだけでも楽しいし。きっとここに住んだら、家族がそれぞれ偶然通りがかった気になるお店を見つけられると思うから、休日にみんなで行ってみて、自分たちだけのお気に入りリストを増やして行くのも楽しそう。神楽坂という街そのものが、家族のコミュニケーションツールのひとつになりそう」

大日方「路地裏には看板もでていないような小さなお店がたくさんあるから、散策が楽しいよね。素敵なお店だな、と思ったらその隣もまた気になるお店で! 飲食店だけじゃなくコンビニや薬局、スーパーもひと通りそろっているよね。それが全部徒歩圏内で、本当にバランスのいい街だね」

白澤「街並みが素敵なのはもちろん、立地の利便性も高いというのが本当に魅力。出版社も近くに多いから仕事に行くのも便利だし、勉強や資料読みをしようと思えばアンスティチュ・フランセ(フランス文化センター)の図書館や居心地のいいカフェへ…と、仕事でもプライベートでも、普段から利用したい場所がそろっていて、私にとっては欠かせない街だな」

大日方「神楽坂エリアは牛込神楽坂駅や、少し歩けば飯田橋駅もあるから電車のアクセスも便利そう。大手町や新宿の主要な駅にもでやすいのは働く人にとってはいいよね。仕事から帰ってきたら、こんな心穏やかになれる街が待っているなんて素敵。昼はにぎやかだけど、夜は人が少なくなって静かなところも住みやすいポイントかも」


白澤貴子さんの気になるお店
「Lugdunum Bouchon Lyonnais」へ!

白澤「ここは、フランス人が多く訪れるって聞いていて。フランス料理って、作りこまれたアートのようなのイメージが強いと思うけど、それは日本でいう懐石料理みたいなもので実際はもっと気軽なものなんだよね。それがこの店では味わえるんだって」

大日方「本当にカジュアルだし、ふらっと入りやすい雰囲気だね」

リヨンの伝統料理を、同店ではカワカマスやエビを使用してアレンジした「クネル」
(ディナータイム前菜メイン¥3950コースでの選択メニューのひとつ。ランチタイムでも選択可)

白澤「びっくりするほど美味しいって久々!見た目はシンプルなのに味わい深くて優しい!!」

大日方「ワインともぴったり。これが本当のフランス料理なんだね」

白澤「お店の方に聞いたら、インテリアもすべてフランスから取り寄せているんだって。フランスに来たと錯覚するくらいの雰囲気」

大日方「フランス人の常連の方が多いのも納得! 気取っていないのが神楽坂らしいね」

白澤「さっき、大人の街だって話しも出ていたけど、年を重ねるほどこの街の奥深さとか、真の魅力をもっと感じることができるんだろうな。私が知らない素敵なお店もきっといっぱいあるだろうし」

大日方「今日たまたま、外国人の方がごく自然に近所のお年寄りとあいさつしているのを見かけて。そうやって、遠くから移り住んだ人が街になじもうとしている姿ってすごくいいなって思った。神楽坂という街に馴染んで行くことが、その人の誇りにつながっていくんだろうな」

白澤「日本文化の香りが漂って、昔ながらの街の風情が残っているよね。住んでいる街が海外の人にも、自慢ができるって素敵じゃない? それでいて、このお店のように海外の雰囲気を味わえる場所もある。日本と西洋がうまく融合した街だよね」


Lugdunum Bouchon Lyonnais(ルグドゥノム ブション リヨネ)

住所:東京都新宿区神楽坂4-3-7 海老屋ビル 1F
営業時間:ランチ 11:30~15:30(L.O14:00)、ディナー18:00~23:30(L.O21:30)
定休日:毎週月曜日 第1・第3火曜日
HP:http://www.lyondelyon.com/


白澤貴子さんの
神楽坂おすすめスポット
■ギャラリー&カフェ 帝

「和の器についてとても詳しく、私も大好きな慎太郎さんという方がオーナーです。全国から料理人がここに器を買いにくるそう。私はあまり和の文化に触れずに育ってきたので、勉強したいと思っていて。先日ここでバイト募集をしていたときに本気で応募しようとしたくらい!」(白澤)
住所:東京都新宿区神楽坂6-34-4 Felice神楽坂2F
TEL:03-3235-3222
営業時間:11:30〜18:00
定休日:水曜日
HP:http://utsuwa.co/

■カナルカフェ

「水辺で心地よく過ごせるカフェです。ここで、一日中本を読んだり、ゆっくりくつろぎたいな。夏はもちろんですが、春の桜もすごくきれい。季節の変化も楽しめる、この場所がカフェで食事ができるということが、素晴らしいですよね」(白澤)
http://www.canalcafe.jp

■カド

「立ち飲みもできる居酒屋さんです。もともと京都や和の雰囲気が漂う場所が大好きなんです。神楽坂にはそういったお店も多いですが、こちらも古民家を改装したお店で、神楽坂らしい黒塀の建物。縁側でお酒を楽しめるのがお気に入りです」(白澤)
http://kagurazaka-kado.com

■アンスティチュ・フランセ東京

「フランス政府公式の語学学校・文化センターで、映画館や図書館、レストランが併設されています。フランスの街のような雰囲気があり、仕事の撮影でも何度もお世話になったのですが、個人的にもよく行っています。 もし近くに住むことになったら、毎日通いたいですね」(白澤)
https://www.institutfrancais.jp

神楽坂データ
■アクセス

JR山手線を円とし、JR中央線・総武線で結んだほぼ中心に位置する神楽坂エリア。
都市アクセスをはじめ、高い利便性を備えている。

・電車
【東京メトロ東西線「神楽坂」駅より】
「大手町」駅へ直通8分
「銀座」駅へ12分
「池袋」駅へ10分
「新宿」駅へ11分
「渋谷」駅へ16分
【都営大江戸線「牛込神楽坂」駅より】
「六本木」駅へ直通22分

■ロケーション

飯田橋より外堀を渡るとすぐに神楽坂の入り口となり、そこは神楽坂のメインストリート。老舗の漆器、陶器、履物、足袋から文豪たちが通った文具店、飲食店などが東西線神楽坂駅まで点在。また、一本横丁に入ると石畳の小路・黒板塀の街並みを散策でき、三味線の音や粋な芸者衆を垣間見ることも。

かつての江戸の頃には、いくつもの教会や修道院が九段下・飯田橋周辺に点在していたこと、また坂のある街並みが故郷のフランスに似ているなど古くからフランス人に愛されていたという背景が神楽坂独特の表情をつくってきた。さらに、フランス政府の公式機関であるアンスティチュ・フランセ東京があり、子供を学校に通わせる多くのフランス人家族が周辺に住んでいたことも、神楽坂とフランスの関係をより深めてきたともいえる。

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