世界中のハワイ愛好家が憧れるハワイきっての老舗名門ホテル「ハレクラニ」。そのホテルが2019年7月26日、話題と共に沖縄に誕生しました。ラグジュアリーリゾートとして、天国の名にもっともふさわしいホテルとして知られた憧れのリゾートホテルです。そしてこの名門ホテルの初の海外進出となったのが、ここ恩納村の美しい自然の残されたクリフの上でした。恩納村の原始の海に抱かれ、朝焼けから夕陽に染まる1日の終わりまで、コーラルブルーの海と共に時を過ごせる贅沢な造りに、訪れる人々の感嘆の声がロビーに舞っています。

恩納村は2018年に「サンゴの村宣言」をし、2019年には「SDGs未来都市」にも選定され、まさにその同じ年に「ハレクラニ沖縄」が開業に至りました。 沖縄本島の西海岸中央部に位置する村は、沖縄きってのリゾートエリアでもあり、海洋学術的にも貴重な自然が残るエリアと言われています。そんな原形を残す美しいサンゴの海を目の前に「ハレクラニ沖縄」は静かにゲストを受け入れています。

ホテルに入り、まず驚いたのはエントランスロビーの空間造りでした。広く、海に続くインフィニティのように海との一体感を感じさせるロビーは、まさに「ハレクラニ」の第一印象として脳裏にも心にも強く残っています。このロビーから望む‘海へと繋がる情景’は、好天の日なら、扉を開け放ちシーブリーズに包まれる快適な空間となります。さらにとっておきは夕暮れ時、夕陽がロビー内をキラキラとオレンジ色や黄金色に染め、なんともゴージャスな空間に息をのみました。そして、夕陽が刻々と色を変えながら海に沈む神秘のショーは、毎夕見ていても飽きることはありませんでした。

広々としたロビー空間には潮の香りとシーブリーズで海との一体感を味わえる。

歴史と共にハワイのアイコン的存在

最高の施設で最高のサービスマインドを継承

さて客室はというと、全室がオーシャンビューの造りです。「ハレクラニ」の名前自体、ハワイの言葉で、‘天国にふさわしい館’を意味しているといいます。ここ日本でも沖縄の特別に美しい恩納村のコーラルブルーの海を、自分の部屋にいながら独占できるのです。椅子とテーブルが置かれたバルコニーでは、潮の香りに包まれながら大海原を体感。室内の心休まるインテリアは白やアースカラーを基調とし、木材が多く使われているのも優しい印象です。また、沖縄では87,000㎡もの敷地があり、ハワイの4倍近い広さといいますから、どれだけ贅沢なリゾートなのでしょう。

その広大な敷地に点在するのは、2つの‘ウイング’に分かれた宿泊棟を中心に、ホテルのアイコンでもあるオーキッド(洋蘭)の描かれたオーキッドプールや、クワイエットプール、キッズプール、インドアプールの4つのプールが造られています。ファミリー層にも人気の高い東側に建つ‘ビーチフロントウイング’。もう一方は、静かにラグジュアリーなステイを楽しむ大人たちに、夕焼けが美しくドラマチックな西側の‘サンセットウイング’。こちらの棟は‘オーシャンテラスプール’が近く、16歳以上という年齢制限があるため、穏やかな沖縄時間を過ごす大人の居場所に最適でしょう。

全360室のうち、スイートルームが45室、他にヴィラが5棟、そのうちスタンダードルームが310室あり、最小でも50㎡、最大で294㎡という贅沢な客室が揃っています。またそれぞれの客室はハレクラニの内装の特徴でもある「セブン・シェイズ・オブ・ホワイト(七彩の白)」を採用し、淡いアースカラーと共に、海や空の青さがより鮮明に見えるようデザインされました。もう一つの特徴は、窓にカーテンがありません。その代わりにハレクラニのアイデンティティであるセブン・シェイズ・オブ・ホワイト(七彩の白)を基調とした空間デザインの一部として、「ハレクラニ・シェード」(ウッドシャッター)が客室の窓に設置されています。

海に最も近い距離で建つのは、ラグジュアリーなヴィラ5棟です。しかも、それぞれにプライベートプールや天然温泉が付いたヴィラは、「クリフヴィラ(83㎡)」内に1ベッドルームの3室があり、また「ハレクラニクリフヴィラ(165㎡)」内には2ベッドルームが2室揃っています。温泉付きの設えはヴィラに限られていますので、ファミリー層には大好評なようです。

サンセットウイングの最上階に位置するハレクラニ スイート(244㎡)。朝焼けや夕焼けと共に利用する屋外ジェットバスは至高の時間。
サンセットウイングに位置するエグゼクティブ オーシャンフロント スイート(76㎡)。広々としたリビングやバルコニーから眺める素晴らしい景色は感動的。
ハレクラニのシンボルマークとして親しまれてきたオーキッドマークのあるプール。150万枚ものモザイクタイルを用いて描き出したというオーキッドが楽園空間の象徴。
サンセットウイングにある、インフィニティのオーシャンテラスプール。日の昇る頃から夕暮れ時まで、海と共に静かな時を楽しめるプール。
オールデイダイニング「House Without A Key」(ハウス ウィズアウト ア キー)の内装。ハワイで長く愛されてきた伝説の同名のレストラン「ハウス ウィズアウト ア キー」はここ沖縄でもハワイと同様のホスピタリティを提供。
朝食は和朝食が楽しめる日本料理「青碧蒼」(AOMI)と、テーブルサービスの洋朝食を提供する「SHIROUX」がある。写真はAOMIでの和朝食の一例。

現代から未来へ継承、ハワイに息づく名門ホテル

ハワイの「ハレクラニ」では、今尚、1932年に完成した本館とバンガロー37棟を擁しています。かつて1883年にワイキキビーチでスタートした小さなレジデンシャルホテル「ハウツリーホテル」が前身でした。このハレクラニの前身は、1917年にオーナーが変わり、30年代になると「ハレクラニ」とホテル名が変わりました。同時に、このころからロケーションの素晴らしい世界の観光地では華やかなリゾートホテルが各地に次々と誕生、リゾートホテル時代の幕開けだったと言われています。

「ハレクラニ」は1981年に再度オーナーが変わり、日本の三井不動産所有のホテルとなり今に至っています。長い歴史の中で、初となる海外進出の地が美しい海を愛でることのできる日本の沖縄だったのも、私たちにとっては幸せでした。しかも‘沖縄最後の美しい場所’と知られる恩納村の海に面し、この海と共に、ハワイの老舗ホテルは、沖縄恩納村の美しい海と自然と共に、日本における最高ランクのオーシャンリゾートとしてストーリーを積み重ねていくことでしょう。永遠の憧れであるハワイの老舗リゾートの冠を掲げ、新たなる‘もう一つのハレクラニ’として、沖縄で輝き続けて欲しいリゾートであることを願わずにはいられません。

青い海の上を飛ぶパラセーリングは人気のアクティビティ。ボートからそのまま飛び立ち、着水せずにボートへ戻れるため濡れる心配なく快適とか。
サンセットバー「SPECTRA」(スペクトラ)では名前の通り、夕陽の沈むドラマが見渡せる特等席。アフタヌーンティーや軽食も提供。

取材・文/せきねきょうこ

Photo: ハレクラニ沖縄

せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

Instagram: @ksekine_official

DATA

ハレクラニ沖縄

〒904-0401 沖縄県国頭郡恩納村名嘉真1967-1

📞 098-953-8600

https://www.okinawa.halekulani.com/

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