星野リゾートには、高級温泉旅館「界」というブランドがあります。温泉天国である日本の各地域の優れた温泉地で、その土地ならではの文化を体験しながら温泉宿の楽しさを再発見しようと始まりました。


古くからある日本の湯治文化を進化させ、‘現代湯治’として提案するという、「王道なのに、あたらしい。」と掲げた言葉も定着しました。各旅館には「ご当地部屋」も造られ、その土地の個性や文化・伝統・工芸などを感じられる居心地のいい部屋造りが好評です。「界 津軽」では、青森の伝統工芸「津軽こぎん刺し」のシンメトリーな模様を設え、和の空間「津軽こぎんの間」として用意、シックで高級感のある伝統を感じる快適な客室となっています。


「界 津軽」でのご当地楽は、津軽地方に数々残る民芸の中から、日本の秀でた民芸である「津軽三味線生演奏」が選ばれています。研鑽を重ねたスタッフと津軽三味線奏者との共演であり、迫力ある演奏が毎晩聞けるのです。これこそが、私としても、冬の「界 津軽」を訪れるのが楽しみになった理由のひとつです。圧倒的な迫力ある音色が響き渡るのは、日本画の巨匠・加山又造による大壁画『春秋波濤』が飾られる広いロビーの一角。滞在客の食事がすんだ9時15分から、通年に渡り演奏会が楽しめます。本当に鳥肌が立つほどの迫力ある演奏に魅了されています。


何度かすでにメディアには書いていることですが、初めて「界 津軽」を訪れたその日、ひどい豪雪で天気は荒れホワイトアウトの日でした。空港に飛行機が降りられるかどうかの境目の悪天候の日、1時間も空で旋回し、後5分でNGなら東京へ戻る…とのアナウンスがあった後、飛行機がなんとか滑走路に降りてくれたのです。ひどく遅れてやっとたどり着いた宿での夜、初めての生演奏を目の前で聞いた津軽三味線でした。青森津軽地方の寒く長い冬に響き渡る音色なのだろうと胸に刺さりました。最後の演目である‘津軽じょんから節’が終わり、演奏会後に奏者に話を聞きました。「津軽じょんから節は、今夜のように、雪が深々と降る静か~な夜に聞くのが最高に心に響く」とのこと、感動でした。どれほど厳しい練習をしたのだろうと、スタッフの演奏にも頭が下がりました。


「界 津軽」ご当地楽の筆頭は、毎晩開催される‘津軽三味線’の迫力ある演奏。ロビーに飾られる日本画の巨匠・加山又造・作の大壁画『春秋波濤』の前で。


津軽こぎんの模様があしらわれる洋室(定員2名)。夜は天井に浮かぶ「こぎん幻燈」が灯る。


こぎん模様の障子と共に和室の壁面を飾るスタイリッシュな‘津軽こぎんウォール’。


さて、寒い地方は寒い時に輝く…というのは本当かもしれません。寒く厳しい冬を迎える地方には、様々に室内で楽しむ民芸や手仕事が隠されているようです。「界」では地域の文化を継承する職人や作家、生産者の方々と連携したご当地文化体験「手業のひととき」を実施しています。「界 津軽」では、三味線奏者を通して津軽三味線の歴史やルーツを学び、三味線のプライベートレッスンも可能です。さらに伝統工芸を代表するシンメトリーの美しい「津軽こぎん刺し」にも挑戦できます。本格的に体験できるよう「こぎん刺し 刺し放題」キットが用意され(有料)、部屋内でひと針ひと針刺しながら、形になっていく楽しみが味わえます。もちろんできた作品は持ち帰り自由ですから、自宅に飾るのも、紙製のしおりを使うのも旅の良き思い出となるでしょう。


「界」を語るには、魅力の軸ともなる‘温泉’無くしては語れません。「界 津軽」の温泉は‘大鰐温泉’と言い、冬の愉しみは雪見風呂です。とりわけ2022年に大浴場をリニューアルし、「かまくら露天風呂」が誕生。寒い中で温かな温泉がありがたく、冬が来ると「界 津軽」と、美味しいリンゴを想い出しているのです。


湯殿は、県木として親しまれ、香木とも呼ばれる青森ヒバ材。秋から冬季は青森を代表するリンゴを浮かべたりんご風呂が好評。


津軽の冬ならではの「かまくら露天風呂」。2022年11月25日に大浴場がリニューアルオープンを迎え、それと同時に「かまくら露天風呂」が誕生。水庭にせり出すように、湯船をアーチ型で囲んだ雪見風呂。大鰐温泉は古くから湯治場としても知られる泉質、雪景色を見ながらゆっくりと情緒を味わえる。


青森と言えば‘大間のまぐろ’、青森の冬の味覚を味わい尽くす‘秋冬限定の特別会席。’台の物の「ねぎま鍋」など鮪好きにはたまらない。


地域を感じる「ご当地朝食」は、ホタテの身を味噌で味付けし、卵でとじる郷土料理「貝焼き味噌」がメインの和食膳。


青森の伝統工芸「津軽こぎん刺し」は、ご当地楽のひとつとして体験ができる。藍染の麻地に白い木綿糸で縦の織り目に対して奇数の目を数えて手刺し、幾何学模様が美しい。


取材・文/せきねきょうこ

Photo/界 津軽



せきねきょうこ/ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て1994年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのアドバイザー、コンサルタントも。著書多数、21年4月、新刊出版。

http://www.kyokosekine.com


DATA

界 津軽

青森県南津軽郡大鰐町大鰐字上牡丹森36-1

📞: 050-3134-8092

https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaitsugaru/



読者プレゼント

今回ご紹介した「界 津軽」のペア宿泊券をプレゼントいたします!

応募締切:2023年12月15日(金)18時

当選者の発表は、賞品の発送(12月下旬ごろ)をもってかえさせていただきます。
提供:株式会社星野リゾート


ご応募いただく前に、以下詳細をお読みください。なお、ご応募いただいた時点で、以下の内容にご同意いただいたことになります。

■ご当選された方には宿泊レポートとして感想とお写真をご送付いただきます。いただいた内容はSUMAUおよびモリモトの公式SNSなどに投稿させていただく予定です。詳細はご当選者へのみご連絡いたします。


【プラン内容】

泊数 :1泊2日

人数 :2名一組 
期間 :24年1月3日~7月31日
除外日:土曜日、祝日、休前日、休館日、4/27~5/5
客室 :津軽こぎんの間
食事 :2食付き(夕食は季節の会席となります)


【注意事項】

・当選された方が、その権利を第三者に譲渡することは出来ません。また、インターネット・オークション等での転売行為を禁止いたします。

・当選者の個人情報は、法律の適用を受ける場合や法的効力のある要求によるものを除いて、宿泊施設を除く第三者に開示することはありません。

・記載内容以外のお支払いはご宿泊者自身でのご精算となります。



こちらの応募は締め切りました。

たくさんのご応募をいただきありがとうございました。



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