［No.3］星のや沖縄～読谷村／沖縄県～ゆったり時間の流れる滞在型リゾートで読谷村に残る原風景に憩う

目の覚めるような美しいサンゴ礁の海が目の前に広がる「星のや沖縄」は、‘グスクの居館’として、沖縄でも原風景が残る読谷村（よみたんそん）に誕生しました。日本屈指のリゾート島として知られる沖縄でも、自然のままに残された読谷村の貴重な海岸線は70％が‘自然海岸‘と言われています。その海岸線沿いに1kmも続く敷地全体がオーシャンフロントのため、潮風に包まれ海に寄り添う滞在は心も体もリラックスし、リゾート感満載の日々を送ることとなります。

那覇空港に降り立ち、沖縄本島中部の西側に向かい車で70分ほど走りますと読谷村に入り、東シナ海が見え始める頃ほどなく星野リゾート「星のや沖縄」に到着します。コンセプトに「グスクの居館」と掲げる「星のや沖縄」の開業は2020年7月1日、「星のや」ブランドとしては8軒目となりました。

エントランス近くの壁の前にずらり並んだこの日のスタッフ。現代的にデザインされた伝統衣装の制服を纏い客人をもてなす。Photo: Kyoko Sekine

左側に見えるのがオーシャンフロントの客室棟、レセプションを出ると緑の畑が広がる中、縫うように造られた歩道を歩いてラウンジ・ライブラリー・ショップ、インフィニティプールなどに向かう。Photo: Kyoko Sekine

リゾートに到着するとまず目に入るのが高く聳える‘壁’です。これは敷地を囲むような‘グスクウォール’として造られ、そのウォールには圧迫感の無いよう細やかな透け模様が施され、歴史や文化の詰まった石垣です。グスク（城・史跡）とは、沖縄や奄美大島、宮古島、八重山群島で12～16世紀頃に造られた特殊な城を指し、「按司（あじ）」と呼ばれる豪族層が築いた城のことを指しています。現在でも遺跡として400近いグスクが現存しているといわれ、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、特に、沖縄本島南部を中心に点在するグスク（5か所）は、琉球王国の史跡群で構成されるユネスコの世界遺産（文化遺産・2000年登録）になりました。「星のや沖縄」では、到着したその時から沖縄の歴史に触れ、到着後、車を降りた瞬間から圧倒的な非日常の世界観に入り込むことになります。

施設内にはダイナミックな施設が数多くあり、たとえば、24時間利用可能なサンセットプールは、インフィニティプールとして海との一体感が素晴らしく、水上ステージや子供が遊べる浅いエリアも造られています。何よりも、毎夕、美しい空の色を魅せる夕陽が堪能できるのも魅力的です。プールに隣接しているのが、フロント・ラウンジ・ライブラリー・ショップが併設する、宿泊者専用の‘集いの館’です。ここでは夜になると、旅の情緒たっぷりに琉球舞踊や三線演奏など沖縄らしい催事が行われます。一方、施設に隣接して外来者も楽しめる場もあり、海に面して「オールーグリル」「バンタカフェ」があります。開放感も遊び心も添えた施設は大人気。沖縄ならではの食事や南の島らしいフルーツドリンクなど、オリジナルのメニューを豊富に揃えています。

美しい海との一体感が素晴らしいインフィニティプール。空と海とプールの色が重なり合うときの美しさは境目のない壮大な風景を魅せる。Photo: 星のや沖縄

客室棟はすべてが2階建てのオーシャンフロントであり、前面にはコバルトブルーやミルキーブルーのグラデーションが眩い‘美ら海’、反対側には花や南方の木々など植栽が楽しめる畑が広がります。客室内も沖縄伝統の琉球紅型(びんがた)がベッドルームの壁一面に飾られ、読谷山花織のコースターや沖縄の焼き物‘やちむん’など沖縄の職人技を随所に感じながら過ごせるのです。

サプライズは食事にもありました。全ての客室には土間ダイニングと呼ばれるスペースがあり豊富に揃うメニューから予めお気に入りを選び、料理人が下準備を済ませた状態で、客室に届けられる「ギャザリングサービス」という贅沢な食事が楽しめます。室内の大きなテーブルにはシンクもレンジも備わり、料理と共にIH調理器が運ばれます。客室では料理の最後の温めや、簡単な仕上げをすれば作り立ての料理が食せる贅沢なサービスです。

客室内に居ながらにして楽しめるサンセット。中央の土間（ダイニングルーム）を挟んで寝室と掘りごたつ式のソファが備わるリビング。Photo: 星のや沖縄

寝室の壁には手の込んだ「琉球紅型」の美しい壁紙。琉球紅型作家の宮城守男さん作、良く見ると沖縄の自然が描かれている。ベッドは広く大きいサイズが置かれている。Photo: 星のや沖縄

レストラン派のゲストには、メインダイニング「琉球シチリアーナ」がお勧めです。「沖縄も南イタリアも海のある気候風土が酷似し、独自の食文化を守り続けていることも似た環境にある」と、イタリアで料理を学び研鑽を積んだ料理長が独自に作り出した「琉球シチリアーナ」が提供されます。器もメニューもオリジナル、沖縄の新鮮食材で作られる南イタリア料理は斬新でエキゾチック、とても美味しい料理です。2023年11月から2月29日まで、まさに冬季だけのスペシャルコース「琉球シチリアーナ〜Bellezza〜」が提供されます。これは「Bellezza・美」に着目したコースで食事から美へと繋ぐ全9品のコース、新たな発想も楽しみです。

旅をすることの意味は、日常を離れ、全身全霊で喜びを感じるからこそ意義があること。ここラグジュアリー感たっぷりの「星のや沖縄」では、施設造りも食事も、もてなしも実に贅沢。アクティビティも楽しませてくれる、リゾート滞在を全身で堪能しました。