友人が訪ねて来たら連れて行きたいお気に入りの店が誰にでもひとつはあります。街の人々に愛される店こそ、胸をはって紹介したい“わが街の味”。この連載では、そんな街で人気のお店を紹介しています。今月の街は港区白金。古くからの住宅街でありながら、静かに進化を重ねている白金らしく、日本人にとっては新鮮でありながら、長い歴史に裏打ちされた奥深いイタリアの食文化を体現する一軒です。

紹介する街●白金

【カフェ・イタリア食材販売】 

イタリアの上質食材を日常で気軽に味わうカフェ

朝、美味しいエスプレッソを片手に一日を始められる。そんな場所が家の近くにあるのは、とても豊かな日常だろう。白金の新古川橋近くに佇む『ドロゲリア サンクリッカ』では、そのささやかな贅沢が手に入る。

イタリアから運んだライトや床材など、本場そのままの雰囲気を感じさせる

“ドロゲリア”という聞き慣れない言葉は、イタリアでカフェを併設した食料雑貨店のこと。語源は薬という意味のドローガ。もともとはスパイスやハーブを扱う薬局として始まり、やがて良質な食材や日用品が並ぶようになって、人々が自然と集う場所へと変化していったという。ドロゲリアは、暮らしの延長線上に根を張り、人と街と食を結びつける大切な存在となったのだ。

左から、バリスタ・関本春稀さん、店長・樋口雅之さん、バリスタ・渡邉玲乃さん。

ここ『ドロゲリア サンクリッカ』の原点には、イタリアの素晴らしい食材を日本に紹介したいという思いがあった。ならば食材だけでなく、“ドロゲリア”という文化そのものを伝えられないか。そんな発想からこの店は生まれた。

棚に並ぶのは、エキストラバージンオリーブオイルや伝統製法のバルサミコ、丁寧に選ばれたパスタなど。背景の確かなものだけを厳選し、そのクオリティは一流レストランでも信頼を得ている。

おしゃれな棚には、イタリアの食材がズラリ。レストラン仕様のバルサミコなどが手に入る

商品のコンセプトは、まだ開拓されていない上質なイタリア食材。

イタリア アルバ在住の日本人トリュフハンターとタッグを組み、世界最高峰とも称される「アルバの白トリュフ」が、10~12 月になると毎年メニューに登場する。

なかでも「悪魔の朝食」と名付けられた一皿は圧巻だ。半熟の目玉焼きに白トリュフを惜しみなく削りかけた大胆なひと皿。芳醇な香りが立ちのぼり、いつもの朝食が特別な体験へと変わる。

『ピスタチオのマリトッツォ ドルチェ』 850円
シチリア産のピスタチオスプレッドを使った、ピスタチオクリームのマリトッツォ。下にはチョコガナッシュとカスタードクリームが入っている。

アドリア海に面したマルケ州では、ボート型のパンにクリームをはさむマリトッツォが名物だ。ここ『ドロゲリア サンクリッカ』では、そのマルケ伝統の味を楽しむことができる。

バニラビーンズが香る生クリームの下に、ヘーゼルナッツチョコクリームとカスタードを忍ばせ、バターを使わない軽やかなパンとのコントラストが絶妙だ。クリームは甘すぎず、素朴ながらも上品な味わい。

本場イタリアのように朝食に頬張るのもいいし、エスプレッソと合わせて午後のおやつにするにもぴったりだ。

Menu Pranzo(ランチメニュー) 1600円
日替わりパスタとラザニアから選べるランチは、サラダ付き、提供は11時~16時。写真は、一番人気のアマトリチャーナ。グラススプマンテ1000円。

朝は極上のエスプレッソをひっかけ、昼はパスタランチを楽しみ、夜はグラスワインを片手にカウンター越しの会話に花が咲く。イタリアの奥深い食文化と共にこの街に溶け込んだ止まり木のような一軒。ここは日々の暮らしに、さりげなく上質な時間を差し込んでくれる。

Drogheria Sancricca

ドロゲリア サンクリッカ

住所:東京都港区白金1-5-7

電話:03-3444-0516

営業時間:8:00~19:00(18:30LO)

定休日: 無休

※掲載価格は税込価格です(2026年2月現在)

取材・文 岡本ジュン 写真・貝塚 隆

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