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2019.03.08

日本最大級のアートの見本市
「アートフェア東京2019」開催

今年で14回目を迎える「アートフェア東京2019」が、有楽町の東京国際フォーラムで開催されている(3月7日~10日)。今回のテーマは、「Art Life」。価値観が多様化した現在において、アートは未来を指し示す役割を担い得るという主題で幅広い企画を展開している。日本だけでなくアジア、南米、北米、ヨーロッパの29都市から国際的なギャラリー160軒が出展し、各ブースで趣向を凝らしたディレクションを楽しむことができる。

 

 

世界の有力ギャラリーが一堂に会した

多様なアートに揺さぶられる世界

 

時代やジャンルの垣根を超えたアートが一堂に介する国内最大級の展示即売会

 

オープニングセレモニーには内閣総理大臣夫人・安倍昭恵さんらが列席し、恒例の鏡開きも

 

アートフェア東京は、歴史に紐づいた古美術から現代アートまでが並ぶ世界的にも珍しいアートの祭典。絵画、彫刻、写真、インスタレーションなど、多様な作品が一堂に会している。歩みを進めるほどにアートの無限のふり幅を感じながら、脳に、心に、魂に、あらゆる方角から刺激を受ける。

アートに造詣深い人はもちろんのこと、普段ギャラリーに敷居の高さを感じている人でも、泳ぐように世界各国のギャラリーの“一押し”を満喫することができる。

見本市のため購入することもでき、手の届かない額のアートに感嘆しながら、手の届く額のお気に入りを見つけて自分のものにできもするのが醍醐味だ。

 

グラフィティ・アーティストMr.Doodle

 

Mr Doodleによる作品が並ぶ「ギャラリーアンザイ」のブース

 

「ギャラリーアンザイ」では、グラフィティ・アーティストのMr.Doodleがライブペインティングを披露。幸せな体験、楽しい思いをシェアしたいと、毎日15時間ドローイングをするという同氏。日本滞在時もホテルに帰るとペンが止まらないそう!

 

フランスで創業した現代美術ギャラリー「ペロタン」

 

自然のなかでの生活から生み出されたというクララ・クリスタローヴァの作品

 

パリを拠点として世界各地に展開しているギャラリー「ペロタン」の出展は、今回のアートフェアの目玉のひとつ。チェコに生まれスウェーデンで活動するアーティスト、クララ・クリスタローヴァを個展形式で紹介している。日本での個展は初めてとなるクリスタローヴァには若者や有名アーティストのファンも多く、森の中に住まい、自然からインスピレーションを受けて制作されたという陶芸、絵画作品が並んでいる。

 

現代のアーティストにも多大な影響を与える北斎の作品

 

歴史を感じられる作品が並ぶ「浦上蒼穹堂」

 

アートフェアの第1回目から参加している東洋古美術の専門美術商である浦上蒼穹堂では、ブース内で古陶磁を展示しながら、通路側の壁面に葛飾北斎の読み本挿絵を掲出。世界一の北斎漫画のコレクターである店主による、歴史的視点で見てもおもしろい水滸伝の世界を楽しむことができる。

 

陶芸家、植松永次さん

 

「森に舞う」と題した空間に作品が並ぶ

 

大谷滋など多くの若い作家にインスピレーションを与えてきた陶芸家の植松永次さんのインスタレーションは、表現をしたというよりも“土をさわりながら発見していく”“土そのものから感じる”自然を体感することができる。「つくったものというよりも、できてきたものを感じてもらえたら」と植松さん。

 

 

 

日本の未来のアートシーンを担う

ギャラリー一押しの若手作家展

 

 

ロビーギャラリーでは、各ギャラリーが新進気鋭の若手作家を紹介する「Projects」など4イベントを展開。こちらは入場無料で誰でも観覧可能だ。

「Projects」は12アーティストが各ブースで個展形式で発表しており、現代性、身体性、技巧性などの特色を強く感じる作品、コンセプチュアルアートからインスタレーションまで今後の日本のアートシーンを担っていくギャラリー×アーティストの濃密な空間を味わうことができる。

 

折鶴アートを生み出す小野川直樹さん

 

小さな折鶴を組み合わせた作品

 

無数の折り鶴からなる「鶴の樹」の制作をする、小野川直樹さんに話を伺った。

「子どものころから折り紙が好きで、3.11を経験してから折り鶴作品をつくりはじめました。実際に被災地を訪れると、千羽鶴の吊るされている様子が各所に。折り鶴は、祈りの象徴であるのを感じました。日本ではなじみ深い折り鶴を、悲しいものというよりポジティブに捉えてほしいと思い制作しています」

昨年は「Art on Paper」New Yorkにも出店。国外にも活躍の場を広げている。

 

ほかロビーギャラリーでは、駐日大使に推薦された各国代表のアーティスト31名が参加する「World Art Tokyo」、全国19大学の学生アーティストとキュレーターによる「Future Artists Tokyo」、新設された百貨店や地方工芸団体などで構成される「Crossing」が展開されている。

 

会期中は日本のアートシーンやマーケットの今を伝える展示企画、関連するシンポジウムやパーティを都内各所で開催される。アートファンや関係者のみならず、各国大使や経済界の人々の社交の場としてにぎわい、昨年は6万人を超える来場者があった。

 

 

古今東西の計り知れない才能が表現を競い合う「アートフェア東京2019」で、アートと対話をし、感性を研磨し、新しい自分を見つけてみてはいかがだろうか?

 

 

『Art Fair Tokyo 2019』

期間:3/8(金)-10(日)

時間:11:00-20:00(10日は17時まで)

会場:東京国際フォーラムホールE

入場料:前売券 /1DAYパスポート 4,000円 (税込) 、当日券 /1DAYパスポート 5,000円 (税込) (小学生以下は、大人同伴の場合に限り入場無料)

電話:03-5797-7912(一般社団法人アート東京)

https://artfairtokyo.com/

 

 

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