HAPPY GARDEN DIARY

2016.05.11

新緑の季節。爽やかに
ハーバルライフを楽しむ

風薫る5月、今月は爽やかな季節にぴったりのハーブをテーマにお送りします。インテリア感覚で楽しめる寄せ植えや、ハーブバス、サシェ(香り袋)をハンドメイドするなどして、素敵なハーバルライフを楽しんでみませんか。

 

花を生かしたナチュラル

ハーブの寄せ植え

 

もともとは“薬草”の意味を持つハーブ。

苗も手軽に手に入ることから、最近は家庭で育てる方も増えてきました。

料理のアクセントに使ったり、ハーブティとして楽しんだり、また害虫・防虫対策としても利用できるため、実用面がフィーチャーされがちですが、実はかわいい花をつける種類もあるんです。

 

そんなかわいらしい花を持つハーブを選んで、寄せ植えしたのが上の写真です。

選んだハーブは、オレンジのナスタチウムから時計まわりに、ラベンダー、ローズマリー、色違いのナスタチウム(イエロー)、そしてマトリカリア(フィーバーヒュー)。

 

特にナスタチウムは、色鮮やかな花を咲かせるだけでなく、花も葉もかわいらしい形をしているため、観賞用としも人気。花も葉もワサビのよう辛みがあり、花はエディブルフラワーとしてサラダなどの彩りのアクセントに、また葉っぱはその辛みを生かし、サンドイッチにするのもおすすめです。

 

一方、癒しのハーブとしておなじみのラベンダーや、グリル料理などの香りのアクセントとして人気のローズマリーも花と香り両方楽しめることから、このような鉢植えにするといろんなシーンで活躍してくれるはず。これら2種類のハーブは水分をたっぷりあげるより、乾き気味に育てるのがコツ。

蒸れに弱いので、枝が混み合っている場合は適宜収穫するとよいでしょう。

 

そしてもうひとつ、マトリカリアは、キク科の多年草で、茎や葉を薬や染料にすることも多いハーブ。

英名をフィーバーヒューと言い、その名は、“熱を下げる”という意味持つ「フィブリフューガ(Febrifuga)」がなまったものとされることから、昔は解熱効果が期待できる薬草として栽培されていたようですが、現在は花を楽しむハーブとしても人気。葉を揉んで湿布すると、皮膚の炎症を防ぐ効果もあると言われています。

 

このように鑑賞&実用、一石二鳥の花ハーブの寄せ植え。

さらに、手入れも比較ラクで育ちやすいとなれば、挑戦しない手はありません。

 

常にフレッシュな香りが楽しめる

キッチンハーブ

 

2

 

次に紹介するのは、収穫を第一目的としたハーブの寄せ植えです。

コンパクトなウッドボックスに植えたのは、あさつきとコリアンダー、ベビーリーフ……。

いずれも、いろいろな料理に使える汎用性の高いハーブです。

 

あさつきはみじん切りにしてみそ汁や冷や奴のアクセントに、

ベビーリーフはサラダだけでなく、お弁当の彩りが足りないな、という時にも便利。

コリアンダーはご存知のように、少し加えるだけでもエスニック度がぐんと高まる魔法のハーブです。

 

こうした料理の味を引き立てるハーブは、使いたいときにさっと使えるよう、コンテナ植えしておくのがおすすめ。

なかでもベビーリーフは成長が早く、ぐんぐん増えるので、最初は写真のように空間の余裕を持って植えるとよいでしょう。種から育てて植え替えるのもおすすめです。

 

「参考:ポタジェを楽しむ」

https://archive.sumau.com/2015/page_category/parent_life/happy_garden_diary/671.html

 

 

暮らしに生かす

ハーブ活用術

 

3

 

ここまで主に観賞用、料理用として楽しむハーブを紹介してきましたが、

最後にもうひとつ、生活に取り入れて楽しむハーブを紹介したいと思います。

 

ひとつめは、ハーブのスワッグ。スワッグとはドイツ語で“壁飾り”を意味し、

リース同様クリスマスのドア飾りとしてもポピュラーになってきました。

作り方もカンタン、枝をブーケのように束ねてリボンなどで結ぶだけ。

今回使ったのは、爽やかな香りが人気のローズマリーとゼラニウム。

ゼラニウムは、特に香りの良さが評判の品種、センテッドゼラニウムを選びました。

 

ナチュラルなイメージのまま、ラフにまとめ、ピンクのラフィアをアクセントに。

部屋に飾ると自然で清々しい香りを感じて、気持ちも癒されそう。

そのままドライになっても楽しめるのも魅力です。

 

葉の形も個性的。

葉の形も個性的。

 

ドライハーブは、ドライフラワーとミックスし、サシェとして楽しむのも一案です。

香りづけにお好みのアロマオイルを垂らして混ぜ、巾着などの袋に詰めるだけ。

アロマオイルは2種類ほどをブレンドすると、香りに深みが出ます。

香りが発散しやすいのは、写真のような透けるレースの袋や、吸撥水に優れたリネン素材。

使わなくなったリネンのハンカチやふきん、クロスなど再利用して、手づくりするのも素敵です。

 

寄せ植えで育てた花の花びらをドライにして活用するのも手。透ける素材の袋に詰めるときは、 ドライの花びらをいれると色がかすかに透けてキレイ。

寄せ植えで育てた花の花びらをドライにして活用するのも手。透ける素材の袋に詰めるときは、
ドライの花びらをいれると色がかすかに透けてキレイ。

 

 

また、これから夏にかけては、お風呂などにハーブを浮かべた「ハーブバス」はいかが?

おすすめのハーブはミント。お風呂に浮かべると爽やかな香りが広がって、涼しく感じるので、夏の入浴シーンにぴったりです。

ハーブの中でも特に成長が早いのがこのミント。料理の飾りや風味づけに、ミントウォーターに、そしてこのミントバスに……と生活の中にどんどん取り入れて、ハーブのある生活を謳歌してください!

 

(文・原口りう子 写真・松永直子)

 

 

ガーデニングデザイン:

有川宗子(ありかわ もとこ)

東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。

株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。

http://3films.com/garden/

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