HAPPY GARDEN DIARY

2016.10.12

フェアリーな小宇宙
ミニチュア・ガーデニングの世界

海外のガーデニング&クラフト愛好家の間で根強い人気を誇るミニチュア・ガーデニング。その波が日本にも到来! 秋の夜長、工作気分で挑戦してみませんか。

 

“妖精たちの庭”の別名を持つ

ファンタジック・ワールド

 

リアル植物とミニチュア小物を組み合わせて、箱庭づくりを楽しむミニチュア・ガーデニング。

その可愛らしい世界観と、妖精たちの庭のように見えることから「フェアリー・ガーデン」とも呼ばれています。

 

ポイントとなるのは、ミニチュアの小道具。とはいえ、何もたくさん用意する必要はないんです。

たとえば、トップ画像は、ガラスボウルの中に苔とインテリアバークを敷いて

シカのミニチュア・フィギュアを置いただけ(底には根腐れ防止用のゼオライトを敷くのがベター)。

それでも物語を感じさせるかわいいミニチュアガーデンが成立しています。

 

以下、手順を簡単に説明しますので、身近にあるものを活用し、

オリジナルの箱庭づくりを楽しんでみてください。

 

湖のほとりに建つ

瀟洒なコロニアルハウス

 

2

 

こちらは、ミニチュアハウスを中心とした湖畔の庭をイメージしたミニチュア・ガーデン。

コロニアル調のハウスフィギュアから発想して、奥に亜熱帯風の大木を配し、

庭の先には湖も。よく見ると、うさぎやアヒルもいて、なんだか癒されます。

 

では、実際のつくり方をご説明していきましょう。

 

まず用意するのは、箱庭の箱となるもの。今回はハウス形のガラスケースを使います。

さらに中の庭を構成する素材として、ミニ観葉植物と、ミニチュアの小道具を用意。

ガラスケースには水はけ用の穴がないため、植物は観葉植物など、室内で育てられるものを選びます。

最近は、ミニタイプの観葉植物だけでなく、ミニチュアフィギュアも100均などで手に入るので

それらを利用するのも賢い方法です。

 

今回使用したミニ観葉植物はペペロミア。同じペペロミアでも品種によって姿・形が全く違うのも面白い。 小道具はハウスと動物2種類、ポストを用意。小道具はお好みでOK

今回使用したミニ観葉植物はペペロミア。同じペペロミアでも品種によって姿・形が全く違うのも面白い。小道具はハウスと動物2種類、ポストを用意。小道具はお好みでOK

 

用土は、飾り用の白砂・白玉石、ブルーのカラーサンド、 ベースになる赤玉土、根腐れ防止用として底に敷くゼオライトを用意

用土は、飾り用の白砂・白玉石、ブルーのカラーサンド、
ベースになる赤玉土、根腐れ防止用として底に敷くゼオライトを用意

 

材料が準備できたら、まずは底に、ゼオライトをひと並べ。

次に赤玉土を入れ、奥に配置する植物から順に植えていきます。

ポイントは、庭の中心的存在となるミニチュアハウスの位置をイメージして植えること。

ハウスを仮置きしてみて、植物の配置を調整するといいでしょう。

 

(左)まずは底にゼオライトをひと並べ。(右)ベースとなる赤玉土を入れ、ボットの土も利用しながら、植物を植えていく

(左)まずは底にゼオライトをひと並べ
(右)ベースとなる赤玉土を入れ、ボットの土も利用しながら、植物を植えていく

 

植物を植え終わったら、ミニチュアハウスを配置。ここからさらに家から続く道を白玉土で、

湖をブルーのカラーサンドで形づくっていきます。

 

植物とハウスを配置したところ。手前には道と池用にスペースを空けている

植物とハウスを配置したところ。手前には道と池用にスペースを空けている

 

(左)手が届きにくい角や隅は、スプーンなどを使ってしっかり土を被せる(右)細かな調整はピンセットを使うと作業がしやすい

(左)手が届きにくい角や隅は、スプーンなどを使ってしっかり土を被せる
(右)細かな調整はピンセットを使うと作業がしやすい

 

そして最後に郵便ポストと、ウサギ、アヒルのミニチュアを置きます。

全体のバランスを見て、箱庭のイメージと照らしあわせながら、センスよく配置を。

 

庭のなかに、かわいい動物たちを発見!

庭のなかに、かわいい動物たちを発見!

 

容器の中に植物を植え込むという意味では、テラリウムと同じですが、

それに小道具を加えることでストーリーが生まれ、イマジネーションの世界が広がります。

 

空想の世界をぜひこのミニチュアガーデンで表現してください。

 

緑のリトルガーデンへ

ようこそ!

 

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次にご紹介するのは、箱の中に庭を作った文字通りの「箱庭」。

あえて人や動物のフィギュアは置かず、ガーデンにテーマを絞って作りました。

使用する植物は、観葉植物と同じく室内園芸に最適の多肉植物。

今回の器は、お菓子が入っていた木箱をブラウンにペイントして使っています。

 

ほかにはミニチュアのアーチとジョウロ、イス、白い柵という庭をイメージさせる小物を用意。

用土はガラスハウスと同様、根腐れ防止用のゼオライト(飾り砂にも使用)に加え、

今回は多肉植物を植えるので、専用土を使います。

また、道をイメージさせるインテリアバークも準備しました。

 

(左)ミニチュアガーデンには、多肉植物もぴったり。(右)多肉植物用には専用土がおすすめ

(左)ミニチュアガーデンには、多肉植物もぴったり。(右)多肉植物用には専用土がおすすめ

 

基本の作りかたは、ガラスハウスのミニチュア・ガーデンと同じ。

今回使った木箱のように穴が開けられるものは、水はけ用の穴をあけておけば

ゼオライトを敷く必要はなく、そのまま用土を入れて植えられます。

ただし、穴が開けられない容器の場合は、ガラスケース同様、ゼオライトをひと並べしておくと根腐れを防げます。

 

(左)水はけ用の小さな穴を開けられる場合はそのまま多肉植物用土を入れてOK (右)土を半分ほど入れた後、完成をイメージしつつ、植物から植えていく

(左)水はけ用の小さな穴を開けられる場合はそのまま多肉植物用土を入れてOK
(右)土を半分ほど入れた後、完成をイメージしつつ、植物から植えていく

 

ひと通り植物を植えたら、インテリアバークで道を作り、好みの小物を置いていきます。

ちなみに今回使ったジョウロのミニチュアには、多肉植物を植えています。

このようなプラスアルファの発想で、小物を自作するのもミニチュア・ガーデニングの醍醐味。

最後に化粧砂がわりのゼオライトを蒔いて、完成です。

 

粒子が細かいゼオライトは化粧砂代わりにも使えて、一石二鳥

粒子が細かいゼオライトは化粧砂代わりにも使えて、一石二鳥

 

こちらの箱庭、庭と小物のスケール感が実際と違いますが、

そのデファルメされた感じも味のひとつであり、オリジナルの世界観。

ルールもないので、創造力を働かせ、自由な表現を楽しみたいものです。

 

最後に置き場所ですが、多肉植物は直射日光があたる場所でも構いませんが、

苔と観葉植物は直射日光を避けた明るい場所へ。

そして土の表面が完全に乾いたら、水やりを。

ただし、トップ画像の苔のミニチュア・ガーデンは乾くと苔が変色してしまうので、

3〜4日に一回くらい、霧吹きで湿らせるようすると、青々とした苔を長く楽しむことができます。

 

ガーデニングデザイン:

有川宗子(ありかわ もとこ)

東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。

株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。

http://3films.com/garden/

 

 

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