行ってみたいデザイン空間
日本初のフラッグシップショップ
「モルテーニ東京」が南青山にオープン
イタリアを代表するラグジュアリーファニチャーブランド、モルテーニ（Molteni＆C）。日本初となる旗艦店、モルテーニ東京（MOLTENI＆C TOKYO）が東京・南青山にオープンした。パトリシア・ウルキオラが手がけた和の様相と幾何学模様が融合した空間では、機能的で上質なモルテーニの世界観に直接触れることができる。
東京・南青山にオープンしたモルテーニ東京（MOLTENI＆C TOKYO）。パトリシア・ウルキオラがデザインを手がけ、和の要素と幾何学模様が融合したダイナミックな空間が待ち受ける。
パトリシア・ウルキオラがインテリアデザインを担当
幾何学的なパターンのなかに日本の装飾美を採り入れる
ファッションとインテリアの街として賑わう東京、南青山。「モルテーニ東京」は、華やかでアクティブな青山の中心地ではなく、根津美術館にほど近い静かなエリアにオープンした。
店内は1階と地下1階の2フロア構成。広いガラス面から陽光が差し込む1階には軽やかなラウンジのようなリビングダイニング、地下1階には、ベッドルームやウォークインクローゼットなど夜をイメージした空間が展開されている。
内装を手掛けたのは、いま世界でもっとも注目を集めるプロダクト・デザイナーのひとりであり建築家でもあるパトリシア・ウルキオラだ。
店舗奥の地下1階から1階までの吹き抜けには、壁面いっぱいに杉材の装飾が施されている。円と格子を融合させた幾何学的なデザインは、パトリシアが京都の東福寺光明院からインスピレーションを受けて生み出したという。
約100坪の広々とした店内には、杉材の装飾壁のほかにも、茶筌をモチーフにしたフロスのペンダントライトや鉄瓶、クローゼットにかけられた羽織など、日本の美が散りばめられている。
モルテーニらしいシンプルでモダンな上質さのなかにアクセントとして日本の装飾美が配置されることで、シックで居心地のよい独自の空間が誕生したのである。
モルテーニらしいシンプルでモダンな上質さのなかに、アクセントとして日本の装飾美が配置されている。
約100坪の広々とした店内は、地下と1階の2フロア構成。広いガラス面から陽光が差し込む1階までの吹き抜けには、壁面いっぱいに杉材の装飾が施されている。
新作「パスワード」を含めた収納を軸に
モルテーニらしい住空間を創りだす
モルテーニは、高度な技術と洗練されたデザインを併せ持つハイクォリティなシステム収納を世に送り出しているブランドとして知られている。モルテーニ東京でもその軸は変わっていない。
収納とファニチャーを組み合わせ、リビングダイニング、ベッドルーム、ウォークインクローゼット、キッチンなどさまざまな空間にデザインと機能を提案している。
発売から40年にわたって愛され続けている名作「505」シリーズ。美しいショーケースのような「グラード」シリーズ。そして、多彩なワードローブのための「グリス クイック」や「グリス アップ」、「グリス ウォークイン」。
2014年に発表された「パスワード」も、吹き抜けになった壁面の一角に象徴的にレイアウトされ存在感を際立たせる。
モルテーニのアイテムとパトリシア・ウルキオラのインテリアデザインによって創りだされた空間は、じつに機能的で美しい。イタリアの建築とデザインの父と呼ばれるジオ・ポンティの復刻コレクションも随所に採り入れられている。
モルテーニの世界観、パトリシア・ウルキオラの感性、ジオ・ポンティの名作を、日本初のフラッグシップショップでぜひ体感してみてほしい。
（文・久保加緒里）
杉材のほかにも、茶筌をモチーフにしたフロスのペンダントライトや鉄瓶、クローゼットにかけられた羽織など、日本の美が随所に散りばめられている。
地下1階には、ベッドルームやウォークインクローゼットなど夜をイメージした空間が展開される。
モルテーニらしい高度な技術をもつシステム収納とファニチャーの組み合わせは、美しいデザインと機能性を実現している。
パトリシア・ウルキオラ Patricia Urquiola
スペイン、オヴィエド生まれ。マドリード工科大学にて建築を学んだ後、イタリア、ミラノ工科大学でアッキーレ・カスティリオーニに師事。2001年にスタジオ開設。感性豊かな表現と建築家としての多彩な経験を生かし、インテリア、ショールーム、レストラン、ホテルプロジェクトなど、さまざまな分野で国際的に評価される。モルテーニから発表のダイニングテーブル「DIAMOND」は、Red Dot Award 2005年最優秀作品賞を受賞。MoMAパーマネントコレクションをはじめ、数々の美術館に作品が展示されている。
モルテーニ東京 MOLTENI＆C TOKYO
住所：東京都港区南青山6－4－6 Almost Blue B棟1F
電話：03-3400-3322
営業時間：11：00～19：00
休館日：水曜日・祝日
