デザインインフォメーション

2018.03.09

アートフェア東京2018が盛大に開催!
テーマは、Art is Life/アートの中で深呼吸

日本最大級のアートの見本市として国内外から注目を集めている「アートフェア東京2018」が有楽町国際フォーラムで開催。13回目となる今年のテーマは、「Art is life-アートの中で深呼吸-」。古美術から現代アートまでジャンルを超えて、多彩なアート作品を展示、販売。3月9日(金)から3月11日(日)の期間で出会うことできる。

 

 

国内外から164ものギャラリーが出展。時代やジャンルを越えて、様々な作品が展示即売される国内最大級のアート見本市。

 

 

(左)オープニングセレモニーには内閣総理大臣夫人・安倍昭恵さんらが列席。(右)列席者全員による恒例の鏡開き。

 

 

中村萌の木彫に彩色したユニークな作品を展示してギャラリー椿。

 

 

(左)ハービー山口の写真を出品したPhoto Project~curated by Toshio Shimiz MITSUKOSHI。
(右)大石雪野の一刀彫の作品は文京アートからの出品。

 

 

国内外から164軒のギャラリーが参加

アートを観て、知って、手に入れる

 

初開催から13年目を迎えた「アートフェア東京」は、いまや日本のアートシーンを代表するイベントとなっている。今年は、パリ、ソウル、台北、マニラ、北京など国外のギャラリーを含む164軒(うち29軒が新規出展)が参加した。

 

アートフェア東京の楽しみは、ただ鑑賞するだけではなく、アートを見て、アートの文脈を知って、気に入った作品を購入できる点にある。古美術、近代絵画、陶磁器、工芸、立体作品、日本画、現代アート、写真などさまざまなジャンルの作品に出会うことができる。

 

一般社団法人アート東京の理事で、アートフェア東京2018でシニア・アドバイザーを務める「東京画廊+BTAP」の山本豊津(ほづ)さんは、「ギャラリーのキュレーション力、見せ方も年々巧みになってきていて、ますます見応えのあるフェアになりました。コンテンツとして楽しみながら、お気に入りのアートを見つけていただきたいですね」。

 

 

モリモト協賛による美術を専攻する学生によるグループ展、「Future Artists Tokyo-スイッチ・ルーム-」。

 

 

東京藝術大学、筑波大学、女子美術大学、多摩美術大学、東京造形大学、武蔵野美術大学の6校から作品を展示。

 

 

未来のアートシーンを担う若手の才能に触れる

6大学のグループ展「スイッチ・ルーム」

 

無料エリアのロビーギャラリーでは、美術を専攻する学生によるグループ展「Future Artists Tokyo-スイッチ・ルーム-」がモリモトの協賛で開催されている。学生アーティストの作品を展示するだけでなく、キュレーションもアートプロデュースを専攻する学生や研究員が行っているのが特徴だ。

 

「日本のアート界を盛り上げていくためには、プロデュースしていく人材を育てることも重要です。コンテンツをつくる作家と、ひとつひとつのコンテンツをつないでストーリーとして見せるキュレーター、両方に焦点を当てた展示は、これから日本のアートを盛り上げていくうえでも大きな意味があると思います」(山本さん)

 

 

アーティストが2名ずつ、キュレーターは1名ずつが参加。右はキュレーションチームのひとり内海潤也さん。

 

 

東京藝術大学、筑波大学、女子美術大学、多摩美術大学、東京造形大学、武蔵野美術大学の6校から、アーティストは2名ずつ、キュレーターは1名ずつが参加した。展示空間には大学名を掲示していないのは、在籍する大学ではなく作家と作品に意識を向けてほしかったからだと言う。

 

「学生がキュレーションを実践できる機会は多くありません。今回は、ひとりではなく6人で行うコキュレーションでしたが、コミュニケーションを取りながら各キュレーターの描くイメージをまとめていくなかで新たな発見もありました」とキュレーションチームのひとり、内海潤也さん(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻修士2年)。

 

トップキュレーターの目から見れば「未熟」と捉えられてしまうところも、同年代の目線だからこそ「おもしろさ」として見出し、アートの新たな潮流として見せることができたのだろう。

 

 

塩出麻美さんの出展作品、《匣人物(はこじんぶつ)》。

 

 

東京藝術大学大学院博士課程で、「《匣人物》シリーズを描き続けている塩出麻美さん。

 

 

塩出麻美さんに出展作品《匣人物(はこじんぶつ)5》についてうかがった。

 

「《匣人物》シリーズでは、同じモデルの同じポーズの裸婦を描いたうえに、絵具や編んだ麻糸を重ねています。素材やモデルとの対話のうえに時間を重ねている感覚で、わたしひとりのなかにあるものだけではぜったいに生まれなかった作品です」

 

絵具の色や光沢、麻の質感や厚みは、どこか有機的なエネルギーを感じさせる。引き込まれるようでもあり、波動が伝わってくるようでもある。

 

 

繭山龍泉堂から出品された、北栄(12世紀)の「緑釉白掻落とし牡丹文瓶」。

 

 

花田美術から出品した人物画の作品の前で、作家の町田結香さん。

 

 

(左)熊谷守一の作品を出品した柳ケ瀬画廊。
(右)堀尾貞治×藤内敬子の「脈々とGUTAI」を展示した鳩の森美術。

 

 

9か国の駐日大使が推薦する若手アーティストの作品を集めた、「World Art Tokyo パンゲア・テクトニクス-地殻変動するアート⇆ものがたりの分岐点-」も開催。

 

 

ロビーギャラリーの隣接するブースでは、9か国の駐日大使が推薦する若手アーティストの作品を集めた「World Art Tokyo パンゲア・テクトニクス-地殻変動するアート⇆ものがたりの分岐点-」を開催。こちらも学生がキュレーションを担当し、世界のアートの地域差と共通点を浮かび上がらせていて興味深い。

 

アートフェア東京で、「アートを見る」、「アートを楽しむ」、そして「アートがある生活」を感じていただきたい。

 

(取材・文/久保加緒里)

 

 

アートフェア東京2018

一般会期:3月9日(金)~3月11日(日) 3月8日(木)はオープニングプレビュー

会場:東京国際フォーラム 地下2階 展示ホールEおよびロビーギャラリー

時間:3月9日(金)・10日(土)11:00~20:00、3月11日(日)11:00~17:00

料金:1-DAYパスポート(当日)3500円(税込)

※1-DAY パスポートで一般会期中の1日に限り自由に入退場ができます

住所:東京都千代田区丸の内3-5-1

電話:03-5797-7912(一般社団法人アート東京)

http://artfairtokyo.com/

 

 

 

関連記事一覧