SUMAUレストランクルーズ

2017.02.22

名店出身の料理人が紡ぐ
上海料理の古典と今
【表参道】

「故きを温ねて新しきを知る」。古い料理には時間をかけて作り上げられてきた粋が詰まっています。古典的な上海料理を繊細に、そして瑞々しく表現する新たなレストランが表参道に誕生しました。

 

VOL.59 ミモザ@表参道

 

オープンキッチンの熱気を感じて

ワインと楽しむきれいな上海料理

 

「伝統的な中国の料理はシンプルで理にかなっているんですよ」そう話すのは店主の南俊郎さん。

 

ミモザでは、素材の持ち味を引き出すことに長けた上海料理のクラシカルなレシピを大切にしつつ、少し現代的な要素をプラスすることで、よりきれいな料理へと昇華させています。

 

上海の古き良き時代の家庭料理を洗練されたスタイルで提供、美食家に愛されてきた名店「シェフス」。そこで料理長を務めた南さんが2016年にミモザをオープン。中華料理のレストランとしては少し意外な店名だけれど、ワインと中華という組み合わせや白を基調にしたエレガントなフロアの雰囲気にはとても似合っています。

 

醤油をよく使う上海料理は香ばしい醤油に艶めいています。その琥珀色の姿はなんとも美しく美味しそうでもあります。ほとんどにんにくを使わず、生姜を多用することで、「味にヌケ感ができて軽やかさも出せる」と南さんは教えてくれました。

 

オープンキッチンというのもこの店の魅力のひとつ。厨房が熱と香りに包まれる中華料理だけに、鍋を振るえば香りの渦がフロアに降臨し、音と炎がエネルギッシュな盛り上がりを見せるのが醍醐味です。

 

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杭州風の魚の燻製、中国干梅入り酢豚、卵とトマトの炒めもの。

ミモザのシグネチャーは数々ありますが、中でも必ず食べたいのが「大根パイ」。

 

これ、日本ではほとんど見かけないけれど、現地ではポピュラーなのだそうです。本来は屋台で出すようなラフな料理ですが、丁寧な仕込みと繊細な味付けで上品に仕上げるのがミモザ流。

 

本場中国に通っては、モダンからクラシックまで食べ歩き、そのエッセンスを持ち帰るという南さん。2017年のお正月休みも上海へ行っていたとのことでした。現地は今、四川料理ブームなのだそうで、そんなテイストもしっかりと取り入れていました。

 

上海の料理人たちは、上海料理のフィルターを通して四川料理と地元の味をうまく融合させているといいます。唐辛子や花椒のスパイシーな香りを取り入れつつ、甘みを帯びた上海風の醤油味で仕上げた「鴨肉の朝天とうがらし炒め」は、そんな今の上海を伝えるメニューです。

 

建物のアールデコを思わせる鉄格子のファサードやスタイリッシュな鉄骨の階段が趣を漂わせるミモザ。建物のムードと上海という街のイメージが強く重なりあって、ドアを開ける前から期待が膨らんでいきます。

 

大根パイ(2個) 1,300円 ラードを使っているのでパイはサクサク。中身は細切りの大根と金華ハムでさっぱり。大根が旬の季節にはとくに食べたくなる。

大根パイ(2個) 1,300円

ラードを使っているのでパイはサクサク。中身は細切りの大根と金華ハムでさっぱり。
大根が旬の季節にはとくに食べたくなる。

 

鴨肉の朝天とうがらし炒め 3,200円 四川風のテイストを取り入れた料理も少なくない。上品な醤油味の鴨肉が唐辛子や花椒の香りをまとう、上海と四川の出会いの料理。

鴨肉の朝天とうがらし炒め 3,200円

四川風のテイストを取り入れた料理も少なくない。上品な醤油味の鴨肉が唐辛子や花椒の香りをまとう、上海と四川の出会いの料理。

 

料理に合わせるのはワイン。料理に合うきれいな味わいのワインを上手にセレクトしている ボトル4,000円台~

料理に合わせるのはワイン。料理に合うきれいな味わいのワインを上手にセレクトしている ボトル4,000円台~

 

大きな窓が開放的な空間。 奥のボックス席は厨房がよく見える人気シート

大きな窓が開放的な空間。

奥のボックス席は厨房がよく見える人気シート

 

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ミモザ

住所: 東京都港区南青山3-10-40 フィオラ南青山ビル 2F

電話:03-6804-6885

営業時間: 18:00~LO23:00

定休日:日曜 祝日

席数:22席

メニュー:前菜1,400円~、卵とトマトの薫香炒め2,300円、春巻き(2本)800円、大根もち(3切れ)1,400円、肉料理2,800円~

 

(取材&文・岡本ジュン 写真・加藤タケ美)

 

PROFILE  岡本ジュン

“おいしい料理とお酒には逆らわない”がモットーの食いしん坊ライター&編集者。出版社勤務を経てフリーに。「食べること」をテーマに、レストラン、レシピ、旅行などのジャンルで15年以上に渡って執筆。長年の修業(?)が役に立ち、胃袋と肝臓には自信あり。http://www.7q7.jp/

 

※掲載価格は税抜価格です(2017年2月現在)

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