HAPPY GARDEN DIARY

2016.07.13

サマーカーニバル
夏の花の競演

季節は梅雨から本格的な夏へ。そこで今月はサマーシーズンを先取りする元気カラーの寄せ植え2種類を紹介します。

 

バカンス気分を楽しむ

夏の寄せ植えバスケット

 

まずご紹介するのは、ビタミンカラーの寄せ植えバスケット。

梅雨のじめじめから解放されて気持ちが明るくなるような、彩り豊かな組み合わせを意識してみました。

 

こうした夏の寄せ植えに欠かせない花のひとつが、ジニア(ヒャクニチソウ)。

暑さや乾燥に強く生育旺盛、ビギナーにも育てやすいだけでなく、さまざまな品種が流通しているので、

きっと好みの色や花が見つかるはずです。

 

今回は元気いっぱい、溢れんばかりに咲くフラワーバスケットをイメージして、たくさんの株を植え込みました。それだけに花選びも重要なポイントとなるので、順に紹介していきます。

 

まずは、奥に植える背が高めの花のグループ。

鮮やかな黄色い花がまさに夏! といった印象のルドベキア、

ボンボンのような球状の花とオフホワイトカラーがキュートなアフリカンマリーゴールド、

そして前述のジニアは、白の縁取りをしたような赤い花びらが可愛らしい小花品種を選びました。

 

背が高めの花々は奥に植えつけ。(左)ルドベキア、(中)アフリカンマリーゴールド、(右)ジニア

背が高めの花々は奥に植えつけ。
(左)ルドベキア (中)アフリカンマリーゴールド (右)ジニア

 

そして手前には低め丈の花を。奥の花の色が比較的はっきりしているので、

若干薄めの色を選ぶと、グラデーション効果も演出できます。

また、黄色や赤といった主張する色を並べて植えると色同士がぶつかり合い、強い印象になるため、

間にクッションの役割を果たす白やオフホワイトの花(今回はアフリカンマリーゴールド)を入れるのもコツです。

 

手前に植える背が低い花々。(左)ダールベルクデイジー、 (中)ジニア(プロシフュージョン)、(右)ニチニチソウ

手前に植える背が低い花々。(左)ダールベルクデイジー 
(中)ジニア(プロシフュージョン)(右)ニチニチソウ

 

今回は葉をいっぱいにつけた花が多いため、葉ものは少なめの2種類。

とはいえ、花の元気なイメージに負けないように、色や花の形が個性的なコリウスをチョイスしました。

このコリウスも多品種。同じコリウスとはいえ、写真のように色や葉の大きさも違うので、

寄せ植えのアクセントとして重宝します。

 

葉ものも花に見えるような個性的なものを選ぶ。 (左)コリウス(グリーニングイエロー)、(右)コリウス(ときめきリンダ)

葉ものも花に見えるような個性的なものを選ぶ。
(左)コリウス(グリーニングイエロー) (右)コリウス(ときめきリンダ)

 

花選びが終わったら、次は植え込み。

通常のバスケットの寄せ植え同様、底に土こぼれ防止と演出効果の目的で麻布を敷き、

鉢底石をひと並べして、園芸用土を入れ、植え込んでいきます。

 

ちなみに、鉢底石は写真のようにネットに入れておくと、土に混ざるのを防げるほか、

再利用もしやすく、便利です。

 

鉢底石はネットに入れると使うのがおすすめ。

鉢底石はネットに入れると使うのがおすすめ。

 

今回は花の数が多いため、初心者の場合は、いきなり土を入れて植えつけるのではなく、

一度ポット苗の状態でバスケットに入れ、レイアウトを調整してから実際に植えるとよいでしょう。

 

レイアウトがイメージできたら、まずは背の高い花を奥に植え、次に低い花を手前に植えていきます。

背の高い花はサイドに向かって伸びやかに、

またどの花も、顔がしっかり見えるように意識することも大切です。

そして最後に空間を埋めるように葉ものを配置し、全体のバランスを調整して完成!

すべての植え込みがおわったら、一度たっぷりと水やりを行います。

 

今回の寄せ植えであれば、夏でも、日当たりのよい場所に置いてOK。

ただし真夏の強烈な西日だけには避けるようにしてください。

また、バスケットの大きさに対してたくさんの株を植えてあるため、

花がらはこまめに摘み、随時切り戻しをして、風通しをよくするよう心掛けること。

バスケットは通気性がよく乾きやすいので、真夏は様子をみつつ、朝晩2回の水やりをおすすめします。

 

南国リゾートの風を運ぶ

トロピカルな寄せ植え

 

6

 

次にもう一点、テラコッタの大鉢を使ったエントランス置きにもぴったりの寄せ植えをご紹介します。

単品で飾るイメージの強い観葉植物もこうして寄せ植えにすることで雰囲気も一変。

トロピカルムード満点、リゾートの風を感じるようなグリーン演出ができます。

 

今回セレクトしたのは、艶やかな淡いピンクの仏炎苞(ぶつえんほう)が印象的なアンスリウムや、

ペペロミアといった熱帯系の観葉植物。

さらに、個性的な斑模様のガーデンカラジュームやシダ植物など、

一見するとどれも主張するタイプの植物に見えますが、

基本的に明るい半日陰を好む植物で統一しているため、

寄せ植えにすると、ご覧のとおり、見事な調和を見せてくれます。

 

(左写真)左・アンスリウム、右・セイロンライティア  (右写真)左・ツデーシダ、中・ペペロミア、右・ガーデンカラジューム

(左写真)左・アンスリウム、右・セイロンライティア 
(右写真)左・ツデーシダ、中・ペペロミア、右・ガーデンカラジューム

 

夏の置き場所は室外なら半日陰へ、室内なら窓辺を避け、エアコンの風が直接当たらない明るい場所へ。

観葉植物は、夏の直射日光に当たると確実に葉焼けをおこしてしまうので注意が必要です。

また低温が苦手なので、10月くらいまでは屋外に置いても構いませんが、それ以降は室内へいれること。

室内にいれたくない場合は、一年草と割り切って、寒くなって枯れてきたら処分してしまいましょう。

 

とはいえ、それも先の話。

まずは夏の間、このトロピカルな雰囲気を存分に楽しんでいただけたら、と思います。

 

(文・原口りう子 写真・松永直子)

 

 

ガーデニングデザイン:

有川宗子(ありかわ もとこ)

東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。

株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。http://3films.com/garden/

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