HAPPY GARDEN DIARY

2016.06.08

和テイストのグリーンインテリア
苔玉づくりに挑戦!

今月は苔玉をメインとする和テイストのガーデニングをテーマにお送りします。乾燥をきらい、湿気を好む苔のインテリアは、この季節にぴったりです。

 

見ているだけで和む

まんまる苔玉

 

「苔玉」をご存知でしょうか。

植物の根の部分を土で球状に包み、そのまわりに苔植物を貼りつけたもので、

癒し系インテリアとしても人気です。

今月はそんな苔玉のつくりかたを紹介します。

 

まず用意するのは、苔と2種類の土、そして植物。

植物は日陰でも育つ丈夫な観葉植物や、山野草などがおすすめです。

苔にもいろいろな種類がありますが、今回は明るい場所と湿度を好む「ハイゴケ」を使いました。

ハイゴケはシート状で購入できて苔玉づくりに最適。初心者でも扱いやすい苔です。

土は「ケト土(つち)」と呼ばれる粘性と保水力の高い土を、寄せ植えでもよく使う赤玉土と混ぜて使用します。

 

手前のハイゴケから時計まわりに、ケト土、植物(今回はプラリス)、赤玉土。 苔や土は園芸店やホームセンターのガーデニングコーナー、ネット通販などで手に入る。

手前のハイゴケから時計まわりに、ケト土、植物(今回はプラリス)、赤玉土。苔や土は園芸店やホームセンターのガーデニングコーナー、ネット通販などで手に入る。

 

それでは、つくりかたを順に説明します。

 

まず、ケト土と赤玉土を7:3の割合で用意。

少しずつ水を加えて、粒状の赤玉土は潰しながら、ケト土と一体化させるように混ぜていきます。

 

ケト土は素手で扱うと手が真っ黒になるので、かならず手袋をして作業を。

ケト土は素手で扱うと手が真っ黒になるので、かならず手袋をして作業を。

 

硬さの目安目標は耳たぶくらい。

土が均等に混ざり、球状にまとまって、球に照りがでるまでよく練り混ぜます。

大きさは植物とのバランスを考慮しつつ、お好みで。

 

粒状の赤玉土は粒を潰しながら、粒がなくなってケト土と一体化するまで混ぜこねる。

粒状の赤玉土は粒を潰しながら、粒がなくなってケト土と一体化するまで混ぜこねる。

 

土が用意できたら、今度は植物の下準備。

ポットから出し、根鉢をくずした後、練り上げた土でボール状に包みます。

 

植物の根はまわりの土を軽く落とした後、苔玉の土で包む。

植物の根はまわりの土を軽く落とした後、苔玉の土で包む。

 

次に、汚れを落とし、水で湿らせておいたハイゴケを、底を除く、苔玉全体にまんべんなく貼りつけていきます。

 

苔に入っている小枝や茶色く枯れた部分はあらかじめ取り除いておく。

苔に入っている小枝や茶色く枯れた部分はあらかじめ取り除いておく。

 

全体に苔を貼りつけたら、テグス糸で苔を固定します。

テグス糸は目立たない極細タイプがおすすめ。今回は2号(0.24㎜)のテグスを使用しました。

たすきがけの要領で、全体をぐるぐると巻いてしっかり苔を固定します。

 

固定は糸を使ってもOK。

固定は糸を使ってもOK。

 

苔をしっかり固定したら、完成! ただし、飾るのはちょっと待って。

できあがった苔玉をまるごと水にどぼんとつけて1〜2分、しっかりと水を含ませます。

 

水やりはプラスチックの空き容器などを利用すると便利。

水やりはプラスチックの空き容器などを利用すると便利。

 

給水が終わったら、飾りかたを考えます。

どんな器に置いて飾るかも、苔玉の楽しさ。

和の雰囲気にあわせて陶器の和皿に、夏らしいグラスやガラスの器に、

また吊るして飾るのも一興です。

 

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今回は、この季節にぴったりのブルーのお皿を選んで、

みずみずしいイメージの苔玉インテリアを完成させました。

 

受け皿とのマッチングを考えるのも苔玉の楽しみのひとつ。

受け皿とのマッチングを考えるのも苔玉の楽しみのひとつ。

 

さらに、同じように作った苔玉のバリエーションがこちら。

 

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左はミニ観葉植物のテーブルヤシ、右がアジアンタム。

テーブルヤシは、100円ショップなどでも手軽に購入できる身近な植物ですが、

苔玉にするとまた姿が一変してかわいらしく、おすすめです。

 

アジアンタムはシダ植物の一種で、重なり合う薄い葉っぱから光が透けて、

その花言葉どおりの「繊細」さが魅力。

このようにふたつ並べて飾るのも素敵です。

 

そして、長く楽しむためには、管理も重要。

特に苔はデリケートなので、その特性を意識して、置き場所や管理を工夫することが大切です。

たとえば今回使ったハイゴケの苔玉であれば、

直射日光を避けたカーテンごしの窓辺など、明るい場所に飾るのがベター。

植物は日光の方向に伸びる習性があるので、同じ向きで置きっぱなしにせず、

ときどき向きをかえると、バランスよく育ちます。

また、風通しが悪いとカビが生えやすくなるので注意しましょう。

 

水やりは、表面が乾いたら霧吹きで与えます。

また、手で持って軽いと感じたら水の中にドボンと1~2分沈めてしっかり水分補給します。

基本は2~3日に1回、夏場であれば1~2日に1回が目安。

マメに管理することでより長く青々とした苔を楽しめるので、ぜひ愛情を持って育ててください。

 

モコモコとした苔が印象的な

和の寄せ植え

 

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次に、同じ苔を使ったグリーンインテリアをもうひとつ紹介します。

それがこの苔敷きのミニ寄せ植え。

 

植えかたは、途中までは通常の寄せ植えと同じ。

底に鉢底石をひと並べして土を入れ、好きな植物を植えていきます。

今回は、観葉植物としておなじみのスパティフィラム(左)と、オリヅルラン(右)をセレクト。

そして最後に、土の表面に苔を敷きつめます。

 

苔は「ヤマゴケ」を使用。苔玉で使ったハイゴケは、文字通り、地面に這うように広がる平面的な苔ですが、このヤマゴケは、別名“マンジュウゴケ”と呼ばれるように、こんもり盛り上がるように成長するのが特徴です。表面に敷くとより立体的でリアルなミニチュア日本庭園が演出できます。

 

ヤマゴケは湿り気に強いので、明るい日陰から半木陰に置いて飾ります。

水やりは一般の寄せ植えと同じ頻度で構いませんが、土が苔で覆われて乾き具合が分かりにくいので

1日に1度など、あらかじめ決めておくと乾燥が防げます。

 

小石などを置けば、さらに趣きある雰囲気に。

センスを駆使して、オリジナリティあふれる和の寄せ植えを楽しんでください。

 

 

(文・原口りう子 写真・松永直子)

 

ガーデニングデザイン:

有川宗子(ありかわ もとこ)

東京都出身。JGS公認ガーデンコーディネーター、ガーデニング歴20年。

株式会社3Films ガーデニング部所属。個人の庭やベランダ、幼稚園の園庭花壇の植栽などを手掛けている。http://3films.com/garden/

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