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2016.12.26

ゴッホをはじめヨーロッパ名画が集結
「デトロイト美術館展」

アメリカにあるデトロイト美術館のコレクションから厳選された名画の傑作が展示される「デトロイト美術館展」が、東京・上野の森美術館で開催中です。モネやゴッホほかフランスの近代絵画を中心に、日本初公開の作品も多くあり見逃せない展覧会となっています。

 

 

上野の森美術館で開催中のデトロイト美術館展。

上野の森美術館で開催中のデトロイト美術館展。

 

 

上野の森美術館で開催中のデトロイト美術館展。累計来場者数は50万人を突破した。

累計来場者数は50万人を突破した。

 

 

ピエール・オーギュスト・ルノワール 《白い服の道化師》 1901-1902年

ピエール・オーギュスト・ルノワール 《白い服の道化師》 1901-1902年 Bequest of Robert H. Tannahill

ピエール・オーギュスト・ルノワール《肘掛け椅子の女性》1874年

ピエール・オーギュスト・ルノワール《肘掛け椅子の女性》1874年 Bequest of Mrs. Allan Shelden III

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モネ、ゴッホ、ピカソ、マティスetc…

選りすぐりの名作52点が一挙に集結

 

豊田(愛知)、大阪と巡回し、現在東京・上野の森美術館で開催中のデトロイト美術館展。すべての作品が撮影可能ということでも話題を呼んでいますが、3か所での累計来場者数が50万人を突破し、その人気ぶりがうかがえます。

 

本展覧会では、モネ、ゴッホ、ルノワール、ピカソ、マティスなど、デトロイト美術館が誇るコレクション6万5000点の中から、選りすぐりの52点が展示されています。

 

年間70万人以上が訪れるというデトロイト美術館のコレクションは、全米でも上位6館に入るほどの規模。所蔵作品の多様性も美術館を特徴づける大きな要素となっています。

 

 

ギュスターヴ・クールベ 《川辺でまどろむ浴女》 1845年

ギュスターヴ・クールベ 《川辺でまどろむ浴女》 1845年 City of Detroit Purchase

ポール・セザンヌ 《画家の夫人》 1886年頃

ポール・セザンヌ 《画家の夫人》 1886年頃 Bequest of Robert H. Tannahill

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オディロン・ルドン 《心に浮かぶ蝶》 1910/1912年頃

オディロン・ルドン 《心に浮かぶ蝶》 1910/1912年頃 City of Detroit Purchase

 

 

 

 

エドガー・ドガ 《楽屋の踊り子たち》 1879年頃

エドガー・ドガ 《楽屋の踊り子たち》 1879年頃 City of Detroit Purchase

 

 

 

その中で今回見ることができるのは、コレクションの中核をなす貴重な傑作ばかり。どれも画家の特徴がよくわかる名品の数々が展示されていました。

 

構成は、印象派(第1章)、ポスト印象派(第2章)、20世紀のドイツ絵画(第3章)、20世紀のフランス絵画(第4章)の4章からなります。

 

全52点ということでやや少ない印象を受けるかもしれませんが、解説を読みながらじっくり鑑賞するには、ちょうどいい作品数だと感じました。

 

 

フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1887年 展覧会の目玉ともいえるゴッホの自画像。その価値100億円ともいわれる。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1887年

展覧会の目玉ともいえるゴッホの自画像。その価値100億円ともいわれる。City of Detroit Purchase

 

 

フィンセント・ファン・ゴッホ 《オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて》 1890年 日本初上陸となるゴッホの貴重な作品。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて》 1890年

日本初上陸となるゴッホの貴重な作品。Bequest of Robert H. Tannahill

 

 

(左)モーリス・ドニ 《トゥールーズ速報》 1892年

(左)モーリス・ドニ 《トゥールーズ速報》 1892年

 

 

目玉はゴッホの「自画像」

心に迫る「ドイツ表現主義」も見どころ

 

今回の展覧会の白眉ともいえるのが、第2章に展示されているその価値100億円ともいわれるゴッホの自画像。

 

自画像を多く描いているゴッホですが、本作品はアメリカの公的な美術館に収容された最初のゴッホ作品なのだそう。美術の教科書では見たことがありますが、実際に目にする自画像は明るい色彩が印象的で、会場でも人だかりができるほどの人気ぶりでした。

 

また、第3章の「20世紀のドイツ絵画」も見ごたえのある作品が多く、個人的にはとても興味深く鑑賞することができました。20世紀前半のドイツ絵画は、「ドイツ表現主義」という言葉で説明されます。とりわけ時代の転換期や、芸術家の精神的危機があらわになるときに登場するのが表現主義。

 

 

(左)ワシリー・カンディンスキ 《白いフォルムのある習作》 1913年

(左)ワシリー・カンディンスキ 《白いフォルムのある習作》 1913年

 

 

エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー 《月下の冬景色》 1919年

エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー 《月下の冬景色》 1919年

Gift of Curt Valentin in memory of the artist on the occasion of Dr. William R. Valentiner’s 60th birthday

 

 

第3章では、第一次世界大戦により時代に翻弄された画家たちの作品が並びます。ドイツ表現主義はナチスによって「退廃芸術」に指定され弾劾されていたため、ナチスに隠れて絵を描き続けた画家もいたそうです。

 

特に印象的だったのが、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーの「月下の冬景色」という作品。色使いなどとても現実とは思いがたい風景画なのですが、本人の心の叫びが画面いっぱいに大胆にデフォルメされたような作風で、時代背景と照らし合わせて見ると心に迫るものがありました。

 

ほかにも見どころは多く、ゴッホの「オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて」、ピカソの「読書する女性」などは日本初上陸となるため(日本初上陸は計15点)、この機会にぜひ鑑賞しておきたいところ。

 

週末はかなりの人出があるので、行けるなら平日が狙い目です。ただ、上野での展示も残すところあとわずか。アメリカを代表する美術館の傑作が国内で見られるまたとないチャンスなので、混雑覚悟でも見る価値は十分にあります。

 

(取材・文/開 洋美、撮影・川野結李歌)

 

 

 

アメデオ・モディリアーニ 《女の肖像》 1917-1920年

アメデオ・モディリアーニ 《女の肖像》 1917-1920年

City of Detroit Purchase

アメデオ・モディリアーニ 《帽子を被った若い男性》 1919年

アメデオ・モディリアーニ 《帽子を被った若い男性》 1919年 Bequest of Robert H. Tannahill

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンリ・マティス 《コーヒータイム》 1916年

アンリ・マティス 《コーヒータイム》 1916年

Bequest of Robert H. Tannahill

アンリ・マティス 《窓》 1916年

アンリ・マティス 《窓》 1916年

City of Detroit Purchase

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デトロイト美術館展 〜大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち〜

会期:2016年10月7日(金)〜2017年1月21日(土) ※作品の写真撮影は会期中の月曜日・火曜日のみ可能

会場:上野の森美術館

住所:東京都台東区上野公園1-2

電話:03-5777-8600(ハローダイヤル/全日8:00〜22:00)

時間:9:30〜16:30(毎週金曜は9:30〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで

休館日:会期中はなし

観覧料:一般1600円、高校・大学生1200円、小・中学生600円、小学生未満は無料

http://www.detroit2016.com

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