丸の内スペシャルデザインインフォメーション

2015.05.01

[丸の内スペシャル]
北陸新幹線開通記念「ピカソと20世紀美術」
東京ステーションギャラリーで開催中!

東京駅丸の内北口に直結した美術館「東京ステーションギャラリー」で、北陸新幹線の開通を記念した展覧会が開催されている。富山県立近代美術館のコレクションで、20世紀のアートの変遷を紐解く『ピカソと20世紀美術』を公開。東京駅で20世紀を代表する47作家による約100点の名品に出会うことができる。

 

ワシリー・カンディンスキー 散文詩画集『響き』より 《叙情的なるもの》 1911年 富山県立近代美術館蔵

ワシリー・カンディンスキー
散文詩画集『響き』より
《叙情的なるもの》 1911年
富山県立近代美術館蔵

 

ワシリー・カンディンスキー 散文詩画集『響き』より 《万聖節》 1911年 富山県立近代美術館蔵

ワシリー・カンディンスキー
散文詩画集『響き』より
《万聖節》 1911年
富山県立近代美術館蔵

 

ワシリー・カンディンスキー 散文詩画集『響き』より 《東方的なるもの》 1911年 富山県立近代美術館蔵

ワシリー・カンディンスキー
散文詩画集『響き』より
《東方的なるもの》 1911年
富山県立近代美術館蔵

 

20世紀を代表する47作家、約100点の作品で

モダンアートの多彩な表現を俯瞰する

 

西洋美術は20世紀に大きく転換したと言われている。キュビスムからダダイスム、シュルレアリスム、ポップアート、ミニマリズム、そしてコンセプチュアルアートまで。つねに新たな表現が模索され、実践された時代と言ってもいい。

 

富山県置県100年記念事業として1981年にオープンした富山県立近代美術館は、国内外の20世紀美術の名品を数多く収蔵している。そのコレクションを中心にモダンアートの移り変わりを体系的に展示したのが、企画展「ピカソと20世紀美術」だ。

 

ピカソをはじめ、カンディンスキー、マティス、シャガール、マン・レイ、デュシャン、ミロ、フォンタナ、ベーコン、ウォーホル、リヒター、ジャッド、コスースまで。展覧会は、47人のアーティストの作品約100点で構成されている。

 

表現の手法も、絵画、版画、写真、立体などバラエティに富んでいる。本展覧会は、20世紀美術の激動の流れをたどる貴重なチャンスなのである。

 

 

ワシリー・カンディンスキー 散文詩画集『響き』より 《赤色の前の二人の騎手》 1911年 富山県立近代美術館蔵

ワシリー・カンディンスキー
散文詩画集『響き』より
《赤色の前の二人の騎手》 1911年
富山県立近代美術館蔵

 

ワシリー・カンディンスキー 散文詩画集『響き』より 《月景の中の二人の婦人》 1911年 富山県立近代美術館蔵

ワシリー・カンディンスキー
散文詩画集『響き』より
《月景の中の二人の婦人》 1911年
富山県立近代美術館蔵

 

ワシリー・カンディンスキー 散文詩画集『響き』より 《大いなる復活》 1911年 富山県立近代美術館蔵

ワシリー・カンディンスキー
散文詩画集『響き』より
《大いなる復活》 1911年
富山県立近代美術館蔵

 

間近にホンモノを見る贅沢と

作品から感じられる作家の息吹

 

「ピカソと20世紀美術」は、ピカソの作品9点が出品されていることで話題を集めている。20世紀の西洋美術はピカソ抜きにして語ることはできないが、当然のことながらピカソだけで語りつくすことができるものでもない。

 

表現に対するさまざまな試みを、47人の作家の作品を通じて見渡しているところに、本展のおもしろみが詰まっているように感じた。

 

ホンモノにはホンモノしか持ちえない波動がある。4K解像度や3Dプリントなど映像や印刷の技術がどんなに進んでも、ホンモノに触れたときの脳天を貫くような衝撃を再現することはできないだろう。

 

カンディンスキーの木版画の色彩の美しさ。人物が半立体となるまで分厚く絵具を塗り重ねたルオーの油彩画《パシオン》の迫力。作家の指示で作品を量産して普及する「マルティプル」の先駆となったデュシャンの《トランクの箱》。

 

キャンバスの裂け目の生々しさと力強さが際立つフォンタナの《空間概念-期待》。石版に英訳したニーチェの格言を刻んだコスースの「哲学者の誤り」シリーズの一作など、名品の数々と出会える。

 

作家の内にある苦悩やひらめき、栄華、挫折、歓び、悲哀があふれている。作品から発せられる圧倒的なリアリティに、「アートは思想なのだ」とあらためて気づかされる。

 

いままで遠い存在だった首都圏と北陸は、北陸新幹線の開通で一気に近づいた。北陸を訪れるだけでなく、ふだんは北陸でしか触れることのできない芸術に、東京駅丸の内駅舎で触れることができる。

 

5月17日(日)までの開催。ゴールデンウィークで東京駅を利用する際、待ち時間に立ち寄ってみてはいかがだろう。

 

(文・久保加緒里)

 

エルンスト・ルードヴィヒ・キルヒナー 《靴のボタンを掛ける女》 1913年 富山県立近代美術館蔵

エルンスト・ルードヴィヒ・キルヒナー
《靴のボタンを掛ける女》 1913年
富山県立近代美術館蔵

パウル・クレー 《名誉毀損》 1934年 富山県立近代美術館蔵

パウル・クレー
《名誉毀損》 1934年
富山県立近代美術館蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイモン・デュシャン=ヴィヨン 《馬の頭》 1914年 富山県立近代美術館蔵

レイモン・デュシャン=ヴィヨン
《馬の頭》 1914年
富山県立近代美術館蔵

ケーテ・コルヴィッツ 《哀悼 エルンスト・バルラッハを偲んで》 1938-40年 富山県立近代美術館蔵

ケーテ・コルヴィッツ
《哀悼 エルンスト・バルラッハを偲んで》
1938-40年
富山県立近代美術館蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

112ピカソと20世紀美術

北陸新幹線開業記念 富山県立近代美術館コレクションから

東京都千代田区丸の内1−9−1

会期:2015年3月21日(土)~2015年5月17日(日)

開館時間:10:00~18:00(金曜日は~20:00、入館は閉館30分前まで)

休館日:月曜日(5月4日はのぞく)

入館料:一般1000円、高校・大学生800円、中学生以下無料

※20名以上の団体は100円引

※障がい者手帳等を持参の方は100円引、その介添者1名は無料

問い合わせ:03-3212-2485

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

 

同時期、富山県立近代美術館でも開催中

北陸新幹線開業記念

「世界・日本の20世紀美術」―旅する100年―

会期:2015年3月14日(土)~2015年5月10日(日)

http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/3042.htm

 

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